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KENGO

出身・在学高校:
大阪府立大手前高等学校
出身・在学校:
東京工業大学
出身・在学学部学科:
環境・社会理工学院 融合理工学系 地球環境共創コース
在籍企業・組織:

ドイツへの留学(カールスルーエ)やインターンシップ先に関連することで相談受けます。申請やメッセージの際には簡単に自己紹介をお願いします。


最終更新日:2017年11月21日 初回執筆日:2017年11月21日

トビタテ!ドイツバイオマス修行

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • カールスルーエ工科大学 Institute of Technical Chemistry、Spanner Re2 GmbH
  • ドイツ
  • カールスルーエ・ノイファーンインニーダーバーヤン
留学期間:
11か月
総費用:
2,600,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,960,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<TOEIC 815、TOEFLiBT 71> 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

バイオマスエネルギー(バイオマスガス化における触媒によるタール改質)の研究を7ヵ月間行いつつ、バイオマスエネルギーに関連した企業(小規模バイオマスガス化発電装置のメーカー)での4か月のインターンシップを通じて、自分の専門領域のバイオマスエネルギーについてより深く、より広く理解しようとしたのが私の留学「ドイツバイオマス修行」でした。11か月間の留学を通じて、日本で在籍している研究室では研究したことのなかった触媒でのタール除去技術の領域について理解を深めることができ、また、世界展開している小型バイオマスガス化発電装置の開発の現場や導入の現場を見学したことや自身の問題解決のサポート業務を通じて、バイオマスガス化発電について総合的に理解することができました。

留学の動機

理系の研究はごく限られた領域を見つめるということが求められますが、私はビジネスや政策が絡んだより広い領域の中で自分の研究の意義や自分の興味を広く深く考えたいと思っていました。また、再エネ分野で政策・経済的に成功しているドイツ社会についても興味があったので、ドイツに身を置きながら最先端の研究と企業活動に触れたかったというのが今回の留学の動機です。

成果

留学先の研究機関にいた期間に行った実験について論文形式でレポートにまとめ、研究所の全体ゼミの中でプレゼンテーションを行いました。また、インターンシップでは日本支社や日本の顧客の方々と密に連携を取り、ドイツ本社から問題解決のサポートを行っていました。どちらも経験値が0のところからの活動でしたが、そうした環境で苦しみながらも自分のなすべきことをやり抜く力が身に付いたと思います。

ついた力

メンタルケア力

異国の環境で家さがし、ビザの申請など思うようにいかないことはたくさんありました。また、11か月間を通じて同世代の人たちと一緒にワイワイやるような雰囲気はない上、初めてのことを社員のような扱いで行っていたので、それらによってメンタルが弱ることが多くありました。その中でも自分のメンタルケアとしてランニングなどを習慣化した結果、正常を保てるようになり、この経験で帰国後も少々のことで動じなくなりました。

今後の展望

大規模に生産し消費する時代から徐々に必要に応じたインフラの小規模化が進んでいく時代の中で、環境・エネルギー関連(特に廃棄物処理やバイオマスエネルギー関連)のことを中心に、持続的に発展できるモデルとなるコミュニティを国内外に関わらず作り出していきたいと考えています。

留学スケジュール

2016年
10月~
2017年
4月

ドイツ(カールスルーエ)

カールスルーエ工科大学の応用化学研究所にて、研究生として「バイオマスガス化における白金を含むキャンドル型触媒を用いたタール改質」についての研究に7ヵ月間携わった。その研究自体は大きな高効率バイオマスガス化発電施設を開発する大きなプロジェクトの中の一つの研究の位置づけで、バイオマスをガス化したあとのガス精製の部分を担っていた。4年間続くプロジェクトの中で、一番初めの時期であったので指導教官と私の2人で最適な触媒担持体と最適な触媒分子の組成を探るところから始まった。指導教官の下で実験のための設備を組むところから開発した触媒の特性を分析する一連の実験を行い、それらをレポートにまとめ、最後は研究所全体のゼミの中でプレゼンテーションを発表した。研究所なので学生が全くいない環境で想像していた研究生活は送れなかったが、ドイツの研究者のライフスタイルを7ヵ月間存分に感じることができた。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

400,000 円

生活費:月額

750,000 円

項目:交遊費、旅行

410,000 円

お世話になった応用化学研究所の方々と
実験スペース
最終プレゼンテーションでの様子
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

400,000 円

生活費:月額

750,000 円

項目:交遊費、旅行

410,000 円

2017年
5月~
2017年
8月

ドイツ(ノイファーンインニーダーバーヤン)

