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神代貢志

出身・在学高校:
福岡県立筑紫丘高校
出身・在学校:
広島大学
出身・在学学部学科:
社会科学研究科法政システム専攻
在籍企業・組織:

ブラジルに留学を考えている方に留学先機関の方を紹介できるかと思います。
facebookで検索の上、メッセンジャーで連絡いただければと思います。


最終更新日:2018年01月24日 初回執筆日:2018年01月24日

ブラジル刑事法研究

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • サンパウロ大学法学部(faculdade de direito, USP)、現地法律事務所
  • ブラジル
  • サンパウロ
留学期間:
初回7か月、二回目1年
総費用:
1,030,000円 ・ 奨学金あり
  • 大学独自のもの 670,000円
  • (独)日本学生支援機構(JASSO)「海外留学支援制度」 360,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
ポルトガル語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

国内に専門的かつ継続的に研究を行っている者がいないと思われる分野であるブラジル刑事法のスペシャリスト・パイオニアとしてふさわしい専門知識・語学・人脈を獲得するほか、ブラジル社会・文化についても知見を得るため、以下の活動を行った。
①サンパウロ大学法学部での刑事法の授業の聴講
②現地弁護士事務所でのインターンシップ
③現地法曹実務家との共同研究
④裁判所、検察庁等への訪問、裁判の傍聴
⑤法曹実務家へのインタビュー
⑥サンパウロ大学文学部での外国人向けポルトガル語の授業の履修、個人教授を雇っての授業
⑦捜査法、司法取引等のより各論的なテーマの研究
⑧交際交流基金募集の日本語ボランティア
⑨カーニバルへの参加

留学の動機

指導教授の推薦により、留学が決定。国内に研究者がいないと思われるブラジル刑事法を自分の専門分野をすることを決意。一度目の留学を行ったが、主に語学面の問題から思うような成果が挙げられなかったため、日本に帰って語学の向上に努め、研究論文を一本公表したのち、パイオニア的研究者に必要な能力の獲得のため、トビタテ留学JAPANを利用し、二度目の留学を行った。

成果

・ブラジル刑事法知識の獲得→研究論文の公表
・今後の研究に必要な人脈の形成→サンパウロ大学アジア法研究センター幹事、ブラジル法の会・会員に就任
・語学の向上→日伯法社会学系のセミナーの通訳依頼がくるまでに

ついた力

被発見力

留学中は専門知識・語学の向上に努め、積極的に人脈形成を行った。その結果として研究グループへの参加や仕事のオファーがあった。それぞれの能力はプロのレベルに達しているとは言い難いが、両能力を兼ね備えている希少価値を、関わってきた人たちに見出してもらえるようになった結果得られた成果だと思う。

今後の展望

ブラジル刑事法の研究者として、大学やその他の研究機関で職を得ることが第一目標。自らの専門知識を活かして日伯両国の問題を解決していくことのできる職に就くことを優先順位の最上位とするので、これにこだわらず、その他広くブラジルに関わっていける仕事も視野に入れている。
現在所属する研究グループでの活動は今後も継続していくし、そのことは今後どのような身分になっても変わらないと思う。

留学スケジュール

2015年
8月~
2016年
2月

ブラジル(サンパウロ)

・サンパウロ大学での国際法の授業の履修
・現地弁護士事務所での研修
・ポルトガル語個人レッスン
・現地施設の見学
・現地実務家へのインタビュー

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

サンパウロ大学法学部
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2016年
9月~
2017年
9月

ブラジル(サンパウロ)

・サンパウロ大学法学部での刑事法の授業の聴講
・現地法律事務所での研修
・現地法曹実務家との共同研究
・サンパウロ大学文学部でのポルトガル語の授業の履修
・サンパウロ大学アジア法研究センター幹事としての活動

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

サンパウロ大学アジア法研究センターでの日本刑事法の講義
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

サンパウロの隣の州、パラナ州のクリチバという都市にある連邦裁判所を見学することができました。
ブラジルでは、現在史上最大規模の汚職事件捜査が行われており、大統領経験者を含んだ200名以上が逮捕されるに至っています。クリチバ連邦裁判所のセルジオ・モーロ判事はこれらの事件につき判断を行っている裁判官で、世界で最も影響力のある10人に選ばれた人物ですが、裁判所訪問時は彼に1時間ほどインタビューを行うことができました。汚職事件捜査には司法取引をいう制度が用いられていますが、この制度はまさに私の研究テーマであり、同制度について直接質問を行うことができたことは今回の留学のハイライトと言えるでしょう。また、この裁判所訪問は知り合いの日本人教授の方やブラジル人裁判官の方のおかげで実現したのですが、インタビューを行う際には通訳のも任されました。私にとって自分の専門知識と語学能力を頼られた初めての大きな場面で、この経験は大きな自信につながりました。

セルジオ・モーロ氏が教授を務めるパラナ連邦大学

ブラジルでの住まい探し

  • 住まい探し : シェアハウス

ブラジルでは、住まい探しに専門のインターネットサイト(例えばeasyquarto)を使ったり、facebook上のグループを使うことが普通。私が住んだサンパウロは家賃が高いため、一つの物件を他人とシェアする人も多い。アパートの一室や一軒家の一部屋を借りることができる。物件には個人専用のキッチン、トイレ・シャワールームを備えたkitnetと呼ばれるタイプや、シャワー・トイレのみ個人専用であるsuitというタイプ等がある。
サンパウロには非常に多くの日系人が居住しており、コミュニティを形成している。47の都道府県人会も存在し、中には県人会館内に宿泊施設を備えているものもあり、空きがあればそこに入居することもできる。その場合には、日本語によるサポートも受けられるかもしれない。
いずれにせよ、治安に不安のあるブラジルのこと、実際に物件を訪問し、周囲の状況や交通手段等を確認することは必須。

留学前にやっておけばよかったこと

現地の言葉ができるのとできないのとでは、行動範囲が相当に変わってくるので、会話に力を入れて勉強するのがいいと思います。明日香出版から出ている「たったの72パターンでこんなに話せる」シリーズのポルトガル語版をつかって勉強した(移動中付属のCDを聴き、シャドーイングを行った)のち、劇的に会話能力が向上したので、お勧めします。

これから留学へ行く人へのメッセージ

ブラジルは留学先としてはマイナーで、日本では主にマイナス面の報道しかなされないため、留学に不安を覚える人も多いかと思いますが、私は初回留学時ほとんど何の準備もできないまま渡航したにも関わらず、ブラジルという国に魅了され、生涯関わっていきたいと思うようになりました。留学に少しでも興味のある人は、実際に行ってみることを強くお勧めします。きっと不安を上回る楽しい事が待っているはずです。