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たつさん

出身・在学高校:
関西学院大学高等部
出身・在学校:
関西学院大学
出身・在学学部学科:
国際学部
在籍企業・組織:


最終更新日:2020年06月10日 初回執筆日:2020年06月10日

私のマニライフ、CSVビジネス作りに挑戦

留学テーマ・分野:
海外インターンシップ
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Philippine Business for Social Progress
  • フィリピン
  • マニラ
留学期間:
5ヵ月
総費用:
700,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 700,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<TOEIC800 > 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

フィリピンの貧困地域の収入向上、雇用形成を図るために2つのCSVプロジェクトの創設に挑戦しました。1つはヨコハマタイヤがタイヤ製造時に廃棄するタイヤ破片を用いた靴づくりビジネスプロジェクト。フィリピン北部の地域、パンパンガに住む生計を持たないOSY (Out of School Youth)や女性を対象にした靴づくりトレーニングの実施、マニラの靴屋「HabiFootwear」を市場マーケットとして確保できるようミーティングやプロジェクトペーパーの作成、PBSPの正式プロジェクトとして認可してもらえるように奮闘しました。もう一つは美容リクルートサイトを持つリジョブとのセラピスト育成プログラム。マニラの南西部のバタンガスに住むOSYに向けた3か月間のセラピスト育成トレーニング実施を目標に一PBSP職員としてリジョブとのミーティングやプロジェクトペーパーの作成に奮闘しました。また、巨大台風の被害を受けた地域に向けた被災地支援活動や植林活動などにボランティアの一人として参加し、被災地復興がどのようにフィリピンでされているか実際に確かめてきました。パンパンガや「マニラ1治安の悪い地区」とされるトンド地区、スモーキーマウンテンではフィールド調査を行い、教科書では見ることのできない貧困地域の実情にも触れてきました。

留学の動機

大学生活の中で何か人に役立つことをしたいという想い、目覚ましい発展を遂げている一方で貧困から脱し切れていない途上国の現状を授業などで学びながらも実際に訪ねたことがないというジレンマが今回の留学の一番の動機、モチベーションになりました。メディアの影響で「混沌」というイメージを持たれているマニラが実際はどのような場所なのか知ってみたいという興味も留学のモチベーションを後押ししてくれました。

成果

CSVプロジェクトではPBSPからの協力もありプロポーザルペーパーの作成から企業とのミーティングまで幅広い業務に携われました。セラピスト育成トレーニングの方は企業側からも協賛していただけたこと、最終的な予算ペーパーを提出したことから、実施される可能性は高いのでインターン生として一定の成果が挙がったのではと思います。

ついた力

いろんな社会問題を自分のこととして見る力

社会問題を知る機会は留学前からたくさんありましたが、どのようにすれば解決に貢献できるかという「社会問題を自分のことのように考えること」は全くありませんでした。多様性に対する理解・尊重する力は留学すれば必ず身につくと思いますが、フィリピンの貧困層と向き合い続けてきた自身の留学では「いろんな社会問題を自分のこととして見る力」が身についたのではないかと思います。

今後の展望

今後は大学で開発経済学や企業経営を学びながら、日本企業にCSVやインクルーシブビジネスといった社会事業の考え方を普及していければと思います!!

留学スケジュール

2016年
9月~
2017年
2月

フィリピン(マニラ)

私はフィリピンのローカルNGO、PBSPのインターンとして5か月間マニラで住みながら活動をしていました。貧困層をバリューチェーンに巻き込んだ新しい形のビジネス、CSVの普及を目標に二つのビジネスプロジェクトを作成、企業との交渉を進めてきました。また台風被災地支援プロジェクトや植林活動に参加したり、スモーキーマウンテンやマニラ1治安の悪い地域とされるトンド地区でフィールド調査をしたりして、地元住民との交流を図ったり、フィリピンの実態を学んだりしました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

PBSPのアニュアルミーティングを手伝っている様子です!
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