バイオマスガス化発電装置を製造、販売している企業にてインターンシップを行った。3週間ほどのOJT期間で修理の現場に同行したり、製造現場を見学させてもらう中で製品の各パーツの理解や採用されている技術の理解、構造の理解などをした。その後、日本支社と日本の顧客との間に入り、日本の現場で起きている問題についてドイツ本社からアドバイスをするような業務に就いた。日本の運転状況をまとめて上司に報告したり、日本語版のマニュアルの翻訳の修正も同時に進めた。インターンシップ中は会社から徒歩15分の場所の家に1人で住んでいたため、日常の行動範囲が狭かった。会社の勤務時間が40時間であり、金曜午後は休みだったので隔週でドイツ国内外を旅行していた。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

200,000 円

項目:交遊費・旅行

650,000 円

同じ部署の同僚の方々と
お世話になった上司
OJT期間の修理作業
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

200,000 円

項目:交遊費・旅行

650,000 円

スペシャルエピソード

この国のことが、とても好きになった瞬間

ドイツといえばビールの国。ビールの値段が水と値段が同じなどと言われていますが、ドイツ人は平日の朝からでも仕事の合間でもビールを飲むことがあります。ドイツではビールだけは16歳から飲むことが許されています。そのぐらいビールは軽いものとみなされているようです。休みの日にはビール瓶24本入りのビール箱を囲んで集団で飲むグループがちらほら見られます。ドイツでは各地でビールの醸造所があるので、各地でビールの味が異なっており、旅行をする度にビールを楽しんでいました。各グループや各地で飲み歌があるらしく、そうしたのも稀に目にすることがありました。ビールの祭典であるオクトーバーフェスト以外にも寒空の下でグリューワインを楽しむ12月のクリスマスマーケットやイースターから40日前のカーニバル(コスプレ祭り)といったお祭りごとも季節ごとに楽しめました。どの祭りも若者から年寄りまで、みんなで羽目をはずしてお祭りを楽しむ、ドイツ人のパーティー気質はとてもいいなーと思いました。

シュツットガルトのフォルクフェスタにて
エスリンゲンのクリスマスマーケットのグリューワイン
ケルンのカーニバル

留学中に手に入れた、今でも大事にしているもの

留学中は自分の置かれた環境からはなかなか交遊関係を拡げることができませんでした。自分で掲げた留学中の目標のために目の前のことを考えながらやってかないといけない責任感と思うようにいかないことの連続で精神的なストレスが貯まり続け、異国の地で交友関係が広がらないということもあり、そうしたストレスを吐き出すこともなかなかできないままでいました。目の前のことから逃げ出しても何も成果を生まないということを悟ってから、「一歩でも前進、少しでも目に見える変化を起こす」という意識の下で、定期的に10キロのランニングを始めてストレスを下げたり、毎日取り組んだことをミッション、ルーティン、チャレンジ、リラックス・リフレッシュの4つのカテゴリーで分けてログを書いて振り返ったりすることで、継続して自分の変化を記録するようになりました。ブログも作り、1か月ごとの振り返りを文章化するということもしていました。そうしていることで自分のいまを客観的に知ることに繋がり、肉体的にも精神的にもより一層タフになりました。とにかく動いて、見える景色を変えて、常に自分の好奇心を問い、ワクワクするものを求め、挑戦心を奮い立たせるということが大切であるということに気付きました。身体を動かして肉体と精神を鍛錬すること、振り返りを文章化すること、これらは継続して取り組んでいます。

ランニングでいつも見ていた大麦の景色
ランニング中遭遇するのを楽しみにしていた鹿たち

サバイバルするために学ぶ

  • 語学力 : 英語

私は留学する前の英語の対策というのは「これに取り組んだ!」と胸を張って言えるものは特にありませんでした。どんな言語もそうだと思いますが、文法や簡単な単語が分かるようになれば、あとはいかにそれを使うかということに限られると思います。そして必要に応じてビルドアップしていくという感覚が必要だと思います。そう感じたのは、学部1年が終わる春休みに一人で東南アジアとインドを1か月程度旅をしたときに感じました。その時は英語をしっかり話してコミュニケーションを取るというレベルには達していなかったと思いますが、旅行中には行きたいところやしたいことを伝えたりしない限り何も事が進みません。強制的に自分から話さないといけないという環境に身を置いたことで、中学レベルの英語を駆使しながらやりたいこともやり終えて無事に帰ってきました。「英語は自分がサバイブするのに重要なツールなんだ」ということをこの一人旅で身をもって学びました。その後は、積極的に英語を使わなくてはならない環境に飛び込んで行き、日常の中で英語の表現が分からない言葉はその都度で辞書で調べて覚えていくということをしていました。定期的に海外に出ていたこともあり、とにかく英語に触れる時間を積極的に増やしました。解決法というよりは自分の英語学習の取り組み方という形での紹介になりましたが、言葉は自分の考えや必要なことを伝える「ツール」なんだということ、できなくても積極的に英語を使う環境に身を置くこと、そして常に「英語だとどういう表現になるのか」というところに意識を置くだけでずいぶん変わると思います。

