留学大図鑑 留学大図鑑

三銃士

出身・在学高校:
長野県飯田高等学校
出身・在学校:
出身・在学学部学科:
在籍企業・組織:


最終更新日:2017年11月29日 初回執筆日:2017年11月29日

大学での化学講座とディスレキシア研究

留学テーマ・分野:
短期留学(3か月以内、語学・ボランティアなど各種研修含む)・海外インターンシップ
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ブラウンシュヴァイク大学、マインツ大学、ダルムシュタット大学等
  • ドイツ
  • ブラウンシュヴァイク市、インゲルハイム市、マインツ市等
留学期間:
11週間
総費用:
800,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 820,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
ドイツ語 ネイティブレベル<独検準1級> ネイティブレベル<独検準1級>

留学内容

 ドイツでの化学分野での研究と教育がどのように行われているか知るために、3つの大学の化学講座に申し込みました。マインツ大学では世界的なマックスプランク研究所でのインターンシップを含めた、純粋な高校生のための化学講座でしたが、ブラウンシュヴァイク工科大学とダルムシュタット工科大学では大学博士課程で実験の助手をしたり、高校生のための化学講座の教授の助手をしたりと、私一人のための数週間にわたるインターンシップを計画していただきました。またその2つの大学からは大学進学へのgoサインをいただくことができました。
 もう一つのレガステニー研究所では発達障碍に苦しむ子ども達に今の私ができることがないか、というテーマで、指導者講習を受けました。自らもその障碍に苦しむものとして学んだことを日本においてどう役立てるか、これから考えていきたいと思っています。

留学の動機

 留学の目的は「化学」と「障碍」でしたが、動機は私の出目にあります。私はドイツと日本の2重国籍を持ち日本で生まれ育ちました。今までドイツへ行く機会はありましたが、期間的にも短く、同世代のドイツ人と過ごすチャンスもあまりありませんでした。22歳になると日本の法律でどちらかの国籍を選択しなければなりません。自分の2つのルーツを知るために、ドイツの文化に直接触れてみたいと思いました。

成果

色々な階層のドイツ人と出会うことができました。大学では専門用語は難しかったですが、自分のドイツや英語がドイツの大学生活、研究等を行う上で十分であることが確認できました。また興味をもって真摯に勉強をしたいという気持ちを伝えることができると、日本では考えられないような機会を与えてくれるのがドイツなのだ、ということも学びました。

ついた力

前に出て自分だけで切り開いていく力

今までは周りに助けてくれる人がたくさんいました。そしてそれに甘えている自分もいたと思います。ドイツは日本と比べるととても個人主義であり、主張をしていかなければ生き残れない文化でもあります。日本の美徳である遠慮、配慮、思いやりが通じません。やりたいことは主張しなければならないということを学びました。

今後の展望

 ドイツでの大学入学許可をいただきましたが、センター試験は受けなければなりません。また残された1年半の高校生活の中で学力を含め、ある一定の成績も出していかなければなりません。どちらの国で学ぶのか、の結論は出ていませんが、ドイツで出会った色々な化学の研究分野の中からどこに進みたいのか、吟味しながら決めていきたいと思います。

留学スケジュール

2017年
7月~
2017年
8月

ドイツ(ブラウンシュヴァイク市、、マインツ市、ダルムシュタット市等)

 ブラウンシュヴァイク工科大学で、博士課程の大学院生の様々な化学実験の助手を行った。高校で学んでいる化学の知識では追いついていかないところもあったが将来研究職を目指しているのでためになった。 次のベーリンガーインゲルハイム製薬会社でのインターシップは、ドイツ中から選ばれた20人の優秀な高校生と様々な実験をしたり会社の中で説明を受けた。学年の違いはあったが、高校生の知識の多さに圧倒された。マインツ大学では一般の高校生と化学講座を受けた。実験そのものはとても興味深かったが、高校生の態度の悪さに驚いた。ダルムシュタットでは科学研究室の教授の助手として化学講座に来る高校生の実験指導をした。自分の真摯な態度とやる気を認められたのがうれしかった。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

マインツ大学での色の実験
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

ブラウンシュヴァイク工科大学の教授と博士課程の大学院生たちです。時々やる気のない高校生を押し付けられたりした経験があったようで、研究の妨げになりそうな外国から来た高校生にうさん臭さを感じていたようですが、私が化学オタクであることがすぐわかり、あっという間に打ち解けることができました。難解な実験はあったものの、助手として信頼してくださり、色々任されました。休憩時間には将棋を教えたり和気あいあいと過ごすことができました。私を3週間受け入れてくださった主任教授は博士課程までの指導を約束してくださいました。皆さん3週間もの長い期間本当にお世話になりました。

博士課程の大学院生達

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

レガステニー研究所のツィヴァナキス所長さん。昨年の治療では自分の持つ様々な問題を掘り起こして対策法を伝授してくれました。ここではディスレキシアを「障碍」とはみなさず「贈り物」と呼びます。それは一種の才能であって障害となるものではないという考え方です。今回の指導者研修でも、ディスレキシアを持っていて良かったと思えるようになるほど、自信を持つことができました。世界中この「能力」を持つ人は1/5程と聞いています。「治す」のではなく「共に生きる」ことによってその能力を良い方へ使える手伝いが日本でできたらよいと思います。 

一日という概念を白い粘土に託して

高校との話し合い

  • 単位・留年 : 休学・留年

私の留学は11週間でした。1学期の期末テストが終わってすぐに出発、2学期の中間テストの始まる少し前までと期間を決めました。夏休みを挟み、またその期間の中に1週間ほどの半日登校日があったので、実質5週間程の休学に留めることができ、留年することはありませんでした。また2学期の中間テストの範囲を前もって調べ、留学期間中も自主勉強を進めました。高校の先生方のバックアップがあってからこその留学でした。

留学前にやっておけばよかったこと

思いがけずいくつもの小学生のクラスを訪れることができ、日本文化について語る場が十分ありました。事前に想定していたものの、訪ねたクラスが多かったので、用意したコマ,けん玉、折り紙等数が足りなかったです。また偶然にもけん玉の技が決まったので良かったのですが、お手本を見せるにはもう少し練習をするべきだったと思ました。

留学を勧める・勧めない理由

 私にとってはドイツ語も母国語ですから、そちらでの心配はありませんでしたが、それでも3か月ドイツ語付けの生活は語学力に磨きをかけました。また大学の中では専門家になるためには英語力が欠かせないものということが分かり、一つの課題ができました。言葉は生きていますからレベルに関係なくその国に行って色々な人と話してみる体験は大切です。

これから留学へ行く人へのメッセージ

 1回しかないチャンスと思って、そこでしかできないことを躊躇せずにやってきてください。与えてもらえるものは素直にいただいて、良くしてくださった人達への恩返しは自分が精神的に豊かになった時どこへどのように返していけるか考えればよいと思います。pay forward!