学校の教科書でもよく見る「スモーキーマウンテン」。皆さんはどのような光景をイメージするでしょうか?おそらく日本で勉学をずっとしてきた私のような学生さんは「においがきつい」「ゴミに埋まりながら働き続ける子供」「極限の貧困状況」というようなイメージをされるかもしれません。実際、スモーキーマウンテンの周りは他地域と比べ家庭収入が少ないですし(およそ月17,000円)、フィリピン人からも一人では行ってはいけないという風に言われたので日本で教えられてきたのはあながち間違いではないと思います。しかしながら実際訪れてみなければわからない発見もたくさんありました。そこに住む人たちが私たちと同じようにフライドチキンを食べたり、生活必需品を商店から買ったりしていたこと、水道・電気が通っていたこと、臭いがあまりしないこと、子供たちが学校に行くことはできること。これらの発見は実際に現地に訪ねなければわからないことでこの留学を通してその面が知れたというのは一番意味があったことだったのではと自分自身思います。ですので、皆さんにはいろんな場所を訪ねてもらって、その土地の実態というのを人からの情報ではなく、自分の目で学んでほしいと思います!

スモーキーマウンテンの実態を写真に収めました。

常に周りに視野を向け続けること

  • 留学先探し : インターンシップ

5ヵ月間という短期間でのCSVプロジェクトの実施は非常に難しく、フィリピンと日本との時間軸の違いをもっと鑑みてプロジェクトを進めていくべきだと感じました。
フィリピンではクリスマスシーズンが9月終わりごろからはじまり、12月頃になると特に政府関係機関は年間の総括を行うために業務をストップさせるという習慣があります。私が作成したヨコハマタイヤとのCSVビジネスでは政府関連機関に当初靴づくりのノウハウをターゲットの貧困コミュニティーに教えさせる予定でした。しかし、この特有の慣習のせいでプロジェクトはなかなか進められずにプロポーザル作成・企業への提出までで5ヵ月の業務を終えてしまったため、こういった慣習をもっと学んだうえでプロジェクトの進捗段階を決定するべきだと感じました。
ただ、私はこの状況を打開するべく行ったことは、民間機関に靴づくりのトレーニングを委託する、つまり「常に周りに視野を向け続ける」ということでした。もちろん、自身が考案しNGO・企業に受け入れてもらったプロジェクトだったのであきらめたくないという気持ちもあったのですが、貧困コミュニティーの生活改善に貢献しなければならないという責任感を持ったおかげで視野を周りに向け続けることが出来ました。現在、何機関か候補が挙げたので各機関と交渉を進めてもらい、合意してくださる機関があれば自分のプロジェクトは実施される予定です。
課題の解決法、それを手法で表すということは難しいですが、常に自分の行動が短期的に、中・長期的にどうなっていくのか考え続けることがひとつの解決法ではないかなと思います。

留学前にやっておけばよかったこと

語学はブラッシュアップが勉学面・仕事面・生活面で非常に大事だと感じました。特に勉学面・仕事面での語学は専門によって頻出ワードが変わってくるので自分のニーズに合った単語を頭にいれるべきだと思いました。
また活動のモチベーションに直接つながる心身を共に万全にさせるためにも留学先の慣習、、イベント、保険制度、気温、服装、危険地区など様々な情報を事前に集めればより充実した留学になると思いました。

留学を勧める・勧めない理由

私は皆さんに留学を勧めたいと思います。留学をするということは自分のコンフォートゾーンから飛び出すこと、つまり自分自身を見つめなおすことにつながると思います。私自身、失敗したことや悩んだことも多かったですがそれを乗り切ったときに、自分自身に対する大きな自信につながりました。ですので、みなさんには留学にぜひチャレンジをしてぜひたくさん失敗して悩んで、そしてそれらを自分の力で乗り切ってほしいと思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学を価値あるものにするかは自分自身の意識だと思います!自分に対する期待値を下げずに突っ走ってほしいと思います。