留学大図鑑 留学大図鑑

ハナエ

出身・在学高校:
福岡女学院高等学校
出身・在学校:
立教大学大学院
出身・在学学部学科:
文学研究科フランス文学専攻
在籍企業・組織:


最終更新日:2017年10月24日 初回執筆日:2017年10月24日

大好きな舞台ライフを謳歌した留学

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • パリ・ディドロ大学
  • フランス
  • パリ
留学期間:
10ヶ月
総費用:
3,500,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 2,200,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
フランス語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<DELF B2> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

現在執筆中である修士論文に向けた18世紀フランス演劇研究をベースに、アヴィニョンの演劇祭や大学院での研究やワークショップへの参加、および若手研究者との定期的な意見交換。また、留学先であるパリを拠点にヨーロッパ各都市の劇場に実際に足を運び生の舞台に触れながら実地調査を行い、古典作品の現代需要のあり方について模索した。その研究成果や批評などを研究ホームページなどを通じて日本に発信していた。なお、まだ書き溜めているものがあり、現在もこの活動は継続中。

留学の動機

趣味が高じて現在に至るまで大学では舞台関連の勉強を続けてきてきました。一方で日本の舞台環境への疑問が生まれ、また、観劇の趣味が原因で高尚な人間というレッテルを貼られてしまうことに息苦しさと違和感も感じていました。年間を通じて本場ヨーロッパの劇場で多く触れたい、日欧の舞台、特に古典需要のあり方や向き合い方を比較し、自分が目指す舞台業界での働き方を見つけたいと思い留学を決意しました。

成果

パリの劇場を中心とし多く観劇をし、また通うことで現地の人との交流ができました。フランスだけでなく欧州中足を運び舞台環境や演出の違い、観客の層や反応の違いなどが比較できました。先進国がゆえの問題点やマイナス点も浮き彫りとなり、日本の舞台に関しこれまで否定的にしか捉えていなかった面の良い点にも気付けました。私を単純にカテゴライズせず扱ってくれる社会に居心地の良さも感じました。

ついた力

多角的に物事を見る力

留学生として異国で暮らすことは、その国の内側に入り込んでいる一方で、そこには常に一線があり外側の人間としても扱われます。大統領選挙など社会的変化の激しかった一年にいたからこそ強くこのことを感じました。中に入り込むからこそ見えること、中から外を見る一方で、常に外から物事を見つめる視点を同時に持てるのは留学生として異国にいることの特権の一つだと思います。

今後の展望

正直まだ迷いも多く自分の無力さを痛感した一年でした。ただコスモポリタンな街で多くの外国人とも出会いっていく中で、それぞれが自分で自分が生きる場所を選び勝ち取って行っている姿を見、自分が自分らしくいれる場所を世界中から選んでいい、そして迷いにかける時間や年齢もきにする必要などないのだということを気づかされました。自分らしくいられる場所をもう少し模索し続けようかなと思っています。

留学スケジュール

2016年
9月~
2017年
7月

フランス(パリ)

9月前半語学集中講座を受けた後、前期には美学や音楽史など自分の研究のベースとなる講義を受け、日本からの視点で学んできたことをフランス自国の視点を通じて補強して行く。
また観劇を始め、批評などを書きHPを使っての発信活動を始める。10・11月は体調を崩し気味で、精神的にもすごく参った時期。年末年始以前からお世話になっているフランス人友人宅で過ごし、昔からの友人たちと再会したことで気持ちを持ち直すきっかけになった。後期からは少し授業を減らし、自分の研究に時間を割くようにする。院のゼミにも参加、演出家や劇場支配人などを交えた意見交換などを通じ、現代演劇の需要について学ぶ。5月授業が終わってからは本格的に研究に没頭。7月リスボン育ちのフランス人友人宅に招かれる。下旬アヴィニョンの演劇祭ではワークショップなどに参加し改めて舞台環境の成熟を感じた。

費用詳細

学費:納入総額

100,000 円

住居費:月額

80,000 円

生活費:月額

130,000 円

項目:舞台、習い事、旅行、研究資料

- 円

リヨンの展示会を訪問し、伝統工芸の海外需要を知る
費用詳細

学費:納入総額

100,000 円

住居費:月額

80,000 円

生活費:月額

130,000 円

項目:舞台、習い事、旅行、研究資料

- 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

ポルトガル育ちのフランス人友人宅に1週間お邪魔しました。彼女が連れ出してくれる場所や集まりはリスボンに住むフランス人が集う場所で、異国にあるフランス人コミュニティ。異国で生きている、また育った彼らは、将来への選択肢を当たり前のように世界規模でもち、自分の視野の狭さと小ささを痛感しました。言語を3つ以上操れるという強みを除いても、彼らには自分を律するたくましさと堂々とした姿勢があり、一人一人がとても魅力的でした。一方で友人が習っている合気道にも毎日ついていき、異国で日本の文化を愛でている人々にも出会うことができました。私にとって初めての合気道。異国で自国固有の文化に触れることはなんとも不思議な感覚で、日本にいてはきっと踏み入れることをしなかった世界、このような巡り合わせだからこそ知れた自国の魅力でもありました。

合気道の帰り道

友人やクラスメートの姿を参考に、そして支えに

  • 留学先探し : 大学院

院での授業は、自分の研究とは少しずれもあり知識が足りない点も多くありました。またハイレベルな場であるがゆえに、また政治やテロなどすごくデリケートな問題に議論が発展するがゆえに、どんどんとついて行くことができなくなっていきました。同じ研究分野でも研究への向き合い方が全く異なり、自分の甘さを痛感した経験です。しんどく重い議論もあり頑張ることをやめたくなるような瞬間もありました。そんな中、寮の友人たちが毎日勉強漬けで頑張っている姿を常に横に見ていると、自分を奮い立たせることがきました。また授業はほとんどフランス人でしたが、寮で重いテーマを外国人同士で話したり、また寮のフランス人にフランス的な解説をしてもらうことで自分が抱えていた溝を少しずつ埋めて行くようにしました。

留学前にやっておけばよかったこと

語学を磨くことはもちろん私もやってから留学に臨みましたが、やれるだけやっておくことに越したことはありません。個人的には今回は2回目の留学なのでやっておけば・・・と思うことはあまりありませんでした。

留学を勧める・勧めない理由

私自身は飛び出していった人間ですが、個人的には誰もが行う必要はないと考えています。性格目標などによってはその必要がない人もいることをこれまでであった人を見て思うのです。留学に向いている人を強いてあげるならば、日本にいて自分らしさを見いだすことがまだできていない人かなと思っています。留学で実際の目標は違っても、精神的な面で似た志、また仲間を求めている同士に出会うことができるかもしれません。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学では信じることが鍵だと留学を通じて感じました。自分を信じて踏み込んでみる、友人を信じて頼ってみる。私はたくさん遠慮し一人で思い悩み時間を犠牲にしました。でもいざ飛び込んでみると一人ではたどり着けなかった変化を得ることができたのです。そして不安は無用だったと思えるほど、人は温かく応対してくれました。ぜひ留学で物理的に飛立つだけでなく、精神的にも自分の殻を飛び出していって下さい。