自分の強みと相手のニーズを探る

  • 留学先探し : インターンシップ

留学計画で予定していたドイツの再エネ系の企業でのインターンシップの受け入れを拒否された後に、私の留学期間はスタートしてしまいました。予定していたインターンシップ先と関係がある日本の企業でも出国前に1か月間インターンシップをしていたので受け入れられると勝手に考えていましたが、相手のニーズと一致していなかったようで、そうはなりませんでした。10月はじめにドイツ到着後、家さがしやビザの申請にてこずったため、本格的にインターンシップ先を探し始めたのは2017年の1月からでした。4月までは研究機関での研究活動があったので、変更申請のことを考えると2月末までには別のインターンシップ先を探して、受け入れ許可をもらわないといけない状況で、それができなくては目標を果たせないままの帰国という相当なプレッシャーがありました。インターンシップ先を探す上で自分の強みが何かを考え、自分の専門性を活かせそうなところ、そして日本語ができる人を求めている企業(日本に進出している、あるいは日本に進出することを考えている企業)をリストに挙げて片っ端から連絡を出しました。運よく自分が気になっていた1社から連絡が来て、それから2週間の間に面接(というよりはお互いの自己紹介のようなもの)をしてもらいました。その企業は日本に支社を持っているがうまく連携が取れないという課題を抱えているようでした。私は企業活動や採用されている技術などについて包括的に理解したいというのが目的だったので、お互いにWinWinな関係であることが確認でき、後日受け入れ許可をもらうことができました。自分の強みを考え、相手のニーズを想定したことが功を奏しました。

一番賢い現金の引き出し方

  • 生活 : お金

毎月トビタテから16万円をいただいていましたが、すべて日本円であるので、生活しているドイツではユーロに変えなくてはいけません。トビタテはある銀行に振り込んでもらう手筈でその銀行の国際キャッシングカードで現地でユーロを引き出すということをしていましたが、手数料が4%かかっていたので、そうした無駄を避けるために他の方法を探しました。クレジットカードのキャッシング機能でも諸々の手数料で2%近くかかるので、最終的にはトラベルプリペイドカードというジャンルに振り分けられる、FXのやり方を用いたカードを使っていました。レートが良いときに両替しておき、両替できた外貨をネット上でカードにチャージしておけばその金額まで使えるというもので、諸々の手数料も約1%ほどにまで落とすことができました。ATMでの引き出し手数料はかかりますがATMでの引き出しできますし、クレジットカードとしても機能します。1枚のカードでユーロ以外にも米ドルもポンドなど最大6通貨を扱えるので、イギリスに旅行に行くときもこのカードが重宝しました。海外送金という方法よりも安い方法で必要に応じてチャージできるので、頂いた奨学金を最大限に利用することができました。

留学前にやっておけばよかったこと

やっておけばよかったことは挙げればきりがありませんが、現地語を話せるレベルにならなくても基礎をしっかり鍛えて現地語を使う機会を増やしておくというのは大切です。

留学を勧める・勧めない理由

留学は海外で何かを勉強するということだけには意味がないと思っています。日本にいるだけでは気づけない感覚を養ったり、いままで培ってきた感覚を再定義することができる貴重な経験ができる機会であると考えます。ある「変化」「違和感」に対して、自分がどのように捉え、取り込むかという柔軟性が鍛えられる機会でもあると思うので、社会人になる前に留学を経験しておくことは大切なことだと思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学を計画する段階からたくさんの苦悩がありますが、自分の人生の舵は自分が取るんだという強い気持ちで、自分の興味・関心を十分に盛り込んだ希望に満ちた計画を立ててください。計画も留学中に再度考え直すということも大切です。私は常に机の前に貼り出して初心を意識するようにしていました。そしてリフレッシュするときは存分にしてください。病んでいても何も変わりません。毎日少しでも変化していきましょう。