留学大図鑑 留学大図鑑

ほっしー

出身・在学高校:
千葉県立船橋高等学校
出身・在学校:
北海道大学農学院
出身・在学学部学科:
生物資源科学専攻
在籍企業・組織:


最終更新日:2017年11月02日 初回執筆日:2017年11月02日

研究と現場をつなぐ農業技術開発

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • 国際稲研究所
  • フィリピン
留学期間:
1年間
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,200,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

本当に良い農業技術とは何か?それを模索するために、「緑の革命」で有名な国際稲研究所(以下、IRRI)に留学し、イネの研究を行いました。当初の計画では研究所内のみでの研究を想定していましたが、実際に農民に新しい技術を普及する意味も込めて、地方農業局や現地研究員・普及員と連携して農家30軒に新品種を使ってもらい、新品種の効果を検証する農民参加型の試験を実施しました。農民と頻繁に意見交換をしながら研究活動を進めました。あわせて、IRRIがフィリピン国内の機関と連携して進める農業技術普及プロジェクトに携わり、農民への新技術の提供と効果の検証、インタビューを通した現状把握、そしてこちらからのフィードバックといった農民に対する実践的アプローチを行いました。また、異なる視点からの農業開発を見るために、現地NGOで短期間インターンシップを行い、国際研究機関とは異なるアプローチの手法を学びました。研究と現場の双方に入り込み、現地に根差した農業技術を農民とともにつくり上げる農業技術開発のあり方を模索しました。

留学の動機

農業技術の向上を通して世界の作物生産、食糧問題に貢献できないかと考えていたわたしですが、具体的にどのようなアクションをしていこうか進路を悩んでいました。そんな中、所属研究室の教授から「国際稲研究所に行ってみるか?」と声をかけていただき、せっかく目の前にあるチャンスを逃したくない、と留学を即決しました(でも実は長期留学はそれまで全く考えていませんでした)。

成果

ひとつは研究成果を、農民と一緒に行った試験から持ち帰ることができたということ。そして留学全体を通して、現場にとにかく入り込み、研究と開発を少しでも結び付けられた経験そのものが私にとって大きな成果です。留学で得たことが、今も、そしてこれからも活きてくると確信しています。

ついた力

柔軟力

現地の人と一緒に活動する中、全く計画通りに進まない、うまくいかない、ということを本当にたくさん経験しました。日本の常識が通じないことを痛感すると同時に、異なる価値観を理解し、うまくいかないとき欠けていたのは相手へのインセンティブだと気づくことができた良い経験になりました。目的やゴールを自分の中でぶれずに持ち、今できることを考える、いくつかのパターンを考えておく、といった癖が身に付きました。

今後の展望

留学を通して、多様なバックグラウンドを持ついろんな国籍の人々と一緒に何かを考え、解決していくこと、わたしにはそれがとても刺激的で、本当に楽しんでいる自分を発見できました。将来も多様な人たちと一緒に仕事をしながら、本当に良い農業技術とは何か、現地の人たちと共に模索しつくり上げる、まずはそんな活動ができるような自分を目指し、その先の新たな可能性を探し続けたいと思います。

留学スケジュール

2016年
4月~
2017年
4月

フィリピン(ロスバニョス)

国際稲研究所(IRRI)は世界からイネ研究者が集まる国際機関です。IRRIでは研究活動のほかに、多くの研究者との議論、新たな知見を得るためのセミナーやトレーニングへの参加などを通して、刺激を受けながら勉強をしていました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

IRRIはたくさんの品種を育成しています
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2016年
6月~
2016年
11月

フィリピン(パンガシナン州)

農家圃場での試験はここを拠点にしていました。研究対象の農村に頻繁に通い、現地の人と協力しながら研究調査を行いました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

農家さんに栽培方法や今ある問題点などをインタビュー
これもイネです。研究対象は干ばつが起きやすい水田でした。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2017年
2月~
2017年
2月

フィリピン(ヌエバ・ビスカヤ州)

小規模農民への農業機械レンタルや有機農産物の販売といったソーシャルビジネスを行うNGOで、活動のお手伝いや、その地域の農民へのインタビューなどを行いました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

とにかく農家さんと話したいわたし
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

農村滞在中、一度にいくつかの壁にぶち当たり、心が折れそうなことがありました。そんなときわたしに元気を与えてくれたのは、いつも一緒にご飯を食べた田舎の家族であり、いつも作ってくれたおいしいご飯でした。あのとき一人じゃなかったから、最後までやりきることができました。また、わたしが農業を勉強するひとつの理由である「食べることが大好き」という自分の内面を改めて認識する経験でもありました。

いつも元気をもらった田舎の家族

休学せずに研究留学

  • 単位・留年 : 休学・留年

休学をして研究留学・交換留学に行かれる方も多いですが、私は留学先が大学でなかったのにも関わらず、修士1年次にフィリピンで研究をして、2年次は日本で授業、研究を行い、計2年間で修了できるようにすることができました。ゼミの単位はチームミーティング等への参加で置き換え、研究所でのセミナーやトレーニングを農学院の国際枠の単位に交換することができました。帰国してから(就活しながら)残りの単位を取り、予定通り卒業できそうです。私は3年かかってしまってもいいと考えていましたが、中には卒業を遅らせたくない人もいると思います。留学=休学しないといけない、と思わずに、まずは所属研究室の先生や事務の方と相談してみてください。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学は、新しい世界への発見ももちろんたくさんあります。ですがそれと同時に、自分が本当に楽しいと思えること、逆にこれは自分には合わないんだ、といった自分に対する新しい発見がたくさんあるのも、どこか外へ出てみることの醍醐味だと思います。自分への新たな発見を探して、一歩どこか外へ出てみること。それも魅力的な選択肢として多くの人に伝わりますように。