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鍬先美穂

出身・在学高校:
熊本県立第二高等学校
出身・在学校:
熊本県立大学
出身・在学学部学科:
総合管理学部総合管理学科
在籍企業・組織:

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最終更新日:2023年11月17日 初回執筆日:2023年11月17日

海外から来た子供の支援でボランティア留学

留学テーマ・分野:
海外ボランティア
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ハイデルベルク福音主義教会、パトリックヘンリーヴィレッジ、ハイデルベルク日本語補習授業校
  • ドイツ
  • ハイデルベルク
留学期間:
11か月
総費用:
2,000,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 2,010,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
ドイツ語 挨拶など基本的な会話ができるレベル<ドイツ語技能検定試験 4級> 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<ドイツ語技能検定試験 2級>

留学内容

日本では海外ルーツを持つ子供への学校外での日本語教育のニーズが高まっています。私はこれからその様な子供たちを地域で育てていきたいと考え、日本以上に難民移民を受け入れているドイツで、海外から来た子どもの支援の在り方を学ぶために留学をしました。ドイツ・ハイデルベルクでは ①ハイデルベルク福音主義教会提供のCafé Talk ②Patrick Henry Village (難民到着センター)③ハイデルベルク日本語補習授業校の3か所の受け入れ団体でボランティアをしました。そこでは多言語を学ぶ子供たちと実際に触れ合うことが出来ました。またドイツ語を学ぶ人とコミュニケーションを取るために、私はドイツ語語学学校にも半年間通いました。

留学の動機

大学1年生の時に1か月間オーストラリアの保育園でボランティアをした時に、思ったように英語が話せずコミュニケーションが取れなかったことが悔しかったり、多国籍な子供たちと触れ合い、国を超えた教育に興味を持ち始めたたからです。さらに大学3年生から海外にルーツを持つ子供達への日本語学習ボランティアにも参加をし、海外で海外から来た子どもは母国語以外を学ぶことにも興味を持ったからです。

成果

ドイツでは年齢を気にせずに、子供に応じたレベルで学習をさせていました。例えば、小学生の年齢でも幼稚園から始めるなどです。これはドイツの学校でも見られ、子供の理解が遅ければ同じ学年をもう一度繰り返す制度があることを知りました。他にも元難民の人が来たばかりの難民の人に対して通訳をしており、元難民の人もボランティアの一員として活躍する状況があることを知りました。

ついた力

傾聴力

相手の話にしっかりと耳を傾ける力が身につきました。留学の間多くの国の人とコミュニケーションを取りましたが、まず相手の話(言語や文化)を理解すること、出来なくてもしようとする姿勢で相手は私に心を開いてくれました。特に子供の場合アラビア語やダリー語など難しい言葉しか喋れないことが多く、彼らの話す言葉を真似したり、紙に書いたり、オーバーリアクションをすることで彼らと打ち解けることが出来ました。

今後の展望

今回の留学では多くの国の子供達と接することができました。学びたいのに学ぶ環境にいない子供達や、言語の壁で学びが止まるところもみました。そのような子供たちを支援する分野にも興味が出てきました。日本での日本語学習ボランティアでは以前より積極的にコミュニケーションを取るようになりました。子供は中国ルーツを持つ子供が多いので、中国語の取得もし、将来の進路に役に立てたいと考えています。

留学スケジュール

2022年
3月~
2023年
1月

ドイツ(ハイデルベルク)

ハイデルベルク福音主義教会が運営するCafé Talkで10カ月のボランティアをしました。難民・移民の人がドイツ語を無料で学べる教会で子供を相手に遊んだりドイツ語を教える活動をしていました。また実際に子供と遊び、簡単なドイツ語を教える事もしました。参加していた子供は多い時で15人ほどで少ない時は0人でした。子供たちの国籍はウクライナ、アフガニスタン、トルコが多かったです。授業だけでは退屈する子供たちの為にカードゲームや絵本が置いてあり、ドイツ語に自然と触れていました。子供たちが使っているおもちゃはほとんどが寄付されたものでした。飲み物やお菓子ももらえるのですが、ドイツ語で会話をしてもらうようになっていました。私も飲み物やお菓子をもらいに来る人たちにドイツ語で話しかけ、教えることもありました。Café Talk にはハイデルベルク大学の学生もボランティアしており、がSNSを使てCafé Talk についての情報を発信しようとするなど、若い人の参加が見られました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

