留学大図鑑 留学大図鑑

田中 翔子

出身・在学高校:
成田高等学校
出身・在学校:
上智大学大学院
出身・在学学部学科:
地球環境学研究科
在籍企業・組織:


最終更新日:2017年11月29日 初回執筆日:2017年11月29日

農業大国フランスに学ぶ地域活性化

留学テーマ・分野:
大学院進学(修士号・博士号取得)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Burgundy School of Business MSc Wine Management
  • フランス
  • ディジョン
留学期間:
12ヶ月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 2,400,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

この留学では、フランスの地域の自然・文化・歴史に深く根付いたワイン産業という切り口から経営学を学ぶことを目的とした。
現地では理論を経営大学院の講義で広く学ぶと同時に、フランスの各ワイン産地の大規模なシャトーから小規模生産者まで、できるだけ多様なワイナリー農家を訪問した。実際に生産者・流通業者の声をインタビューして周ることで、表面化されていない問題点を知ることができるからである。理論と実践の双方からの視点を得た上で現実にある問題を多角的に見つめることで問題の本質を捉え、より良い解決策を導く重要さを学んだ。
しかし、そんな留学も決して順風満帆ではなかったというのが本音である。学校での講義内容(ワインやビジネス)は自分にとって新しい分野である上、英語での慣れないグループワークやプレゼンが中心で自分の無力さに直面することとなった。また、現地調査でより良く理解するためには流暢なフランス語が求められた。けれども、その分準備を重ねたり、その場で感じたこと・考えたことを細かく記録しておくなど、粘り強く自分なりの解決策を見つけていった一年間となった。

留学の動機

日本では「地元産有機農産物のブランド化による地域活性化」について研究をしており、農業大国フランスのワイン産業から多くのことを学べると考えたためである。

成果

一年経った現在、フランス語は上級レベルの資格を取得した他、年始のワインの国際資格取得に向けて勉強中。また、ビジネスを学ぶ中で「人間は同じ目的・興味を持っていた場合、なぜ互いに競争するのか」という根本的なビジネスの在り方に対する疑問を抱くようになった。互いに信頼し合い協働するビジネスの在り方を探求することが今後の課題となっている。

ついた力

しなやかな行動力

学校の講義は大半がグループワーク。そのため、自分と異なる背景を持った各人とどのように協働し、チームとして高めていけるかを考え抜いた一年であった。「We see the same reality but from different angles.」ということを常に意識しながら他者と接して行動することは、ビジネスだけでなく日常生活においても相互理解の根底に通じている。

今後の展望

フランスのワイン産業から今後はどのようにそれを日本の産業で応用できるかということを日本酒を通して研究調査・論文執筆中。けれども、地域に根付いた農産物だけでなく、伝統工芸も含めてブランド化・観光に活かすことで、日本の各地域に貢献できる方法を実際に自分の足で歩いて模索していきたい。

留学スケジュール

2016年
9月~
2017年
8月

フランス(ディジョン)

2016年9月〜2017年5月
学校の講義にてワイン産業に関する経営学を学ぶ。経済、金融、法律、マーケティング、観光、流通、CSR、醸造学、テースティングなど計20科目からの多角的なアプローチ。

同時に、実際にブルゴーニュ、パリ、ドイツ、シャンパーニュ、ラングドックなどフランス内外で行われるワインのテースティングイベントやワイナリーにて生産者と流通業者を訪問。

2017年5月〜8月
主にブルゴーニュ周辺の小規模農家を訪問・インタビュー。
日本酒のセミナーを企画・開催。
修士論文執筆。(〜2017年12月)

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

秋の紅葉したブルゴーニュ地方の丘。「黄金の丘」の名をもつ。
古くから人々の生活と共にあったワイン産業。
ラングドック地方のオーガニックワインをつくるワイナリー訪問。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

年に一度開かれるブルゴーニュ地方の10kmマラソンに出場。一等級のブドウ畑沿いを走れる上、完走するとその地域のワインが懸賞としてもらえる。それほどの距離を走った経験がなかったが、この機会を逃したら一生こんなチャンスはないだろうと思い、参加を決心した。案の定、ブドウ畑沿いの起伏の激しい道を走るのは苦しかったが、完走したときにはそれ以上に参加して良かったと心から思った。現地でしか体験できないお祭りやイベントはその国の本質的な部分を垣間見ることができる。この経験は「ワインはフランス人の生活に深く根付いた文化である」と身をもって学んだ一生の宝物となった。

10kmマラソン完走後。ブルゴーニュのワインが懸賞。
起伏の激しいブドウ畑沿いを走る。

留学から繋がるストーリー “今、これやってます”

日本文化発信プロジェクトの一貫で現地で開催したアトリエ(茶道+書道・風呂敷・折り紙)が思いのほか反響があったので、今冬に書の個展を現地でひらくことを目標に作品を作成中。日本人特有の美的感覚「侘び寂び」や「余情美」は国境を越えて理解を得られるのか、挑戦中です。アトリエ後に「日本に行くのが夢!」と満足気にかけてくれたゲストたちの言葉が嬉しく、文化的な面からもっと互いに国交を深めていけたらという思いがきっかけ。

地元のカフェにて日本文化アトリエを開催。(折り紙の会)
抹茶のテースティングからのおもてなし。

おしゃべり好きなフランス人

  • 語学力 : その他の言語

私の住んでいたディジョンという街はわりと田舎の方で、あまり英語が通じません。調査でワイナリー農家を訪問する際にはフランス語が欠かせなかった上、公共の場での諸手続きなどもフランス語が良く理解できずに苦労することがありました。そんな状況の中、フランス人は老若男女おしゃべり好きな人が多いことに気がつきました。
私は寮に住んでいたので毎晩フランス人の友人たちと食事をしたりしていたのですが、それ以外にも日常のなかでフランス語を身につけられる機会が多くあります。例えば、行きつけのマルシェやお店、カフェなどで分からないことを素直に尋ねると、お店の人や周りの人も喜んでいろいろと教えてくれます。小さな街だと顔見知りになり声をかけてくれたりすることもあります。また、積極的に地域のイベントに参加し地元の人とたくさん触れ合う中で、その国の言語と文化を学ぶ姿勢が大事だと思います。そうすることで、より自然な言葉を身に付けられるだけでなく、人々の暮らしの中でその国の新たな一面を発見できるはずです。

留学前にやっておけばよかったこと

自分がこれから研究・学びに行く分野に関する準備。現地でゼロから学ぶのと、ある程度基礎がある上で新しく学ぶのでは理解度が大きく変わってくるからです。とくに母国語ではない言語で全く新しい分野を学ぶというのは想像以上に大変なことです。日本にいるうちに少しでも基礎知識を日本語で学んでから行くと現地でより実りある学びが得られると思います。

留学を勧める・勧めない理由

「自分の知らない世界を見てみたい」という思いが少しでもある方は、ぜひ飛び立ってみて下さい。多様な世界を知ることは「豊かに生きること」たど思います。自分とは異なる者に対しても柔軟な思考を許し、寛容になれます。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学中、多くの困難に打ち当たることがあるかと思います。その際には、答えは一つではなく必ず他にも解決策があるという強い信念とそれに向き合う少しの勇気を持って下さい。そこで全力で乗り越えた経験はやがて自信となり、また一生の糧となるはずです。