人との繋がりを作り、生きる
Tai(横浜国立大学大学院/ 一宮西高等学校)
- 留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
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- Casagrande Laboratory
- フィンランド
- ヘルシンキ
- 留学テーマ・分野:
- 海外インターンシップ
ヘルシンキでは郊外や他の欧州地域からの移民により住居不足が深刻化している。家賃の相場も驚くほど高く、特にサポートを受けられない非学生の若者たちは住み家を探すのにとても苦労している。日本からSNSを通して手配していた部屋は、コミュニケーションの齟齬か生じたのか想像よりもはるかに劣悪で、家具はおろか電灯さえ無い状態だった。翌日、会社の同僚と仲良くなり、住む場所についての話をしたところ、彼の暮らしている場所を紹介してくれた。なんて運のいいことだと喜び勇んで行ってみると、そこは家ではなく港に停泊している夏季旅客船の一室という驚くべき展開が待ち受けていた。寒く不便ではあったが、仲間や思い出がたくさんでき、楽しい日々の中で語学力も向上し、暮らしの知恵が増えていった。彼らを通じて移った次の住居では、連日パーティが行われる日本じゃ不可能な程に賑やかなシェアハウスであったが、日々同居人の異国人達を理解し、暮らしに適応していく中で、文化の差や偏見等がみるみるなくなっていった。国を去る時期が近づくころには、どこにでも自分の居場所があり、また、つくることが出来るという自信がついていた。日本にいると、人とのつながりによって生かされるという実感が手に入りにくいかもしれないが、留学においては周りに人がおり、彼らに感謝して生きるということが生きていくのに必須であるといえるだろう。そうした人とのつながりの中にこと、学ぶことのできる本質的なものがたくさんあるということが実感できたのだった
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