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イカ・タコ大好き人間

出身・在学高校:
私立清教学園高等学校
出身・在学校:
琉球大学大学院
出身・在学学部学科:
海洋環境学専攻
在籍企業・組織:
沖縄科学技術大学院大学


最終更新日:2020年07月13日 初回執筆日:2020年07月13日

イカ・タコの賢さを知る

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Max Planck Institute for Brain Research, Université de Caen Basse-Normandie
  • ドイツ・フランス
  • フランクフルト
留学期間:
12ヶ月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 2,120,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

日本人にとって食材として人気があるイカ・タコ(頭足類)は、実のところ無脊椎動物(簡単に言うと骨のない生き物)でありながら、非常に大きな眼を持ち脳を持つ不思議な生き物であることを知っていますか?
彼らは非常に賢く、ユニークな存在です。
研究に関しては、日本では海産資源としての研究が盛んに行われています。
一方で、頭足類の賢さの研究発祥地はヨーロッパです。
今回の留学では、世界的にも最高峰レベルの研究者が集うマックス・プランク研究所(脳科学研究所)にて、イカ・タコの賢さについて研究を行いました。また、スーパーバイザーの急な転勤に伴い、彼らが異動したフランスへを付いていき、フランスのイカ・タコ研究室で他の研究者との議論や、イカの脳に関する研究をしました。
日々、研究室に引きこもって実験と議論を繰り返し、オフの日はフェスタや他の国へ旅行に行ったりしました。

留学の動機

「自身の研究を深める為に海外に行く必要があったため留学した」
イカ・タコを研究している研究施設が日本にはあまり無く、自身の研究テーマが特異的なものであり日本国内にプロがいませんでした。
偶然にもある日所属研究室に、先述の研究所より研究者が来訪されました。色々あって彼らから気に入ってもらい「うちにおいでよ」と言って頂きました。
その直後トビタテ留学Japanの情報が入ってきて申請しました。

成果

所属研究室で行なった研究に関しては国際学会で発表した後、論文化へと進んでいる(研究結果や詳しい内容に関しては割愛)
さらに、留学後半に異動したフランスでは、所属研究室の教授から様々なことを教わり、さらに自身が行なってきた研究や成果について議論しました。その結果、博士課程を終了したらフランスでの受入れを確保しておくとの話をいただきました(つまり就職先)。

ついた力

生きる力

メルケル首相による難民受け入れ、それにより悪化する治安。危ない場所にも行きましたし変な目にも遭いかけましたが、色々かわしてきました。生きる力が付いたというか、人間どこでも生きていけるという自信が付いたというか、大抵のことに動じない力がつきました。

今後の展望

現在進めている研究を更に深化させる。そして招かれているフランスの研究所に胸を張っていけるように成果を積み重ねる。
海外での研究室の雰囲気や海外での生き方を留学からかなり学べたので今後も変わらず世界規模での研究の”世界”で生きて行きたいと思う。

留学スケジュール

2015年
5月~
2016年
4月

ドイツ・フランス(フランクフルト、カーン)

頭足類に対して行動実験・解析・議論を行なった。結果は国際学会で発表済み(内容の公開は禁則事項)

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

ヨーロッパコウイカ(実験対象)
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

留学するキッカケというのが所属研究室にドイツの研究者が来訪されたことである。彼らの滞在中、海外で研究をしてみたいと伝えると「うちの研究所に来なさい」と言ってくれた。
ドイツ留学は非常に充実したものであったが物語はそれで終わらない。
途中彼らがフランスの研究所に移ることがほぼ確定したので留学計画を変更してフランスに入った。
しかし待てど暮らせど彼らはフランスに来なかった。後日聞いた話によると、フランスの大学で色々あって受入れが最終的に白紙になったという。
フランス留学は有名な頭足類研究者に教わることで充実していた(しかも博士卒業後にフランスにおいでと言ってもらえた)
ところで、事実は小説よりも奇なりで、帰国後色々問題を抱えて進路で悩んでいた最中に、急に「OISTで働くことになった」との連絡がきた。OISTとは沖縄にある研究所である。おめでとうなどと言いながら、進路に悩んでいると告げると「じゃぁOISTで働こう、我々は君を必要としている」と言われた。
結果として現在OISTで研究を行い留学から帰ってきても彼らの下で様々なことを学ぶことが出来ている。
この話のオチとしては、沖縄で偶然出会った彼らとドイツで再会し、その後偶然にも沖縄で再会し今の進路に大きな影響を与えられたという運命論者も驚きの展開を経験していることである。

ドイツの同僚+今もお世話になってる研究者(左2人目右2人目)

ただただ勉強

  • 語学力 : 英語

元より英語は苦手な部類ではなかったがやはり日常会話と研究のディスカッションというと事情が変わってくる。頭では何を言われているかわかっているし、日本語でなら即座に返答できる内容も英語で話せず議論からおいていかれることがよくあって、その度に英語の成績と話すことは全くの別物であることを痛感した。そのため毎日英語を勉強し、自分の言いたいこと(考え事も含めて)を全て英語に翻訳する癖をつけて毎日を過ごした(現在進行系)。
現在も外国人しか居ない研究室にいるため毎日英語を話しているが、継続は力なりを身にしみて感じている。

留学を勧める・勧めない理由

留学を両手放しで勧めることはしない。海外で何かを学びたいという気持ちがあるなら、日本で学べることを学びきってから行くべきである。日本で真面目に勉学に励まない人間が海外に行ったからといって豹変するとは考えづらい。また同じ内容を学ぶのであれば外国語ではなく日本語がいい(あなたが他国の言語でネイティブレベルなら話は別だが)

これから留学へ行く人へのメッセージ

日本人は海外で充分やっていける能力を持っています。外国人にコンプレックスを持つのはやめて同じ人間として中身で勝負をしましょう。治安の悪化している場所などは出来るだけ避けて、危機回避能力を磨いてきてください。極限まで挑戦するところは挑戦して、しっかり逃げるところは逃げて充実した留学生活を楽しんできてください。