65,800 円

生活費:月額

50,000 円

項目:語学学校費(部屋代含む6か月)

726,725 円

手前ではお絵描き、奥は私がドイツ語を教えています
まずは遊んで仲良くなります。みんなアフガニスタン出身の子供。
大人も別の部屋でドイツ語を学びます。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

65,800 円

生活費:月額

50,000 円

項目:語学学校費(部屋代含む6か月)

726,725 円

2022年
9月~
2023年
1月

ドイツ(ハイデルベルク)

Patrick Henry Village(難民到着センター)内の教会で子供と工作や遊びをするまたは学童のような場所での子供たちの活動のサポートをしました。子供の参加が無いときは、寄付された衣類や雑貨を難民に配ったり、教会へ相談へきた難民の案内をしました。難民到着センターなのでドイツに来て数日しかたってない人も多く、ドイツ語は全く分からない状態の人が多かったです。大人向けにドイツ語授業がありましたが小さな子供向けにはなく、学童のような場所でドイツ人スタッフと工作やスポーツをしており、生活からドイツ語を学んでいました。英語も通じない子供が多かったので名前を聞くのも苦労しました。中学生頃の年代になると英語を話せる子供もいたので、その子供に母国語での名前の聴き方を教えてもらったりしました。子供達に心を開いてもらうために聞き取った名前をメモして呼び掛けるように工夫しました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

奥のように図でトトロの折り方を説明
自分だけのオリジナルトトロを折り紙を作成
寄付されたパズルを使ってドイツ語で数字を数える練習
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2022年
9月~
2023年
1月

ドイツ(ハイデルベルク)

ハイデルベルク日本語補習授業校は毎週金曜日に幼稚園児から中学生までの子供たちへ日本語と日本文化を教えることを目的としており、文部科学省から補助金も支給されています。私は小学2年生のクラスの補助に主に入り、他の学年の授業も見学させてもらいました。最後には私も前に立ち子供たちと日本語を使ったゲームをしました。ゲームだと楽しんで子供たちは参加してくれました。授業は週に一回の為、教科書の一部を抜粋して学びます。子供たちの集中が切れないように、授業前半には漢字を学び、後半にはグループで出された問題を協力して解いたり、工作を入れることで工夫がされていました。在籍する子供たちはどちらかの親が日本人であるので日本語で会話をするには問題なかったです。しかし、学習となると子供によって大きく差が出ていました。普段はドイツの小学校に通っているため日本語の文章がうまく読めなかったり、漢字や書き順のミスが多く見られました。先生からは保護者の子供への関わり率により子供の日本語力が変わってくると話を聞きました。その通りにドイツでは日本語は必要なく、子供の年齢が上がると通う子供も少なくなっていました。補習校の先生とお話ししたときは「彼らはドイツ語で生活が出来るので実際日本語は必要ないけども、日本語を学ぶ理由は継承としての日本語を学ぶことだと思う」と話を聞きました。実際に補習校でもお月見団子を作るなど日本文化を知ることを大切にしていたと感じました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

授業の様子
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

私はシェアハウスでドイツ人おばあちゃんと2人で住んだのですが、そのおばあちゃんにとても感謝してします。シェアハウスを探すに3ヵ月以上はかかりました。いいなと思った家があってメッセージを送っても返ってこなかったり、もう埋まりましたと何十件と断られました。そんな中で私はおばあちゃんの家に巡り合い、おばあちゃんにドイツ語やドイツ文化・料理とたくさんのことを教えてもらいました。さらに、家族や友人とするパーティーにも頻繁に私を呼んでくれて寂しさを感じることがありませんでした。反対に私が日本料理や文化を教えることもありました。シェアハウスをしたことでドイツ人の日常生活を知り経験する貴重な体験になりました。日々のボランティア先での出来事を話したり、帰りが遅いと心配してくれたり、私を孫のように可愛がってくれました。おばあちゃんに出会ったことで私のドイツ語も上達しました。このつながりはこれからも大切にしていきたいと強く思っています。

