留学大図鑑 留学大図鑑

高野紗会

出身・在学高校:
埼玉県立浦和第一女子高等学校
出身・在学校:
芝浦工業大学大学院
出身・在学学部学科:
システム理工学専攻
在籍企業・組織:


最終更新日:2024年02月21日 初回執筆日:2024年02月21日

ポーランドで月・火星探査ローバー研究

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • AGH科学技術大学,AGH Space Systems
  • ポーランド
  • クラクフ
留学期間:
4か月
総費用:
800,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 730,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 挨拶など基本的な会話ができるレベル 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

月・惑星探査ローバの研究をするため、ポーランドのクラクフにあるAGH科学技術大学に留学しました。特に、ローバのパスプランニングに特化した研究室に受け入れていただきました。さらに、同大の学生団体であるAGH Space Systemsで、彼らが開発したローバを見学し、さらにメンバーとして受け入れてもらい活動しました。

留学の動機

学部4年生のとき就職か進学か散々迷ったうえで進学を決め、せっかく2年間という時間を使えるのだから幼い頃憧れていた留学を決行しようと思ったことがきっかけです。また社会に出る前に、宇宙開発における世界から見た日本の立ち位置を知りたいと思っていたことも理由です。

成果

パスプランニングの研究活動について、はじめは何が分からないのかも分からないような状態でしたが、メンターのサポートもあり自分で基本的なメソッドのプログラムを書ける程度になりました。学生団体では正式にメンバーとして受け入れてもらい、ローバの修理に関わらせてもらうことができました。正直なところ、研究も学生団体活動でももっともっとやりたいことがありましたが、留学前に立てた目標は達成できました。

ついた力

性格チェンジ力

留学前は「初対面の人と話すことが苦手」、「自分は圧倒的に聞き役である」と思い込んでいました。しかし、現地の学生とコミュニケーションをとるには自分から話す必要があり、いつのまにか日本にいた頃とは人との接し方が変わっていました。「変わる前の私も私、変わった後の私も私」と思えるようになり、自分の性格が変化することに抵抗がなくなりました。

今後の展望

人類が再び月を目指し、さらにその先の火星を目指す今、より正確にコントロールできるローバ開発によって宇宙開発に貢献したいと思っています。また、私は料理が趣味なのですが、日本ではポーランド料理はなじみが薄いので、ポーランド料理の美味しさを知ってもらうために、現地の友人から教えてもらったレシピで多くの人に振舞っていきたいです。

留学スケジュール

2023年
9月~
2023年
12月

ポーランド(クラクフ)

ポーランド南部の都市クラクフにあるAGH科学技術大学で、月面探査車のパスプランニング(経路計画)について学びました。授業履修はせずに、研究室に所属しスーパーバイザーとメンターの下で研究を進めました。スーパーバイザーの先生はメールを殆ど見ない方だったため、何度連絡しても返信が来ず、渡航前に研究内容を打ち合わせることがほぼできませんでした。なので、留学当初、パスプランニングをやると決まったときは右も左も分からない状態でした。メンターから、まずは基本的なプログラムを自分で書くことを進められ、1ヶ月かけて書きました。その後探査車のシミュレーションをするために、シミュレーションプラットフォームの使い方を学びました。学生団体AGH Space Systemsとは直接連絡を取り、彼らが開発した火星探査ローバについて実物を見ながらディスカッションする機会を頂きました。そのとき、「2週間後にポーランドの別の街で開催されるEuropean Rover Challenngeに参加するから見に来なよ!」と誘ってもらいました。現地で世界中から集まったハイレベルな学生とローバーを目の当たりにし、圧倒されました。彼らのローバを見たとき「学生離れしている」と感じたましたが、それは自分が無意識に学生の技術には限界があると思い込んでいたからだと気づきました。自分の限界・性格・苦手はいくらでも自分で変えられると学び、生活の中でわざと苦手なことに触れる機会を作るようになりました。その後、このチームのリクルーティング選考を受け、正式にメンバーとして受け入れてもらい、次の大会へ向けて一緒に活動しました。寮ではポーランド人のルームメイトとの二人部屋で生活しました。ルームメイトは毎日のように彼氏を部屋に連れてくるので初めは驚きましたが、これは日本ではできない経験だと思いその状況を結構楽しんでいました。ルームメイトもその彼もとても優しく、ポーランド料理を一緒に食べたりポーランド語を教えてくれたりと、温かく接してくれました。初めこそ戸惑いましたが、帰国するときはお互いにプレゼントを渡し、二人ともハグをしてくれました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

