留学大図鑑 留学大図鑑

持田 千幸

出身・在学高校:
私立白百合学園高等学校
出身・在学校:
山口大学
出身・在学学部学科:
医学部医学科
在籍企業・組織:

留学に関するご相談・ご質問はFacebookにメッセージ下されば可能な範囲でお答えいたします。


最終更新日:2019年07月08日 初回執筆日:2019年07月08日

米国で最高の研究と人々に出会った5ヶ月間

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • University of Michigan Medical School Department of pathology
  • アメリカ合衆国
  • アナーバー
留学期間:
5カ月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 590,000円
  • 大学独自のもの 300,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

私は研究留学だったため、毎日授業はなく、朝9時から夕方6時近くまでmedical schoolの病理学教室で研究を行っていました。MD.PhDコースの医学生(私のメンター)と毎日一心同体で実験手技や研究のbackgroundについて習い、最初1,2か月で一通りの実験スキルを習得しました。日々細胞培養や免疫染色等行いながらデータを取るとともに、同時に研究内容に関連する論文を読んで知識を深めました。論文を自力で読んだ後はいつもメンターが内容をreviewしてくれて、私も英語でサマリーをしたり、データの説明をしたりして、専門用語も多く覚えることができました。昼休みのセミナーや大学内の学会に参加することも度々ありました。
 また研究留学でしたが、隣接する大学病院の実態を見てみたいと思い、病院見学を現地のドクターに依頼してレジデントと一緒に数日間総合診療科でshadowingを行いました。全米から優秀な医学生やドクターが集まるミシガン大学で研究を行い、同時に臨床の現場も見ることができたのはかけがえのない貴重な経験となったと確信しています。

留学の動機

入学してすぐ、大学に半年近く留学できるプログラムがあるということを先輩から聞き、医学部の過密なカリキュラムの中でそのような期間があるとは思いもかけず、絶対に留学しようと心に決めました。中高時代帰国子女の多い環境にいて、ずっと留学に憧れがあったのと、医学研究に関して最先端を行っているアメリカの現状を自分の目で確かめてきたいという思いが強くありました。

成果

小児神経変性疾患に対する病理解明をテーマとし、ESCRTやオートファジーの機能を確かめることによって手がかりを得ることができました。病院見学では一緒に回ったドクターの優秀さに圧倒されながらも非常に貴重な経験をすることができました。帰国後はより一層医学の勉強に励み、またアメリカの医学の現場にもう一度チャレンジしたいと心から思えました。学内の表彰で優秀賞もいただきました。

ついた力

人脈形成力

初めての留学かつ知らない土地にいながら、実に素晴らしいメンターやラボメイト、サークル仲間との絆を得ることができました。彼らの存在は帰国後の今も私に勉学や自己研鑽の面でモチベーションを与え続けており、たった半年弱の交流が今も心に深く根付いています。将来年月を経ても、彼らとの結びつきは私を常に鼓舞し、灯となってくれるだろうと確信しています。

今後の展望

とにかくアメリカの研究室や医学生のレベルの高さに刺激を受け、日本の医学生として医学の側面で負けてはいられないという気持ちと、アメリカの医学生と対等に話せるだけの語学力を身につけたいという思いが一層高まりました。この思いを今後忘れることなく、アメリカの学生のように日々勉強を怠らない姿勢や、時間のある時には英語の勉強および英語を用いた医学の勉強を行っていけたらと考えています。

留学スケジュール

2018年
7月~
2018年
12月

アメリカ合衆国(Ann Arbor)

私はUniversity of Michigan Medical School 病理学教室 にて、5ヵ月間研究留学をさせていただきました。ニーマンピック病タイプC(NPC)と呼ばれる小児神経変性疾患に対する病理解明をテーマとし、NPCモデル線維芽細胞を用いてNPCに特徴的な所見であるライソソーム傷害がどのようにして神経変性疾患に繋がるのか、ESCRT(ライソソーム膜の修復機構や)、オートファジーの機能を確かめることによって手がかりを得ることができました。また、ミシガン大学の附属病院で病院見学までさせていただけることになり、総合診療科の女医さんの診療の様子を見せていただきました。対応する疾患があまりに幅広いことや、一緒に回ったレジデントの優秀さに圧倒されながらも、非常に貴重な経験をすることができました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

