留学大図鑑

前澤珠理

出身・在学高校:
埼玉県立 蕨高等学校
出身・在学校:
お茶の水女子大学
出身・在学学部学科:
芸術・表現行動学科 舞踊教育学コース
在籍企業・組織:
舞台・俳優業界

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ニューヨークへの留学、ダンスをはじめとする舞台芸術に関する留学、留学後の進路に関すること等、経験も交えてお話します!
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最終更新日:2020年05月25日

舞台芸術の無限の可能性を追求した1年間

留学テーマ・分野:
専門留学(スポーツ、芸術、調理、技術等)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Steps on Broadway
  • アメリカ合衆国
  • ニューヨーク
留学期間:
12か月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表プログラム」 2,410,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<英検準二級> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

自分がダンサーとして、作品を作る側の人間としてそれぞれ目標を立てました。

ダンサーとして:日本ではミュージカルなどの人気に伴い総合的な技術を持つ人材が要求されるが、「幅広い技術」と「各分野の技術の高さ」を両立する教育が整っていない。NYで多分野の技術を高め、「スペシャリストの技術を持つジェネラリスト」を目指し留学を決めました。結果、ダンス教室の形態、踊りを習う事に対する捉え方がそもそも違う(そしてその違いは文化から来る)事を学びました。
また、ダンス教室に行かなくても一般の人が気軽に参加・発表の機会を得られる、15回程度で完結する体験型クラスが数多く存在することを知りました。

舞台製作者として:ブロードウェイやその他の舞台作品の鑑賞、出演者へのインタビュー、実際にミュージカルに参加し製作過程の記録をしました。結果として、日本と違い誰でも受けられるオーディションがいくつもある事、職業としてダンサーが成り立つ(給与や休暇も保証されている)事、子供の教育プログラムにも芸術がふんだんに取り入れられ著名な講師が携わる事、劇場施設が市民の憩いの場として大きな役割を果たしている事を学びました。

留学の動機

2週間の短期滞在で「何でもプロレベルで踊りこなす」というアメリカの基準の高さに圧倒されたのがきっかけです。
教育の違いには気付きましたが、その教育法に対する懸念や疑問を身をもって確かめたい、実際に教育を受けるダンサーの考えを時間をかけて学びたい、と思い留学を決意しました。
また、ダンスをセラピーに活用したく、アメリカの事例を学びたかった事もきっかけです

成果

アメリカのダンス教育法に対する疑問・懸念に対し、全ての分野において非常に質の高いクラス提供がされている事、講師もその環境で教える事に抵抗が無く、生徒が様々なクラスを受ける事を当たり前だと捉えている事を学びました。
専門だったタップダンスについては、著名なタップダンサーが監修するミュージカルに参加し、日本では決して学べないタップダンスの精神や歴史について深く学ぶことができました。

ついた力

越えられない壁は壊してでも目標に進む力

留学中は大なり小なり、毎日が困難の連続でした。
頼れる人もいない、日本ではあり得ない理不尽さに何度も遭遇し、その度に壁を越え、回り道をし、時には「理不尽には理不尽で」と強行突破で先に進みました。(デメリットもありますが。)
そういった日々で柔軟さと力強さ、そして目標に達するまで止まらない、という一種の傲慢さを身に着けました。

今後の展望

数年は日本で舞台俳優としての仕事をし、鍛錬を重ねます。
30代あたりから人材育成にも力を入れたいと考えており、理想はニューヨークのように幅広い技術を高いレベルで持つダンサーの育成です。日本には全てを高いレベルで教えられる教室はごく僅かなので、現役を引退したら新たな教育形態の教室を開講します。
タップダンスを基に、高齢者が楽しく健康増進できるダンスセラピーも開発していけたらと考えています

留学スケジュール

2018年
10月~
2019年
9月

アメリカ合衆国(ニューヨーク)

所属した学校で1日3~4クラスの受講。バレエ、シアタージャズ、タップダンス、ホートンスタイルなど様々なものが選択できます。文字通り踊り漬けの日々です。
オーディションシーズンには度々オーディションに足を運び、6月~8月は合格したミュージカルのリハーサルでした。平日の週5日、学校の後に3時間もしくは5時間のリハーサルがあり隣の州へ行きました。一番驚いたのは、「タップダンサーはタップダンスしかできない」の典型だと思っていた有名なタップダンサーが実はダンス、歌、芝居もこなす人だったというのをリハーサルを通して実際に目の当たりにした瞬間です。
生活面は家のトラブルが相次ぎ何度も引っ越しをしましたが、最終的には日本人とアメリカ人のご夫婦が貸し出していた部屋にホームステイのような形で住んでいました。住居が安定すると心も落ち着き、自分の勉強にも熱が入りました。

