留学大図鑑 留学大図鑑

Karikaripiano

出身・在学高校:
和歌山県立星林高等学校
出身・在学校:
出身・在学学部学科:
在籍企業・組織:


最終更新日:2017年11月29日 初回執筆日:2017年11月29日

ピアノと向き合う2週間

留学テーマ・分野:
専門留学(スポーツ、芸術、調理、技術等)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ニース夏期国際音楽アカデミー
  • フランス
  • ニース
留学期間:
14日
総費用:
900,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 450,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<TOEIC Bridge 156点> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<TOEIC Bridge 170点>

留学内容

「Open!世界で活躍するピアニストへの扉」と題した私の留学には、二つの大きな目標がありました。
一つ目は、偉大な教授陣から指導を受けられる環境で、世界水準の音楽を学び取ること、そして、もう一つが、フランスの文化を肌で感じ、自分の演奏に生かすこと。
 これらを達成するため、「学んだことは、その日のうちに習得」をモットーとし、教授にも積極的に質問するよう心がけました。また、現地の人はもちろん、世界中から集まった受講生と交流し、視野を広げることができたと感じます。
そして、留学を終えた時には、演奏が向上しただけでなく、新たな夢を抱くようになった私がいました。

留学の動機

ニース夏期国際音楽アカデミーは、60年の伝統を誇り、世界中から偉大な教授陣と音楽を志す人々が集います。幼い頃からピアニストを夢見てきた私にとって、これは、演奏技術を向上させられる素晴らしい機会。
また、視覚に障害のある私は、絵や美術作品を見ることができませんが、現地を訪れれば、フランス音楽に込められた絵画的側面を肌で感じ取れるかもしれない。
そんな想いで、この留学を決めました。

成果

現地では、オリヴィエ・ギャルドン、ミシェル・ベロフ各氏のクラスを受講しました。教授からの推薦で、学生選抜コンサートに出演できたことは、最も大きな成果です。
また、他の受講生とも積極的に意見交換、文化交流をし、9カ国、20人ほどの友人を作ることができました。彼らとは、帰国後も連絡を取り、互いに切磋琢磨できる関係が続いています。

ついた力

積極的に援助依頼をする力

渡航経験はあったものの、単独での海外は初めて。
視覚障害のある私には、様々な場面で、誰かの手助けが必要です。
しかし、相手は何語を話すのかもわからない。
そんな状況で、的確な言葉で援助を求め、感謝を伝える力が身につきました。

今後の展望

私は、この留学を通して、「音楽には違いを超えて、人をつなぐちからがある」ことを強く感じました。しかし、それだけでは世界に通用せず、高い教養と語学力が必要である現実を目の当たりにしたのです。
今後は、国際教養を身につけ、音楽の力を生かしながら、国際機関で、共生社会の実現に貢献したいと考えています。

留学スケジュール

2017年
7月~
2017年
7月

フランス(ニース)

ニース夏期国際音楽アカデミーに2週間参加し、オリヴィエ・ギャルドン、ミシェル・ベロフ各氏のマスタークラスを受講しました。
二人の教授からは、具体的な演奏技術を学んだだけでなく、演奏家としての姿勢、人としての良きあり方をも教えられたように感じます。
1週目には、推薦をいただいて、憧れの学生選抜コンサートにも出演しました。

また、他の受講生との交流からも、多くのものを得ました。
彼らの中には、高い音楽性を持ちつつも、幅広い学問を専攻し、3.4カ国語を自由に操る人がたくさんいたのです。
そんな出会いは、私に、音楽面だけでなく、学習・語学面からも刺激を与えてくれました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

音楽院でのレッスン風景
アカデミー修了式でのクラス写真
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

アカデミー期間中は、毎週末、教授から推薦された受講生によるコンサートが行われます。
これに出演することは、留学を決めてからの私の夢でした。
そのため、先生から声をかけていただいた時の喜びは、今でも忘れられません。
よりよい音を求めて、準備を進めました。
当日、私が演奏したのは、フランスの作曲家、ドビュッシーの「雨の庭」。本場で大好きな作品を演奏できたことは本当に特別であり、それまででいちばん、音楽を愛している自分に気づきました。
終演後には、地元の観客の方々が声をかけてくださり、感想を伺えたのも貴重な経験です。

学生選抜コンサートでの演奏の様子

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

現地で私が指導を受けたのは、オリヴィエ・ギャルドン先生とミシェル・ベロフ先生。お二人とも、ピアニスト、教師として世界の第一線で活躍されています。
憧れの教授からレッスンを受けられる日々は、私にとって夢のようでした。
先生方は、具体的な技術や表現方法を実際の演奏と豊かな言葉でわかりやすく説明し、質問に対しても、丁寧に答えてくださったのです。
また、問題を抱えているときには、一緒に考え、私に合った弾き方を提案してくれました。
そんなレッスンを通して、自分の音楽がまるで魔法にかかったように、変化していきました。
しかし、私が学んだのは、演奏技術だけではありません。
先生方の、ピアノに対する常に妥協を許さぬ姿勢、生徒に接するときの温かな人間性に触れ、人として、心から尊敬の念が湧いてきたのです。
2週間で私を成長させてくれた二人の教授には、感謝の気持ちでいっぱいです。

オリヴィエ・ギャルドン先生と
ミシェル・ベロフ先生と

高度な要求に応えられない

  • 周囲の説得 : 先生

夢のようなレッスン。しかし、わくわくすることばかりではありませんでした。
回を重ねるごとに、アドバイスはますます高度になっていきます。
すべきことはわかるのに、即座に対応できない。体に染みついた奏法をすぐには変えられない。
もっと多くのことを学びたいのに・・・という気持ちが焦りにつながり、悔しい思いをしたこともありました。
この解決に向け、私が取り組んだこと。それは、先生の手本をより注意深く聴き、違いを探すこと。そして、自分の演奏を録音し、比較してみることでした。
これを繰り返すうちに、技術の向上を実感できるようになったのです。
困難に直面したとき、自分を客観的に見つめ直し、他と比較してみること、これは、ピアノ留学以外にも応用できる課題解決法だと、私は考えます。

留学前にやっておけばよかったこと

フランス語をもっと勉強しておけばよかった。
私が参加したのは、国際アカデミーだったので、英語とフランス語が主に使用されていましたが、やはり、フランス語力が乏しいと、不便を感じることがありました。
そのため、現地の言葉を可能な限り習得していくことは重要だと思います。

留学を勧める・勧めない理由

留学は、新たな視点から自分自身を見つめるきっかけになるとわたしは考えます。
 確かな目標を持って取り組んでいても、海外での体験を通して、もっと大きな夢を得られるかもしれません。
実際私も、ニースでの2週間から強い影響を受けました。
そのため、特に10代での留学には、大きな意味があると思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

 是非、大きな夢を持って、世界に飛び出してみてください!
人生を変えるようなかけがえのない出会いが、きっとあなたを待っていることでしょう。時には、文化の違いに戸惑ったり、挫折することもあるかもしれません。しかし、それらすべてが自分の成長につながります。
一瞬一瞬を大切に刻み、帰国後自分の言葉でしっかりと語れる経験をたくさん積んできてください。