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ともき

出身・在学高校:
近畿大学附属和歌山高等学校
出身・在学校:
岡山大学
出身・在学学部学科:
文学部 人文学科
在籍企業・組織:

セルビア共和国に一年間留学していました。旧ユーゴスラヴィア地域のことなら何でも聞いてください。


最終更新日:2017年05月08日 初回執筆日:2017年05月08日

セルビアと日本を結ぶ架け橋となる!!

留学テーマ・分野:
海外ボランティア
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ベオグラード大学 スポーツ教育学部
  • セルビア
  • ベオグラード
留学期間:
11か月
総費用:
9,000,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,800,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<TOEIC595> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<TOEIC815>

留学内容

スポーツを通じたセルビアへの貢献、現地の総合型地域スポーツクラブの実態を学び日本に還元するという二つの目標を持って留学に向かったが、実際は前者しか達成することが出来なかった。前者は子ども支援センター「DUGA」や現地の小学校にて受け入れてもらえたが、後者はスポーツクラブを紹介してくれるといったスポーツジャーナリストの人が突然失踪し、連絡が取れなくなった。海外ではよくあることだが、何かを頼むときそれに見合うお金や賄賂を求められることがある。(セルビアやロシアくらいかもしれないが)そのスポーツジャーナリストは自分に紹介して金にならないとみて消えたのだと思われる。その分ボスニアでJICAさんのプロジェクトでできた「マリモスト」サッカークラブの練習に参加、現地三部サッカーチームに入団、小学校での英語教育を観察などといった貴重な経験をすることができた。

留学の動機

留学の動機は主に3つ。
1.英語圏ではなく、みんなが行かないようなところに行って、英語+αの語学力を身に付けたかった。
2.大学にセルビアのベオグラード大学との交換留学の提携があったこと。
3.交換留学で岡山大学に来ていた、ある留学生との出会い。セルビアはスポーツが有名で(サッカーのピクシーやテニスのジョコビッチ)純粋に興味を持った。

成果

小学校でのスポーツボランティアに加えて、校長先生に頼み込み、小学校での英語教育を授業観察させてもらった。セルビア人は概して英語が堪能だが、その理由として①小学一年生から教科として英語を学ぶこと②先生の質が高い③母国語よりも文法が簡単④生きるために英語が必要、の四点が判明した。セルビアはヨーロッパで最貧の地域で、彼らの中でドイツなどに出稼ぎに行く人が多いのだが、そのためには英語は必須なのである。

ついた力

飛び込み力

全員がセルビア人の中で、現地のサッカーリーグ三部のチームに入り、高いレベルでプレーしたこと。全員英語は話せるが、この場で英語を話すことは禁じられ『みんなが、「ここをどこだと思っているんだ。セルビア語で話せ。」と言う(笑)』ため、コミュニケーションを取るのが大変だったが、毎回の練習で必死にコミュニケーションを取ろうとしていると、みんなから認められ、可愛がられるようになった。

今後の展望

今後は総合商社に就職し、新興国のインフラ整備に関わっていきたいと考えている。これは日本円で月給平均五万円という非常に貧しい国セルビアでの経験からきている。バスが道の途中で故障する。フッ素だらけの水道水。日本では考えられない経験をした。その中で、彼らは口を揃えてこう言う。「ユーゴスラヴィアの時は良かった。」自国への自信を失っている彼らに対して、ビジネスを通じて貢献したいと考えている。

留学スケジュール

2016年
4月~
2017年
2月

セルビア(ベオグラード)

最初の六か月間は大学の寮で、二人部屋に住んでいました。ルームメイトは日本人で少しがっかりしましたが、三年間セルビアに住んでおられる方で、右も左もわからない自分にとって非常にありがたい存在でした。その後六か月後は寮を出て、日本とロシアのハーフの友達とシェアハウスをしました。外国人同士ということで部屋の賃貸契約で苦戦しましたが、非常に親切な大家さんが日本人だからということで部屋を貸してくれました。セルビア語と英語で契約を交わし、新生活をスタートさせました。家探しは非常に大変でしたが、今思えば貴重な経験でした。法外な賃金を取られないようにうまく交渉する術、外国人だからといってなめられないように、かと言って傲慢な態度を取らないようにバランスを取る技術が身に付きました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

30,000 円

生活費:月額

50,000 円

留学中に入団したサッカークラブの仲間たち
年末年始はパーティー
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

30,000 円

生活費:月額

50,000 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

セルビア共和国や旧ユーゴスラヴィア地域のことについて書くと、ここでは収まり切りませんが、特に衝撃を受けた経験を書きます。
それは、ボスニア・ヘルツェゴビナのモスタルという町(サッカー現日本代表監督ヴァヒド・ハリルホジッチの出身地)に行った時の経験です。元サッカー日本代表の宮本恒靖さんがFIFAマスターを修了した際に執筆した「サッカーを通じて民族融和を図ることは可能か。」という題の修士論文を実際に体現し、クロアチア人とボスニア人が未だに民族対立が残るモスタルという地で、どちらの民族の子どもも関係なくサッカーが出来るクラブ(マリモスト)を作りました。実際に私がこの町に行ったとき、川を隔てて、クロアチア人が住む地域とボスニア人が住む地域が分けられており、この町唯一の高校は授業は両民族別々に受け、校長先生もクロアチア人代表とボスニア人代表の両方が存在しています。ここでは表せないくらい両者は今もにらみ合っていました。しかし、そんな地にも子供は生まれます。紛争の経験など何もない子どもたち。このクラブ(マリモスト)の練習に自分も実際に参加しましたが、同じボールを必死になって追いかける子どもの間には、民族の隔たりなど無く、サッカーやスポーツが持つ可能性を改めて痛感した経験でした。

「マリモスト」の活動参加

元紛争地域の現在の治安

  • 生活 : 治安・安全

セルビアは元々ユーゴスラヴィアという国の中核をなしていたが、紛争により分裂を繰り返し、現在はボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、スロベニア、モンテネグロ、コソボ、マケドニア、セルビアという国に分かれている。これは20年前のことにはなるが、現在もセルビアの首都ベオグラードではNATO軍によって攻撃された軍の中枢機関跡地がそのまま残っている。周囲からは留学前に治安の面で心配された。だが、現在は一部の国境付近を除き、非常に良好である。特に日本人に対して好感を持っている人が多く、非常に親切にもてなしてくれる。

留学を勧める・勧めない理由

個人的には留学を勧めます。留学に行った90%の人はそう言うと思います。ただ、最後に決めるのは自分だと思います。僕自身も体育会サッカー部に所属しており、四年生の最後の年と留学を天秤にかけて、非常に悩みました。それでもいって良かったと確信しています。たくさん悩んでいろんな人に相談してみてください。後悔だけはしないようにしてほしいです。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学の良いところは、先ほども言ったように1.視野が広がる2.視座が高まる3.現地の友達がたくさんできることだと思います。失敗もたくさんしましたが、その分成長したという自信があります。留学にあたって金銭や治安などといった問題もあるとは思いますが、しっかりと留学の目的を設定し、リスク管理をすれば、周りの協力も得られると思います。迷ったら、大図鑑に載っている人でも、身近な人でも相談してみてください!