費用詳細

学費:納入総額

1,100,000 円

住居費:月額

65,000 円

生活費:月額

80,000 円

同時期に入学した仲間とパフォーマンスを行った際の写真です
留学中に撮影したもの
費用詳細

学費:納入総額

1,100,000 円

住居費:月額

65,000 円

生活費:月額

80,000 円

スペシャルエピソード

留学中に手に入れた、今でも大事にしているもの

世界で有名なタップダンサーの一人にSavion Gloverという人がいます。世界中で公演を行い、トニー賞受賞、ホワイトハウスでもパフォーマンスをしたまさに雲の上のような存在です。
留学中のある日、Savionが若者を集めてミュージカルを作るという情報がありオーディションを受けに行きました。会場に着くとあのSavionがすぐそこにいて、一人ずつ会話をしながら審査をしていきます。そのフランクさにも驚きましたが、一番驚いたのはリハーサルが始まってからの2か月間、毎日Savionの指導が無料で受けられた事です。日本では高額な参加費を支払ったり、助手の人を中心に進むのが普通です。毎日のリハーサルを通してSavionが親交の深かったタップダンサーの話、奴隷制から生まれた悲しい歴史、プロとして生きるとは、等、彼からしか学べない大切な事を毎日聞かせてくれました。
また、私達に距離感を感じさせる事が全くなく、Savionがどこかで躍る日があれば誘ってくれたり、ビザの関係で実現には至りませんでしたが、フラリと大きなダンサーの仕事を振ってくれたことも。アメリカらしさを感じました。
リハーサル中に書いていたメモ書き、ボイスメモは一生の宝物です。

出演した舞台本番後。振付・監修のSavion氏と。

留学で確信した、“私はこれを目指す!”

留学前は自分自身をタップダンサーだと捉えるマインドが強く、タップダンサーとして多くのダンスを身に着け、日本に少ない人材になりたい!と思っていました。
実際にアメリカに来てみると「この人は○○ダンサー」という境界線が非常に薄く、自分が何者であるか、こだわりの気持ちを持つことが減りました。
タップをあくまでも自分の要素の一つとして捉え直し、自分の心に素直に、やりたい事を追求した結果、人を笑顔にすること、夢の世界を届ける事に一番惹かれる、と気付き、ミュージカルへと方向転換します。
今まで避けていた歌のレッスンも始め、NYは本場ですからなるべく多くの作品に触れました。一時期滞在していた家では日本で活躍していたミュージカル俳優の方、演出家を目指すミュージカルオタクの人がルームメイトだった為、毎日のように語り合いました。
留学したことで人生の目指すものや方向性がガラッと変わり、帰国後は設定していた目標に幸いにも到達、プロへの一歩を踏み出したところです。

初めて出演したミュージカルでの1シーン(左から2番目が本人)

この国のことが、とても好きになった瞬間

とにかく、日本の常識は世界の常識ではない、ということを毎日感じました。
アメリカの空港に着いたその時から、「なんて不親切な案内表示!」「なんて殺風景なの!?」「汚い、、、」と、日本を基準に考えてはがっかりする日々。
人もそうです。クラスメートや先生、関わりを持つ人は本当に親切で優しいし、道端でも気さくで親切な人にたくさん出会います。しかし店員さんの対応など、日本ではクレームになりそうな大雑把な人が多いのもまた事実です。慣れてしまえば何てこと無いのですが。
この大雑把な社会で人々が問題なく過ごしているのは、アメリカには主張をする文化があるからだと感じています。主張すれば「なるほどね、オーケー」で一件落着ですが、つい黙ってしまう日本人には初めは居心地が悪いかもしれません。
しばらくして、気付けば主張する事を身に着けていましたし、明らかにおかしな事には怒るようにもなりました。これができるようになると、途端にニューヨークが生きやすく感じます。
帰国したらまた日本の文化に馴染んでいますが、ここぞ!というときにはしっかり自分の思いを伝え、嫌なことにはNOと言うようになりました。
当たり前かもしれませんが、日本では決して学べなかったであろう大きな学びです。

夏のセントラルパーク。NYらしいなと思います。

日本で押さえるのは仮住まい。家は現地で探すべし!

