留学大図鑑 留学大図鑑

Shiho

出身・在学高校:
獨協埼玉高等学校
出身・在学校:
東京大学大学院
出身・在学学部学科:
新領域創成科学研究科
在籍企業・組織:

私の夢は「多くの癌の基礎研究成果を創薬につなげて世界中の患者さんを幸せにすること」です。癌の基礎研究から臨床試験まで携わってきました。今後は、アメリカで臨床試験の継続とベンチャーの立ち上げをします。海外大学院の進学・製薬業界・創薬ビジネス・ライフサイエンス・ボストンに興味のある方はお気軽にFacebookからご連絡ください。


最終更新日:2021年05月12日 初回執筆日:2021年05月12日

ボストンでの癌の橋渡し研究x創薬ビジネス

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ハーバード大学医学部所属・マサチューセッツ総合病院
  • アメリカ合衆国
  • ボストン
留学期間:
4ヶ月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 640,000円
  • 大学独自のもの 720,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

内容は主に2つあります。

1つめは、世界最高水準をもつ医療機関であるマサチューセッツ総合病院で橋渡し研究を学ぶことで、基礎と臨床の両方の知識を持った研究者に成長することです。橋渡し研究とは、その名の通り基礎研究の成果をヒトに応用できる臨床につなげるための応用研究のこと。マサチューセッツ総合病院では、世界各国から集まる臨床医や製薬会社の研究員が募り、患者や症例数も多いため、ヒトに応用できるためのリソースやノウハウが揃っていることが特徴です。その中で、橋渡し研究のディレクターを務めるDan教授の下、独自に開発された実験動物(モデルマウス)を用いて、新たながん免疫療法の開発に携わりました。

2つめは、ライフサイエンスに関わるビジネスで世界一のボストンで、なぜ多くの基礎研究成果が創薬につながっているか、日本との違いは何か、研究とビジネスを取り巻く環境を学ぶことです。ボストンには多くの製薬企業が募り、HarvardやMITといった大学との共同研究が盛んに行われ、革新的な治療薬が次々に開発されています。なぜボストンでこれほどのイノベーションが起こっているのか、日本と決定的に違う点は何か?現地のセミナーや講義などに参加し、製薬業界に関わる様々な方にインタビューすることで独自に研究を行いました。

留学の動機

どうして日本では多くの基礎研究成果が創薬につながっていないのか?に疑問を持ったことがきっかけです。研究を進めたり参考文献を読み進める中、「この分子は将来的に新薬のターゲットにつながる」と書かれてはいるものの、実際にはほとんど開発につながっていません。「ボストンでは何が行われているのか?日本に持ち込めることはできないか?自分がこのギャップを埋まることはできないか?」そう思い立ったのがきっかけでした。

成果

1つ目の目標について、個人的にはアカデミアの教授がどのように製薬会社とコラボレーションを行っているのかなど、もう少し広い視点で観察したかった思いがありました。これは、留学期間が4ヶ月とやや短かったことが原因かなと考えています。2つ目は、ノーベル賞受賞者と1:1で面談する機会を得たり、実際に研究成果を元に起業している大学院生と知り合うことができ、全体像がはっきりと見えることができたと思います。

ついた力

自信力

海外でのビジネスセミナーやカンファレンスに、単身で参加したことです。その中で「あなたはサイエンスと起業、製薬、そしてこのような分野に詳しい最年少の日本人だ。ぜひ、その専門性を大事にしてください。それがものすごい希少価値を生むのだから。」と言われ、大きな自信につながりました。

今後の展望

私は大学院を卒業して博士号を取得したのちに、ベンチャーキャピタリストとしてバイオベンチャーに投資し、多くの新薬創出に貢献したいと考えています。日本の基礎研究は世界でも特に優れています。日本の素晴らしい研究成果を多くの患者さんに届けるために、まずは大学院で研究の基礎体力を付け、のちにビジネスの分野に転身しようと考えています。

留学スケジュール

2019年
5月~
2019年
8月

アメリカ合衆国(ボストン)

研究室の一日の流れは、実験の開始時間に合わせて出勤し、午前の実験、昼休憩、午後の実験あるいはメンターの動物実験の見学、帰宅という流れでした。毎週木曜日の午前中にチームミーティングがあり、その週の研究進捗状況と次週の予定の確認、予算管理などについて情報共有しました。MGHでは毎日にように著名な研究者を所内外から招聘し、講演会やワークショップなどを開いているため、実験が予定されていない日でもたくさんの勉強する機会がありました。留学プログラムの終わる最後の週では、自分がこれまでのトレーニングや研究プロジェクトの手伝いを通じて学んだことを発表する機会をいただきました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

MGH駅から20分ほどの港
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

留学で確信した、“私はこれを目指す!”

実は私は留学前、博士課程を続ける気持ちが湧かず進路にとても悩み、軽い鬱病にかかっていました。



就職か進学かは、多くの学生が悩む進路選択だと思います。理系の場合、大学院の博士課程まで進学すると、特に日本の場合は就職先が限られる印象があるため、悩みも多いと思います。留学でがうまくいかなかったら進学を諦めよう、そんな気持ちで渡米しました。



その中で、ライフサイエンスの分野で第一線で活躍する方達を目の当たりにし、多くの人たちと話をしていく中で、自分が目指す次なる目標はベンチャーキャピタリストとしてボストンと日本の橋渡しをすることであり、その上で博士号を取得することは、人生で必ず成し遂げなければならないマイルストーンだと言うことに気づきました。



留学を経て、自分が人生をかけてやりたいことに気づき、この世に生まれてきた役割を知れたことが大きな成果だと実感しています。

ボストンの創薬ビジネスカンファレンス1
ボストンの創薬ビジネスカンファレンス2

大学院進学か、就職か?

  • 帰国後の進路 : 進学

先にも触れましたが、就職か進学かは学生にとって大きな悩みだと思います。私は研究留学として渡米しましたが、同時に自分の進路探しの時期でもありました。様々な解決法があるとは思いますが、私にとって留学は一人で人生についてゆっくり考えるとても良い機会となり、また将来にやりたいことを見つけることができた良いきっかけになることができました。自分探しといった答えが海外で見つけられるとも限らないとは思いますが、留学が一つのきっかけになるのではないかと思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学は人生を変えます。これは、留学前の目標や成し遂げたいことが明確であればあるほど成果が顕著に現れます。私はこの留学で、自分が唯一無二の存在としてアカデミアとビジネス、日本とボストンをつなぐ"橋渡し"的な存在になるのだと心に決めることができました。自分のやりたいことや好きなことに従って動いていけば、きっとチャンスは見つかります。