留学大図鑑 留学大図鑑

yuto

出身・在学高校:
安積高等学校
出身・在学校:
東京大学→名古屋大学
出身・在学学部学科:
理学部生物化学科→医学部医学科
在籍企業・組織:


最終更新日:2018年08月06日 初回執筆日:2018年08月06日

米国臨床実習を通し、働き方のヒントを探る

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ジョンズホプキンス大学医学部
  • アメリカ合衆国
  • メリーランド州ボルチモア
留学期間:
3か月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,030,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

私は、理学部を卒業した後に医学部に編入したという少し変わり種の経歴を持っています。そして、「両研究領域を経験した自分だからこそできることはないか」ということを常々考えながら過ごしてきました。今回の留学は、米国Johns Hopkins大学への2か月の臨床留学および1か月の基礎研究室訪問を通して、自分の働き方の指針となるものを見つけてこようというのが目的でした。実際に臨床の能力を伸ばして外国人の方を診察できるようになったり、プレゼン技術を高めて医療チーム内で責任を持てるようになったりといった経験を積むことは勿論できましたが、それに加え、多様な医師の働き方、神経・腫瘍分野での最先端の研究に触れたことで自分の物差しが変わったと思っています。

留学の動機

アメリカ合衆国と日本とでは、医師の日々の働き方ひいてはキャリアプランが異なります。私は、変容する社会の中での医師の価値を見つめ、自分の中での優先順位を付けるため、米国臨床留学に挑戦しました。見学科としては、神経変性疾患で亡くなった恩師の死や過去の自分の専攻から神経内科を、また、日本には珍しい科として腫瘍内科を選択することにしました。

成果

臨床実習では外国人の患者さんに対しても自ら問診・診察をし、得た情報を臨床チームに過不足なく素早くプレゼンテーションする技術を身に付けることができました。また、基礎研究では自分の研究テーマについて英語で発表・ディスカッションする機会を多数頂き、帰国後には筆頭著者として査読付きの論文を国際雑誌に発表することができました。

ついた力

へこたれない力

毎朝の回診で求められるチームへのプレゼンひとつ取っても、他言語で実習をこなすのは容易ではありませんでした。また、現地の学生のレベルが高く、良い評価を得るための向上心やアピール力に圧倒されました。消極的な姿勢だといつまでもお客様扱いだと感じた私は、指導医に「自分ができること・できないが学びたいこと」を主張し、都度フィードバックを貰いました。結果、侵襲的な手技を含む充実した実習を送ることができました。

今後の展望

製薬企業との連携部署を見学させてもらう、また米国で研究者として働く先生にインタビューをするなどの経験を経て、日本の病院の中だけではない働き方について目を向けることができました。医師として臨床の現場で働く場合でも、また他分野と関連したキャリアを形成していく場面でも、他人との繋がりを大事にできる人になれたらと思います。

留学スケジュール

2018年
4月~
2018年
5月

アメリカ合衆国(Johns Hopkins大学(Baltimore))

最初の2か月間は協定校Johns Hopkins大学の神経内科・腫瘍内科で臨床実習を行いました。神経内科では神経変性疾患を扱うGeneral teamと脳卒中を扱うStroke teamに配属され、担当の患者さんの問診・身体診察・チームの医師へのプレゼンを主に行わせて頂きました。二次性多発性硬化症やMELAS、神経サルコイドーシス・バリント症候群等、国内の実習ではこれまで触れてこなかった種類の疾患の鑑別について考えたり、さらにその症例に関する論文について調べショートトークしたりする機会を持ちました。他にも腰椎穿刺等、侵襲性の高い手技を医師監督下で行うことができました。腫瘍内科では血液腫瘍を扱うLeukemia teamと固形腫瘍を扱うSolid tumor teamに配属され、がんに対する治療の指針や保険のシステムの日本との違い、また末期のがん患者さんへの全人的ケアについて学んできました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

寮から見たキャンパス
附属図書館
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2018年
5月~
2018年
6月

アメリカ合衆国(Johns Hopkins大学(Baltimore))

協定上の臨床実習期間は2か月間でしたが、Johns Hopkins大学で教授として活躍されている日本人研究者の井上尊生先生の研究室に自らアプライをし、留学中の残りの期間中、所属をさせて頂きました。私が現在名古屋大学で行っている基礎研究(大脳皮質層構造形成期に、分化途上細胞が神経幹細胞のエレベーター運動の範囲を制限し、正常な脳形成を助ける)についてプレゼン・ディスカッションを行ったり、同研究室のテーマである細胞走性の解析手法について学んだりしてきました。共同研究という形ではありませんが、帰国後、名古屋大学で行っている研究テーマに関する査読付き論文を国際誌Developmentに筆頭著者として発表致しました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

研究フロアの様子
最後にfarewell partyを開いてもらう
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

留学中に、自分を勇気づけてくれたモノ・コト

腫瘍内科での実習中に、20代の若さで末期の肝臓がん(日本では見られない特殊なタイプのがん)になった女性を担当させて頂く機会がありました。彼女のがんは10代から再発を繰り返し、とうとう抗がん剤不応・切除不能となってしまい、私の担当時には浮腫で歩くこともままならず、呼吸も満足にできず人工呼吸器で管理された状態でした。彼女の部屋にはご両親とごきょうだいが毎日通い詰めで、彼女を勇気付けていました。お母さまは彼女の前では決して涙を見せず、身の回りのお世話をなさっていました。担当中のある日、彼女は緩和ケアを選択しなければならないという医療チーム判断が出ました。私はチームでの病室回診中に、泣くことを我慢できませんでした。それを見たお母さまが、病室から出た私の後を追って、泣きながら私の手を握り「ありがとう」と言って下さったのです。言葉の壁はありませんでした。腫瘍内科は人生の終末期を見送ることの多い科で、そこに勤める医師のスタンスや生き様を近くで見られたのは良い経験だったと思っています。

腫瘍内科のスタッフと

準備はしてもしすぎることはない

  • 語学力 : 英語

資格試験(TOEFL等)のために英語を勉強する時間を設けましたが、現地に行くとやはり生の英語は速いと感じました。スコアも大事ですがオンライン英会話等を利用して、できる限り英語に触れる時間を増やして臨んだ方が良いと思います。リスニングはTED等の動画を見るのも良いと思いますが、海外の出版社の英語教材をやや速め(1.2-1.5倍速)で聴いて負荷をかけるのが個人的には有効でした。
身体診察の基本や医学知識は出発前に完璧にしておく方がより吉です。

これから留学へ行く人へのメッセージ

折角の留学なので積極的に動いてみるべきだと思います。私の場合は思いがけない出会いが沢山あり、それが別の出会いへと繋がっていきました。無理だと思っても、アプローチを変えて色々な人にお願いをしてみると叶うことがあります。また、留学中のその時々で感じたことを新鮮なうちに書き留めておくと、振り返ったときに自分がどう変化したか感じられて良いと思いますし、その内容は次の留学生の助けにもなるので一石二鳥ですね。