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足達 哲也

出身・在学高校:
神奈川県立柏陽高等学校
出身・在学校:
東京工業大学
出身・在学学部学科:
工学院システム制御系
在籍企業・組織:

ドイツ、特にミュンヘンでの留学を考えてる方、あるいは留学先で研究留学を考えてる方に少しでも力になれれば幸いです。Facebookからご連絡いただければ可能な範囲で個別にも対応致します。


最終更新日:2018年01月16日 初回執筆日:2018年01月16日

ドイツで学ぶ制御工学研究!

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ミュンヘン工科大学
  • ドイツ
  • ミュンヘン
留学期間:
11か月半
総費用:
2,200,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 2,120,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
ドイツ語 挨拶など基本的な会話ができるレベル<Goethe-Zertifikat A1> 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル

留学内容

本留学の大きなテーマは「日本とは大きく異なる環境で、世界で活躍できるエンジニアとしてのスキルと経験を学ぶ」ことでした。
なので、留学中に主に取り組んだことは、ドイツの大学にある研究室での1年間研究活動。私の専門とする工学と生体の境界分野に関連のある「人工筋肉」の基礎研究に取り組みました。また、研究内容に関連する知識を蓄えるために、授業もいくつか履修しました。
また、国際的で多角的な知識や考え方を身に着けるための一環として、ドイツ語の学習と、ドイツをはじめとする欧州各所にある近代史に関連のある史跡や博物館に時間を見つけて積極的に足を運びました。

留学の動機

14歳の時に経験したアメリカでの1か月のホームステイで感じた世界の広さを、いつかまた見に行きたいと長らく心に秘め、大学生となり今度はより長い期間で留学に挑戦したいと思い立ち決心しました。
留学先は、まず島国日本とは対照的に多くの国々が連なり、人も文化も交流が歴史的に盛んである欧州に的を絞り、その中でも産業活動が盛んで、政治的に様々な激動の時代を経験してきたドイツに魅力を感じ決定しました。

成果

研究活動は、最終的に現地の研究室でのプレゼン発表と英語によるレポートの執筆を行い成果物としました。日本の研究室とは異なる研究スタイルに初めは翻弄されていましたが、粘り強く続けることで、自身の研究に対する取り組み方に幅が出たように感じています。
研究活動以外での様々な活動も含め今回の留学を通して、14歳のころに感じたよりも世界は実はうんと狭く、一方で非常に複雑だということを思い知りました。

ついた力

自主的な思考と行動力

定期的に指導教員とのミーティングがある日本の研究室生活とは異なり、研究活動の中で疑問や課題が見つかった時は、自ら指導教員のオフィスに訪れて、ディスカッションをしなければなりませんでした。指導教員の方は忙しそうにしていることが多く、初めは何度も尋ねに行くことが少し億劫でしたが、事前に疑問や課題の要点をよく考え、それを伝えるという一連のプロセスを繰り返す中で、自らの力で事を前に進めることができました。

今後の展望

日本の研究室では経験することのなかったであろう、工学的スキルの修練や研究アプローチを知り得たことで、元々の進路として考えていたエンジニアに必要な素養が少しは鍛えられたと思う。今後は、留学中ならびに日本での研究活動を通じて興味を得た、工学と福祉や、工学と医療といった融合分野を中心に就職をする予定。

留学スケジュール

2016年
10月~
2017年
9月

ドイツ(ミュンヘン)

プラスチックなどの人工物から作る人間の筋肉と同じ動きをするアクチュエータである「人工筋肉」の基礎研究と、それを用いたアプリケーションのプロトタイプとして「小型ドローンのためのランディングギアの設計」に取り組みました。受け入れ先研究室に所属するポスドクの方に指導教員として付いていただき、その方に助言と指導を頂きながら、実験装置の改良から実験とデータ解析、そして現地での最終的なプレゼンと英語によるレポートの執筆まで、ほぼ1人で取り組みました。
日本の研究室とは違い、自身の自主性が非常に試される1年間でしたが、めげずに何とか1つの形にまとめられたので少し自分に自信がつきました。
また、ドイツに限らずいくつかの欧州の国々にある様々な史跡や博物館などに足を運び、欧州の歴史のリアルを、一部ではあるが学ぶことができ、未だ自分が知らない世界の存在と世界の複雑さを痛感しました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

40,000 円

生活費:月額

60,000 円

帰国前にお世話になった指導教員の方と
ミュンヘンの新市庁舎
ミュンヘンの北部にあるダッハウ強制収容所にて
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

40,000 円

生活費:月額

60,000 円

スペシャルエピソード

留学中にやってしまった、私の失敗談

留学先のミュンヘン工科大学が企画・支援してくれる各国料理を振舞うイベントに、運営スタッフとして参加した時のこと。その日は雪がしんしんと降る寒い日にも関わらず、外に行列ができるほどの大盛況ぶりでした。私が給仕をしていると、1人の女子学生が外の列を抜けて「寒い中待っていて凍えそうだからお味噌汁だけ先にくれないか」とやってきたのですが、私は「みんな並んでいるし、量に限りもあるから難しい」と渋り、お互い譲らずにいると、彼女は最後に"Are you person !?"と半泣きで私に言い放ち去って行ってしまいました・・・。初対面の人にここまで言われたのは初めてだったので、その日はしばらく落ち込んでいました。もっと英語で丁寧に説明してきちんと対応してあげれたら良かったなぁと今でも少し悔しい気持ちになります。
しかしながら、イベント自体は大成功で、他の日本人学生たちと作ったおにぎりとお味噌汁はすべて無くなり、みんな楽しんでくれたようだったので、何よりです。

食事だけでなく折り紙教室もやりました!
イベント前にみんなでおにぎりを作成

現地の言語を学ぼう!

  • 語学力 : その他の言語

留学が決まった渡航の1年前から、ドイツ語を一から学び始めました。
初めは日本の大学の図書館で1冊文法の参考書を借りて、1か月半程度基礎的なことを勉強して、その後は日本の大学で授業を受けたり、外部の語学学校に通うなどして、読み書きだけでなく会話にも慣れるよう心掛けました。
留学中も受入れ大学でのドイツ語の授業を履修したり、また欧州では一般的とされている語学パートナー(tandem partner)制度を利用し、毎週能動的にドイツ語に触れるようにしました。
現地の言葉を少しでも学んでおくといざというとき役に立ちます!(例えば病院や郵便局) また得られる情報の幅も広くなります(博物館内の展示説明とか)。留学中旅行に行った際、ドイツ語を少し話せたおかげで地元の人達との交流なんかもありました。
英語の学習がある程度済んでいるという方は、ぜひ留学先の言語の学習にもトライしてみてください!

これから留学へ行く人へのメッセージ

今は「留学」という事に対して、大きな期待と共に不安も抱えながら、きっとワクワクドキドキしていることかと思います。しかし、実際に現地に行って様々な時間や経験を過ごしてみると、新鮮なものもそれに長いこと接すれば接するほど普通なものに変わり得ます。そうなった時、その状況を打破できるのは最終的には自分自身です。自身が動き、自身で世界を少しでも広げられるよう、積極的に様々なことに取り組んでみてください。