  • 住まい探し : シェアハウス

*徒歩や電車が主な移動手段であるNYの経験を基に書いています。

エージェントに頼らず家を探す人は、家賃を抑えたい人も多いのではないでしょうか。
その場合ネットで探すと思うのですが、ネット上の家の写真・情報は疑ってかかるべし!です。
現地で引っ越しをして感じたのですが、NYのシェアハウスは暗い、じめじめ、汚い、虫といった問題が非常に多いです。一緒に住む人との兼ね合いも大切です。
留学前に日本から滞在期間まるまる契約してしまうと、いざ着いたら悲惨な家!引っ越そうにも払った家賃は返ってこない、我慢するしかない…という事になりかねませんし、家の居心地が悪いとせっかくの留学も台無しです。

私が取った方法でお勧めしたいのは
・留学前にネット上から、1か月程度の期間で契約をする
・到着してからの1か月で生活に慣れつつ、長期で住む家探し。内見に行きまくる。
・ここだ!と思う家に出会ったらその場で契約をする。(いい家はどんどん埋まります)

また、シェアハウスを提供する人には
・お金儲けのために部屋を貸し出す人(シェアハウス会社もそう)
・自分の家賃の負担軽減のためにルームメイトを募る人
の2種類が存在します。
最初は見分けるのが難しいですが後者で探す事をオススメします。

留学生は光熱費の相場、家に関する法律なんて知らないのでぼったくりや法律違反が横行しているのが現状です。余裕があれば地域の家賃相場や法律を調べてから行くと安心です。
ちなみに!私も住んでいましたがNYにおいて「地下の部屋」は消防法違反だそう。

安全面では地区選びも大切ですが駅近なこと、大通り沿いである事が一番です。
トラブル防止の為、契約書や毎月の領収書は必ず交わしましょう!まともなオーナーならその辺には神経を使います。ルーズな人は怪しんでくだい。

引っ越してみたらゴキブリが異常繁殖していた家。内見は大切です

ニューヨークはWi-Fiのみで1年間過ごせます。

  • 生活 : 携帯

私はかなり節約派だったので、携帯代もケチケチでした。
外でも動画やSNSをずっと見る!という人にはこの方法は厳しいですが、留学する人にそのような人はあまりいないと信じます。

まず、NYはフリーWi-Fiが非常に充実しています。日本のように「あるけど繋がらない」なんて事もありません。例えば
・MTA(地下鉄)Wi-Fi=地下鉄のほぼ全駅に通っているWi-Fi
・Link NYC=街中のいたるところに立っているWi-Fiスポット
この2つだけでマンハッタン内にいるにはそうそう困りません。
また、スタバ、ダンキンドーナツなどそこら中にあるお店や、学校、図書館といった公共施設でも立派なWi-Fiが通っています。

よほど外で人と連絡を取ることが多かったり、心配性な場合は日本からSIMフリーのスマホを持参しておいて、困ったら現地で契約してもいいと思います。
安いプランがそれなりにあるようです。

また、外でよく使うのがマップです。
電波が通っていなくても現在地は表示できるのですが、目的地の検索、道順を出すことができません。
どこかへ行きたい時は、貧乏くさい解決法ですが、Wi-Fiの通っている所で道順を検索、全てスクリーンショットをして、Wi-Fiの切れる所ではそれを見ていました。

この方法をとる場合、日本にいるうちに日本のキャリアも休会なり解約の手続きをしておくことを忘れないようにしてください。本人が海外に行ってしまうと少々面倒です。

Wi-FiスポットであるLink NYCの写真です。

留学前にやっておけばよかったこと

自炊の練習です。
留学のテーマ的に、毎日踊り漬けで日本にいた時より過酷な生活でした。
疲労困憊で帰ってきて「ご飯作らなきゃ」というのは心身への負担が大きいですし、買うと高くついてしまいます。
料理が面倒で何も食べなかったり、炊いた白米だけを食べて寝たり、かなり不健康になってしまったので、
すぐに作れるもの、作り置きメニューをいくつか覚えてから留学すればよかったな、と感じています。

留学を勧める・勧めない理由

私がトビタテに応募した時、トビタテのチラシに「留学して後悔した人を見たことがない」という言葉が書いてあり、確かに!と思って応募しました。
留学を終えた今でもそう思います。
数々の失敗や挫折があれど、それら全てが今の私を作り、人生を大きく前に進めています。
留学の経験が後ろ向きに働く事はありませんでした。
未知の世界に踏み出したという経験は大きな自信になります。

これから留学へ行く人へのメッセージ

いざ海外へ行くと、留学ってそんなすごい事じゃないかも、と思うかもしれません。
沢山いる日本人、アクティブで斬新で輝きを放つ、クレバーなトビタテ生にも出会う事でしょう。自分と比べて落ち込むこともあるかもしれませんが(私は落ち込みまくりでした。笑)、それもまた、留学しないと分からなかった事です。
日本で未だ多くの学生が踏み出せない中で、踏み出した「勇気ある一人」として自信を持ち、楽しんでください!