おぱあちゃんとその娘さんと
全て手作りのケーキ。ドイツ人は日曜日よくお茶会をします
クリスマスは本物のモミの木にろうそくをのせていました

この国のことが、とても好きになった瞬間

帰国前最後の Café Talk の活動の時にサプライズで乾杯をしてくれました。ボランティア活動中にもかかわらず少しお酒を飲む緩さが日本にはないなと驚き面白かったです。「休暇で日本に帰るだけですぐ帰ってくるよね?」や「あなたと接する子供はいつも笑顔になってるよ」などと声を掛けてもらったのはとてもうれしかったです。
また、今後 Café Talk はどうしていったらいいのかとボランティアさんも教会で働く人も30人ほどで話し合った時にワインとピザを食べながらすることにとても楽しくていいなと感じました。

Café Talk の仲間と乾杯
ピザとワインでCafé Talk の将来像について話し合う

出発前日に国際線の飛行機が飛ばないことに。。。

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

5日の夜に熊本を出て、6日の朝に成田からフランクフルトへ直行で行く予定だったのですが、4日の午後に、6日の飛行機がロシア上空を飛べない為にキャンセルになりましたと旅行会社から連絡が入りました。メールを見ていなかったら見逃すところでした。成田で泊まるはずだったホテルや熊本からの飛行機はキャンセルし、飛行機に関しては格安航空券を取っていたのでお金は返ってきませんでした。新たに熊本から羽田行きの飛行機を取りましたが前日の為かなり高くつきました。幸い、国際線は大手の会社で取っていたため、電話で便を変更してもらい、ロンドン経由でフランクフルト行くことが出来ました。熊本を出るのが寄る予定であったために荷物も完全に詰め終わっておらず、出発ギリギリに焦って詰め込みました。飛行機が変わったことでバタバタしお別れや、準備に余裕がなく後悔しました。本来ドイツにはお昼過ぎに着く予定でしたが夜についてしまい、時間の関係で住むはずの家には入れなかったので、急遽とったホテルに泊まることになりました。飛行機の変更のために予定が狂ったのでとても大変な思いをしました。今回、旅は何があるか分からないと思い知ったので、ぜひ航空券は信用のあるところを選び、余裕をもって荷物はまとめておくと良いと思います。

留学前にやっておけばよかったこと

〇英語の学習
ドイツだからドイツ語だけで大丈夫だと思っていたら、通じないときは英語で説明をされることがありました。またドイツ語勉強中の人とは英語で話すことが多かったです。
〇電子辞書の準備
個人的に準備しておけばよかったと思ったものです。ドイツから日本のネットショッピングで買いました。少し重いですがネットもなく、正確に調べたいときにすごく重宝しました。

留学を勧める・勧めない理由

留学をぜひ勧めます。私は就職する前に長期の留学を経験したいと思い、大学4年生の後期から留学をしました。もっと早くから挑戦すればよかったと後悔しました。言葉が通じた時、新たな人と出会った時、日本との違いを知った時、、海外では沢山の刺激をもらえます。海外で学んだことは一生の財産になります。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学したいと悩んでいる人は短い期間でも海外に行ってみることをお勧めします。私は短期海外経験が今回の留学に繋がりました。自分から動いてみればたくさんの人が相談に乗ってくれることも分かりました。海外では辛いことも沢山ありますが、喜びや達成感がそれよりも大きかったです。うまくいかないときは誰かに頼ることで解決方法が出てきました。留学先では沢山の人どんどんに話しかけてほしいです。応援しています!