留学大図鑑 留学大図鑑

眞柄史織

出身・在学高校:
東葛飾高等学校
出身・在学校:
国際教養大学
出身・在学学部学科:
国際教養学部
在籍企業・組織:

インスタグラムでは、フィンランド留学中に気付いたことや感じたことを日記風に綴っています。
noteでは、主に帰国後、フィンランド留学を振り返って言語化したことを長々と綴っています。

返信は遅くなるかもしれませんが、留学やフィンランドに関して質問があれば、Facebookのメッセンジャーでご連絡いただけたら幸いです。


最終更新日:2020年11月09日 初回執筆日:2020年11月09日

人類の教育のミライとは?

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ラップランド大学教育学部
  • フィンランド
  • ロヴァニエミ
留学期間:
11か月
総費用:
1,500,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,480,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<IELTS6.5> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

「一人ひとりが自分らしい生き方ができるような教育をしたい」
それが、日本の公立で小学校から高校まで12年間教育を受けてきた私が抱いた思いでした。個々の違いを豊かなものとして捉えず、押し殺してしまうような環境が、日本の教育には強くあると感じたからです。大学に入学して様々な視点から教育を学んでもその思いは変わらず、1年間フィンランドの大学の教育学部に留学を決意しました。
留学先の大学では、フィンランドで教員を目指している学生と同じ授業を受けたり、付属の小学校や近所の保育園で実習を行ったりしました。また、新しくGlobal Educationという分野に出会い、国ごとの教育の違いを越えた普遍的な人類の教育について、人類の本質や歴史、グローバル化等の視点から深く広く考察しました。
それらを通して気付いたことは、多少の教育課題の違いはあっても、根本的にはどの国の教育も同じ岐路に立たされているということ。留学前は、「個性を尊重している」「自由」という表面的な違いだけに目が行ってフィンランド留学を選んだけれど、蓋を開けてみるとどこの教育もあまり変わらないことがわかりました。どの国も、これからの人類や地球の未来を見据えて教育を創っていかなければならないことには変わりはなく、この国境を越えた普遍的な「教育のビジョン」をはっきりさせることが、これからの私たちの課題だと強く感じました。

留学の動機

きっかけは自分が中高生の時に感じていた漠然とした生きづらさと、高校3年生の時に現代社会の先生が見せてくれたフィンランド教育についてのビデオでした。自由でのびのび育っているフィンランドの子どもたちを見た時、自分がそれまで言語化できていなかった生きづらさと教育が一本の線で繋がり、自分がやりたいのはこれだと感じました。

成果

留学の成果は、それまで思考できていなかったところまで考えが及ぶようになり、これまでとは違うスケールや視点で物事を捉えることができるようになったことです。フィンランドでは私のもやもやや疑問について徹底的に対話してくれる教授とも出会い、これまでか!というほど深く自分を知り、社会を知ることができたのが一番の収穫です。

ついた力

人間力

留学を通して、自分は「アジア人」や「日本人」である以前に一人の「人間」だ、ということを身体で理解できたのが大きいです。私は日本の教育を良くするために留学しているけれど、目の前で困っている人がいればどこの国の人であっても自然と「助けたい」と思う自分がいる。人として、国境を越えて人を思いやる気持ち、何か行動を起こしたいという気持ちを自覚できたこと。これに名前を付けるなら「人間力」なのかなと思いました。

今後の展望

「教育のビジョン、目指す先はどこか?」という問いには、留学を終えた今でもまだ答えが出ていません。今後は、この問いについて自分なりにさらに探求を続けていくとともに、日本の地方で、まちづくりの観点から教育作りをしていきたいと考えています。ローカルにはグローバルへと繋がる可能性がたくさんあると感じています。

留学スケジュール

2019年
8月~
2020年
7月

フィンランド(ロヴァニエミ)

留学先では、大学や小学校に通いながら、前半は留学生シェアアパートでルームメイト6人と暮らし、後半はフィンランド人家庭にホームステイをしていました。
シェアアパートでは、中国、ベトナム、オーストリア、イタリア、ベルギーからの留学生とともに生活しました。特に同じ部屋で寝泊まりをしていた中国人の子とはとても仲良くなり、よく一緒にアパートについているサウナに行っては深く語り合いました。ホームステイは、現地に行ってからの繋がりで紹介してもらいました。60歳のフィンランド人夫婦の家庭で、よく近くに住んでいる娘や孫が遊びに来ていました。自分のテーマである「教育」を深く知るためには、フィンランド人が大切にしている価値観を理解する必要があると考えていたので、彼らと過ごした5か月間はその点でとても勉強になりました。フィンランドを第二の故郷と思えるくらになったのも、ホームステイで出逢った人たちのおかげです。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

