2019.01.31

原体験に基づきミャンマーで起業。夢の叶え方を気付かせてくれたトビタテ留学JAPAN。

高校野球、大学受験。何をやるにも失敗続きだったという、6期新興国コースの佐々翔太郎さん。そんな自分を変えようと踏み出した先はミャンマー。現地の仲間とキャリア・進学メディアを立ち上げることで気づいた自分の本当にやりたいこととは…。

原体験に基づきミャンマーで起業。夢の叶え方を気付かせてくれたトビタテ留学JAPAN。

負けてばかりの私がミャンマーに渡った理由

  私の中高時代は野球に熱中するも、思うような活躍はできずに終わってしまいました。その悔しさを胸に大学受験に二度挑むもまたも失敗。大学入学後は失意のどん底にいました。そんな中、ふとしたきっかけでフィリピンに短期留学することになり、そこで私は大切な2つのことに気付きました。1つは大学受験に失敗したくらいでずっと落ち込んでいた自分は本当にちっぽけだということ。もう1つは自分の求める価値とは、地位や名誉など華やかさを手に入れることではなく、世界に笑顔を届けるべく奮闘することだということでした。そして、その後は世界各国を渡り歩き多くの人々と語り合い、学問ではマイクロファイナンスについて興味を持ち、その研究に専心しました。そして私はさらに飛躍して世界で奮闘すべく長期留学を決断、トビタテ生としてミャンマーに渡りました。

昔の自分からヒントをもらい事業化に成功

  当初ミャンマーでは元々NPO法人e-Educationの現地責任者として映像教育を地方の公立学校に広めるプロジェクトに参画し、言わばミャンマーの若者の学習環境を整える事業に注力することになりました。しかし、活動を通して見えてきたのは現地の若者達の学習意欲の低さであり、浪人生にも関わらず勉強時間が1日4時間程度に過ぎないなど、問題の本質は『教育環境』ではなく、むしろその背景にある若者の抱く『未来への不透明感』ではないかと考えるようになりました。そこでその問題を解決するために自らの団体”Live the Dream”を立ち上げ、事業化することにしました。この事業では若者のモチベーションに喚起することを狙いとし、彼らや彼女らの憧れる有名人を取材して映像化し、そのロールモデル達の生き様や仕事のやりがいをインターネットで伝えることでした。それは私が昔、苦しい家庭環境からでも、先人の生き様を伝えるドキュメンタリー動画を見ることで、「明日もまた頑張ろう」と未来に希望を見出した原体験がきっかけでした。現在ではこの”Live the Dream”のメディアは多数の視聴者を得ることとなり、23万のFacebookいいね数(ミャンマー人は基本的にWebサイトは使わずFacebookを使う)を獲得、更に高みを目指し進学情報と統合させた情報プラットフォームの構築に乗り出しています。

ミャンマーで気づいた、夢の叶え方

  最初にミャンマーに渡った時、『国際協力』することが世界に貢献する道だと漠然と考えていました。しかし、ミャンマーに渡航後、自分の目指すものが明確になりました。それは、まだ社会が十分に整備されていない発展途上国で、顧客にも従業員にもみんなに愛される会社を現地の仲間と共に創ることです。確かにボランティアや開発支援など国際協力という方法で誰かを笑顔にすることはできるかもしれません。しかし、資金力でスケール感のあるビジネスという方法でしか多くの人々を笑顔にすることはできないというのが私のミャンマーでの結論です。援助という形で途上国へ関わるとどうしても現地の人々は短期的な目線で援助というものに頼りきりになりますが、それでは自分たちで持続的に発展可能な国を創っていくことはできません。むしろ先進諸国にビジネスチャンスや資源を奪われ、自らの手で経済的発展を遂げることができません。また、最悪のケースでは政治的に不安定な状態が続くことで国が荒廃し、戦争へと繋がる可能性もあります。私はどんな国でも戦争に巻き込まれるのは見たくありません。素朴な考えかも知れませんが、そうならない為にも自らの頭で考え、自らの力で産業を興し発展させていくことが必要だと考えています。このため、日本人の関与がなければ継続性のない事業の進め方をするのではなく、ミャンマー人が主体となって会社を運営できるスタイルを常に志向しています。そして、そんな彼らが教育現場に向き合う姿を変え、将来ミャンマーという国を創る人材を自らの手で育てて欲しいと考えています。そしてその私たちの活動がいつか実を結び、他国にも普及するようになることで、日本と世界の国々を結ぶ大切な架け橋となることが私の夢です。

ご支援者向け留学体験談~世界に羽ばたく若き挑戦者たち~について

この記事はトビタテ!留学JAPAN事務局が企画・編集を行なったものです。今後もトビタテ!留学JAPAN日本代表プログラムに選抜され、世界を舞台に活躍する奨学生をご紹介してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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