留学大図鑑 留学大図鑑

出身・在学高校:
高槻高等学校
出身・在学校:
京都工芸繊維大学大学院大学院
出身・在学学部学科:
工芸科学研究科
在籍企業・組織:


最終更新日:2017年10月23日 初回執筆日:2017年10月23日

導電性高分子を用いた新規半導体材料の開発

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ワシントン大学
  • アメリカ合衆国
  • シアトル
留学期間:
5か月
総費用:
1,500,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 860,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

癌は悪性腫瘍が自律的で制御されずに増殖し、無治療のままだと全身に転移して患者を死に至らしめる病気であり、日本人の死亡原因1位となっている病気でもあります。しかし、この癌は早期発見できれば決して治療できない病気ではなく、全摘出が可能であります。この癌早期発見の際に重要な役割を果たすのがバイオセンサーです。バイオセンサーとは生体の持つ優れた識別機能を利用、あるいは模倣して物質を計測するシステムです。医療におけるバイオセンサーには目的物から得られた電流を半導体で検知するものがあります。一方、ワシントン大学のLuscombe研究室では半導体高分子の研究を行っています。そこで、私の研究テーマである有機・無機複合化と電気化学の知識を活用し無機半導体と高分子の複合化をはかることで、目的物の吸着性、バイオセンサーの分解能の増大、より精密な電流の検知といった材料特性の向上が期待できます。留学先のLuscombe研究室で目的の半導体高分子を合成し、現在デバイス化に向けて研究を進行中です。

留学の動機

身近な人を癌で亡くした経験から、科学者の立場から医療費の削減、予防医学および癌の早期発見、早期治療の役に立ち、日本の医療発展に貢献したいと考えたからです。

成果

目的である導電性高分子(P3HT)の合成、シリカ微粒子とP3HTの複合化に成功しました。

ついた力

挑戦力

留学先では当たり前ですが、英語でコミュニケーションを取ります。研究生活になじみがない人にはイメージがないかもしれませんが、研究はチームプレイです。密な連携と互いの協力が成功には欠かせません。その意味では英語が当たり前の環境で自分の意見を主張しながらの研究は失敗と挫折の連続でしたが、あきらめず身を投じ続けることで諦めず挑戦することのハードルがどんどん下がるのを感じました。

今後の展望

2018年の四月から某メーカーに就職します。就職先の企業は世界的に有名な企業で、自社の製品もその業界ではシェア一位の企業です。グローバルな視点と挑戦することにためらいがない経営理念に強く共感し、入社を決意しました。今後は社会人としてより責任のある立場としてグローバルな研究者として邁進し、日本をリードできる人間になりたいと思います。

留学スケジュール

2016年
10月~
2017年
2月

アメリカ合衆国(シアトル)

癌早期発見の際に重要な役割を果たすバイオセンサーの性能向上に寄与する新規半導体の研究、開発。有機半導体であるP3HTの研究とハイブリッド化の研究。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

留学先の研究室のラボメンバーと
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

留学前後での、自分の変化

【変化】というテーマを選びましたが、ここでいう変化は成長を意味しません。【食生活の変化】です。留学中ホームステイをしていたので、昼食以外はホストマザーが作ってくれたご飯を食べていました。そこで出されるご飯は毎朝パンケーキ、ワッフル、ビスケット、全て大量のホイップクリーム付き。夜は以外にもほぼ毎食タイ米が出されていたのですが、ホストたちがその上にブルーベリージャムを載せて食べていて大変ショックを受けました。最終的には慣れ、食生活の変化が体系の変化をもたらしたという話です。

ある日の昼食のチョコレートケーキ

恥をかけ

  • 語学力 : 英語

留学前は正直、自分の英語力に自信がありました。TOEICやTOEFLのスコアも周りの同年代の人たちと比べて高いことに自信を持っていました。しかし、日本という狭い狭い国のさらに狭い自分コミュニティの中で自信を持ってしまった、まさに井の中の蛙だったのです。自分の愚かさは留学してすぐ思い知ることになります。留学先のラボで相手が何を言っているか分からない。自分が一生懸命話しても相手は全く理解してくれない。極めつけは同じ日本人なのにネイティブの人に交じって対等にディスカッションしている人との出会い。自分が比較すべき相手、これから競争する相手、協力すべき相手、全てを勘違いしていたのでした。そこで落ち込んで引きこもっていたら僕の留学は無駄に終わっていたことでしょう。しかしあえてみんなととにかく話しまくる、恥をかきまくる。このことが僕の英語力を劇的に向上させました。具体的な、便利な方法なんてありません。語学力は恥をかきまくることで上達できます。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学に行く理由は人それぞれだと思います。僕の場合、知識面だけでなく学生の”学ぶ”ことに対する姿勢の違いや、教育制度の違いなど、いい意味でも悪い意味でも”日本との違い”を知ることができました。違いを理解すれば課題も見え、競争していく相手を知ることができます。”違い”となっている部分を認識し、なにが必要か気づくことができたことでようやくスタートラインに立てたと思います。皆さんも違いを楽しんでください。