留学大図鑑 留学大図鑑

佐藤雅士

出身・在学高校:
Westside High School
出身・在学校:
東京大学
出身・在学学部学科:
経済学部
在籍企業・組織:
トヨタ自動車株式会社


最終更新日:2017年05月19日 初回執筆日:2017年05月19日

「大陸」を目でみて、肌で感じる。

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)・経済・商・観光
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • 北京大学・封固封固企業股份有限公司
  • 中国・台湾
  • 北京・高雄
留学期間:
5か月半
総費用:
600,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 720,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
中国語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<HSK6級 221点> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

中国への留学の動機はずばり、幼いころより台湾人の母や親戚から聞かされてきた「大陸」に対する固定観念を打ち破ることだった。メディアや他者の話を鵜呑みにするのではなく、自らの目で見て、肌で感じて、あらためて中国とはどのような国でどのような人々が暮らすのか、というのを見極めようと思った。
民間企業への就職が決まっていたため、北京大学では主に経営学を学び、サプライチェーンマネジメントという講義では競合他社について調べるなどして、少しでも就職先に役立つ知識を身につけようとした。
交換留学後の台湾でのインターンでは、国外に取引先をもつ中小企業で貿易とはいかなるものか、そこで必要な知識や直面する課題などについて社員の方からお話を伺った。特に商習慣の違いは取引の際にも十分注意する必要があり、取引先によっては常に商品の輸送状況など確認し続けなければならず、そういった点も取引先を選ぶ際には考慮すべき、といったアドバイスをいただいた。

この留学では、中国に対する見方が180度変わったこと、そして社会人になる前に国境を越えたビジネスの現場を垣間見ることができたことが大きな成果だったとあらためて感じている。

留学の動機

母が台湾出身であり、幼い頃から「大陸人」の価値観や民族性に対する批判を聞かされて育ってきた。また、最近ではメディアでも日中関係の悪化からか、大気汚染や観光客のマナーの悪さなど、ネガティブな印象を与える報道が多くなってきているように感じた。私はこのような状況に違和感を覚え、いつしか中国を自分の目でみてみたい、そして自分の中にある「大陸」に対する固定観念を打ち破りたいと思うようになり、留学を決意した。

成果

大きな気づきは、現地の学生が世界に対して強い関心を寄せていることである。毎年開催される国際文化祭では、留学生が60の国や地域のブースを設置し、それぞれの国の文化を発信するのだが、来場者は多くのブースを訪れ、食べ物から遊びまでとにかくなんでも体験していた。そして、日本も彼らにとっては例外ではなかった。私は「中国は日本をよく思っていない」という日本人の認識は誤ったものであることをここで痛感した。

ついた力

自己中力

これは欧米諸国でも言われることだが、自己主張ができないと欲しいものが手に入らない、協調は求められていない、というのは中国でも同じだった。食事の際に好みを聞かれ、「なんでもいい」と答えると「そんなわけない。誰でも好き嫌いくらいあるはずだ。遠慮するのは逆に失礼だ」と怒られたことがある。自分の意見をもって、場合によっては空気を読まずに我を通すくらいのほうが、芯が通っているとして評価されたりもする。

今後の展望

今後は中国に関する知見を広げ、中国市場のプロになり、日中間のビジネスに携わりたいと考えている。その過程で、少しずつでも日本人の中国人に対する誤った認識を払拭していきたい。

留学スケジュール

2016年
9月~
2017年
1月

中国(北京)

学業以外では自身のネットワークを広げるために、特に他の学生や社会人との交流イベントに積極的に参加した。コミュニティとしては学内ではWestern Student Unionや北京大学日本人会のイベントに参加し、学外では東京大学北京校友会、北京日本人会バスケットボールチームに所属し、北京に駐在中の社会人の方々から様々なお話を伺った。
また、まとまった休みがとれた際には国内旅行をしたりもした。数えきれないほどの観光スポットがあるため、計画の段階からとても楽しかった。天津、上海、四川(成都、九寨溝)、哈爾浜の4都市を訪れることができたが、まだまだたくさん行きたい場所があったのでその点が留学の後悔といえる。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

北京大学国際文化祭・日本ブースの設営・運営メンバー
国慶節の連休を利用して世界自然遺産である九寨溝を訪れた。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2017年
1月~
2017年
2月

台湾(高雄)

工場に設置する集塵機と内部のフィルターの製造・販売・輸出と、バルブの輸入販売を行う中小企業でインターンシップを行った。インターンでは、海外貿易の際に契約書に明記するインコタームズと呼ばれる複雑な貿易条件の国際基準を学んだ。費用の負担や責任の所在が各条件で異なっているため、契約書の作成にあたる社員は全ての条件を正確に把握していなければならず、時間外の勉強は必須、とのことだった。また社員へのインタビューでは取引先のお国柄について話を聞いた。例えば日本の取引先は貨物の積荷や出荷が必ずスケジュール通りに完了し、進捗も共有してくれる一方で、アメリカや東南アジアに関しては度々こちら側から催促や確認のメールをしないと状況が把握できないらしい。
1か月間のインターンシップで、ビジネスの場においても相手側の文化や民族性を把握し、相手に合わせてコミュニケーションをとっていくことが重要であることを学んだ。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

集塵機のフィルター製造現場。オフィスの隣に併設されていた。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

留学で確信した、“私はこれを目指す!”

今回の留学を通じて、私は中国という市場の可能性を実感し、中国のプロになりたいと思うようになった。
中国では人口が密集している都市部における大気汚染が問題視されていて、政府も環境規制をより一層厳しくしようと議論を重ねている。私も実際に身汚染の度合いが高かった12月、ぜんそくに似た症状で数週間咳が止まらず、苦しい思いをした。
ところで私は4月に自動車会社に就職したが、この環境規制への対応が、自動車会社が今後の中国市場を掌握するうえでは重要なファクターとなっている。ほかにも経済発展に伴う生活習慣や価値観の変化もあるが、こうした情報はメディアの二次資料だけではなく、実際に現地へ足を運び、自らの目で見て、人々から話を聞かなければ得られないものも多くある。私はこの留学経験と語学力を活かして、中国に関するリライアブルな情報を提供できる、中国に関してはこの人に聞けば大丈夫、と信頼される中国のプロを目指したい。

北京の大気汚染。ひどいときは数メートル先すら見えないことも。

両親の説得

  • 周囲の説得 : 家族

私の場合は母が台湾人のため、民族の観点から反対されてしまったが、最近では大気汚染がメディアで大きく取り上げられているため、そういった健康面で両親から反対されることがあるかもしれない。
アドバイスとしては、もちろん健康面でのリスクはあるが、日本の留学生は海外留学保険の保障制度が手厚く、診察や治療にほとんどお金がかからないため、その点をしっかりと説明するべきだ。
また病院に関しても、日本人を積極的に受け入れている病院も多く存在し、そういった場所のほとんどの先生は日本語も堪能なため、語学面での心配もいらない。

大気汚染で体調を崩したが、無料で治療を受けることができた。

これから留学へ行く人へのメッセージ

大気汚染、日本人に対する差別、中国語・・・中国に関する不安は尽きないと思うが、とにかく現地に飛び込んでみてほしい。
そうすればそれまで抱いていた不安の多くが思い込みだったことに気づくはずだ。