大学の正面玄関。クリスマスにはツリーが飾られて素敵でした。
European Rover Challnegeに参戦!
クリスマスにポーランドの伝統菓子をルームメイトと手作り
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

留学中に、自分を勇気づけてくれたモノ・コト

「なぜ留学先にポーランドを選んだのか」とよく聞かれるのですが、それはひとえにAGH Space Systemsという学生宇宙開発団体に行きたかったからです。AGH Space Systemsは火星探査車の学生コンペティションで最高位を複数回獲得したチームであり、彼らのローバの写真をネットで見つけたとき、ここに行かなければ後悔すると確信し、留学を決めました。初対面の日、チームの研究室の前で緊張して待っていた私に、一人のメンバーが笑顔で声をかけてくれ、一気に緊張がほぐれました。遠い国からやって来た部外者の私に対してとてもフレンドリーに接してくれ、かつ私の質問に詳細に答えてくれました。彼らが本当に楽しそうにローバーについて語る姿を見て、私もこんな技術者になろう、そのためにここで勉強を頑張ろうと励まされました。帰国直前、特にお世話になった二人とお茶をした時、宇宙の事だけでなくお互いのキャリアや文化、政治などの様々な話題で会話を楽しみ、チームメンバーから”友だち”になれたような気がしてとても嬉しかったです。彼らが日本に行く計画を立てていると聞いて、そのときはガイドをさせて欲しいと約束しました。別れ際に「そういうことならGood byeじゃなくてSee youだね!」と言ってハグしてくれたことは忘れられません。

AGH Space Systemsのメンバーと初めて会った日

12年越しに叶えた留学

  • 費用 : 奨学金

留学したいという思いは小学生の頃からあったのですが、小中学生の単身留学を受け入れる学校は学費が高かったり、それらを紹介してくれる留学エージェントは限定的かつ高額で、実現できませんでした。高校では留学プログラムもありましたが、日々の授業の予習や課題、そして全国大会に行くほど強豪であった部活が忙しく、留学準備にエネルギーを費やす余裕がありませんでした。大学入学後は学費を工面するため、民間の給付型奨学金を頂きながら上位の成績をキープし、留学を見据えて大学院での授業料減額を狙いました。大学院進学後、トビタテ生として採用して頂き、また大学院の学費調達にも目処が立ち、留学を叶えることができました。給付型の奨学金に数多く応募した経験を中高生に発信する活動も行っています。現在は給付型(返さなくて良い)奨学金を提供してくれる財団や企業が増えてきています。やりたいことがあるなら経済的な理由で諦める前に、奨学金に応募することを検討してみてください。

共に奨学金普及活動を行う友人とトビタテ壮行会で会えた!

留学前にやっておけばよかったこと

英会話の練習をもっとやっておけば良かったと後悔しています。これは、どんなにしてもしすぎることはないと思います。英語を読む・書く能力と話す能力は全く別物であると実感しました。会話のスピード感の中で、文章を頭で組み立てることに必死でした。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学は海外での経験を積める一方で、日本で過ごす時間を捨てることになります。もし留学に迷っているのであれば、「同じ時間を過ごすならば、日本で過ごす時間と海外で過ごす時間のどちらを大事にしたいか」を考えると良いと思います。学生生活はあっという間に過ぎていくので、自分にとって大切な人・経験・ものに出会えそうだと思う方を選んでみてください。