30,000 円

生活費:月額

50,000 円

留学前半の最後、ルームシェアをしていたみんなと。
ホームステイ先の家族と誕生日パーティー
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

30,000 円

生活費:月額

50,000 円

スペシャルエピソード

コロナ渦でも関係ない!自然と共生するフィンランド人

北極圏の入り口にロヴァニエミは、冬になると川や湖に分厚い氷が張って、その上を歩けるようになります。
フィンランド人は、よく雪の積もった川の上で氷に穴をあけてアイスフィッシングをしたり、なんと氷点下の中湖や川に飛び込んでアイススイミングをしたり、寒さの中でも自然の恵みを最大限に楽しみながら生活しています。
3月のある日、コロナによる自粛で街に人っこ一人いないのにも関わらず、川の上と森の中には人がいて、思い思いにアイスフィッシングやスキーを楽しんでいました。大学が閉鎖してしまったので、暇を持て余して私が川の上を散歩していると、一人優しそうなおじいさんがちょこんと座ってアイスフィッシングをしていたので、勇気を持ってフィン語で話しかけると「やってみな!」と釣り竿を渡してくれ、それから一時間以上ゆっくりお喋りしながらアイスフィッシングをしました。おじいさんは英語を話せなかったし、会話は限られていたけれど、周りで同じようにのんびりアイスフィッシングをしていた現地の人たちとも仲良くなって、とても豊かな時間を過ごしました。

「街が閉まっているのなら、川に行けばいいじゃない!」
「人と接触しちゃいけないのなら、森に行けばいいじゃない!」
自然とともに暮らすフィンランド人たちのたおやかさに、はっとさせられた日常の1ページでした。

初めてのアイスフィッシング!

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

フィンランドの留学中、とてもお世話になったGlobal Educationの教授。
驚くほど懐が深く、学生との時間をいくらでもとってくれる人でした。私は11か月留学していたのですが、その間ほぼ週に1度は一対一で何時間も対話する時間を取ってくれ、そのおかげで私は「教育」だけでなく自分の人生観や死生観に至るまで、それはそれは深く考えることができました。コロナで大学が閉まってからは、毎週家に呼んでくださり、小学校教諭の奥さんも一緒にご飯を食べながら、1回につき7時間くらい、時間を忘れて議論しました。
教授と話したおかげで、自分の世界や人間を見る目がだいぶ変化し、その変化は行動にも表れていると感じています。帰国後も定期的にzoomで日々考えていることやGlobal Educationについてお話したりと、交流は続いています。とても出会えてよかったと思える人です。

計220時間以上の対話をしてくれた教授と奥さん

フィンランドの食事

  • 生活 : 食事

留学先における食事は、誰もが気になるところだと思います。フィンランドの大学に留学する場合、学割が効くので、学内のカフェテリアで300円ほどで十分な食事ができます。私は昼食は大抵学割を使ってカフェテリアで食べていました。
ただ、フィンランドや北欧の料理はシンプルなものが多いので、私の場合は2か月も経つと日本食が恋しくて仕方なくなりました(笑)
ヘルシンキなど南の方の都市に留学する場合はまた事情が違ってくると思いますが、私の留学していた北のロヴァニエミでは、日本食屋さんはとても高価なところしかなく、あまり学生が頻繁に行けるようなところではありませんでした。醤油やみりん等は高いですが、スーパーやアジア料品店で買えます。お米はpuuroriisiという、フィンランド人がよくポリッジみたいにして食べるお米が一番日本米に近かったので、私はそれを炊いて食べていました。北欧は物価が高いことで有名ですが、フィンランドの場合は食料はそれほど高くもないので、自炊するのがオススメです。

ラップランド大学の学食

留学前にやっておけばよかったこと

フィンランド語の勉強をもっとしておけばよかったなと思いました。フィンランドは英語が通じますが、フィンランド語が少しでも話せると距離がぐっと近づきます。

留学を勧める・勧めない理由

明確な目標があるのなら、留学はとてもオススメです。自分が期待しているより多くのものを収穫して帰ってこられると思います。ただ、留学中色んな留学生を見てきて、目的のない留学ほどもったいないものはないなと感じました。日本にいたほうがやりたいことができるのなら、無理に留学する必要はないと思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

自分次第でいくらでも実りのあるものにできるのが留学だと思います。といってもあまり自分にプレッシャーをかけすぎず、等身大の自分で楽しむのがポイントです!自分の目標も意識しつつ、五感をフルに使って色んな新しい世界を吸収してきてください。応援しています!