ラボでの実験の様子
ラボの皆様と
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

ラボのメンター(ミシガン大のmedical student)とは文字通り一心同体でした。何にも分かっていない私に、ゼロから実験手技も理論も丁寧に教えてくれました。7月に山積みの論文を受け取った時は絶望しましたが、気づいた時にはそのメンターと2人で日々抄読し、全部読み切っていました。平日はメンターと細胞培養しまくり、ゲルを流しまくり、結果に一喜一憂しながら、休日はbakingがパティシエレベル以上の彼女からマカロンやキャロットケーキの作り方を習ったり、ロッククライミング(?!?!)に行ったり、アメリカの医学生生活について聞いたり...あげたらキリがありません。とにかく本当に万能で、それでいて本当に素敵な人柄のメンターでした。いつも一心同体もはや以心伝心で、空港でお別れしたあと、DetroitからChicagoまで1時間半泣きはらしました。(笑) Professsorを始め、他のラボのメンバーも非常に良くして下さり、ラボピクニックやラボパーティーにも行きました。
 

大好きなメンターと

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

医学英語の高い壁と友人たちとの絆

  • 語学力 : 英語

 私は今まで留学経験もなく、帰国子女でもありません。英語は元々好きでしたが、病院内でのドクター同士の会話や自分の分野外の学会発表内容は意味不明だったり、帰国前の最終発表でスライド40枚ほどの発表を英語でしなくてならず、帰国準備そっちのけで三日三晩パソコンを抱えて寝ていたりした記憶があります(笑) メンターが説明してくれるのを録音したり、過去のセミナーを真似て書き起こしたりして文章を組んで何とか形にし、最終的には1時間弱の英語のプレゼンをやり遂げました。
 ミシガン大学のあるAnn Arborは優秀な学生が多くいて治安も良く、大学付属の美術館やコンサートホールも充実していて、世界最高レベルの芸術に常に触れることができました。特にコンサートホールには足繁く通い、全米有数の交響楽団やジャズの演奏も聞くことができました。JSA(Japan Student Association)を通じて他学部の友人も多くでき、アメフトの試合やバーベキュー、オーケストラ等々数えきれないほどの思い出を共に築いてくれました。彼らは日本でのインターン経験があり、日本人への理解が深く、私の英会話の練習相手になってくれました。英語でカラオケしまくったり、試合に行ったり、ご飯に行ったり、オケに行ったりこれもまた思い出を数え上げたらキリがありません(笑) このように留学中はメンターやJSAの友達と毎日多くの会話を交わし、少しずつ自分の伝えられることが増えているなという実感が日々ありました。最終的には頻繁に会話を交わす相手とは何の支障もなく会話を楽しめるようになっていました。彼らの勤勉な姿勢や日本に対する考え方を知ることで、私自身の価値観や医学に対する姿勢も大きく変えられました。帰国した今も、彼らとは定期的にテレビ電話をしています。英会話の練習になると同時に、その絆の深さを実感しています。

ミシガン大学での日々

留学前にやっておけばよかったこと

留学に行く直前に大きな試験があり、かなりバタバタしたので、試験勉強は計画的に早めに行っておいた方が良いと思います。やっておいて良かったこととして、数ヶ月間毎日続けたオンライン英会話があげられます。毎日何かしら英語で会話を交わすことで、自然と抵抗感が薄くなり、始めから恐れずに現地の学生とコミュニケーションを取ることができました。

これから留学へ行く人へのメッセージ

長期で留学に行くと、部活始め様々なこととの両立に頭を悩ませるとは思いますが、確固たる自分の意思をもって恐れずに挑戦すべきです。自分の代わりに頑張ってくれる人や優しく送り出してくれた人への感謝を表すなら、留学期間を精一杯充実させることです。日本にいる仲間のことを思えばこそ一層頑張れたという実感があります。一度しかない大学生活を決めるのは自分自身です。留学して後悔は決してありません。頑張って下さい!