留学大図鑑 留学大図鑑

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出身・在学高校:
彦根東高校
出身・在学校:
京都大学
出身・在学学部学科:
文学部
在籍企業・組織:


最終更新日:2021年09月06日 初回執筆日:2021年09月06日

フランスで哲学研究

留学テーマ・分野:
大学院進学(修士号・博士号取得)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • パンテオン=ソルボンヌ大学 哲学科
  • フランス
  • パリ
留学期間:
3年以上
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • (独)日本学生支援機構(JASSO)「海外留学支援制度」 5,180,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
フランス語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

ライプニッツという近代の大哲学者の形而上学と呼ばれる学問を中心に研究し、博士号の取得を目指しました。トビタテではなく学位取得を目的とする奨学金制度を利用して留学しました。3年以上の長期留学と書きましたが、人文系の学問では博士論文の執筆により多くの時間をかけるのが当然とされてきたこともあり、実際にはもっと多くの時間を費やしています。国際的な見地から独自性を認められる研究に仕上げるには、私の研究テーマの場合、未刊行の一次資料や、博士論文を含む各国語で書かれた二次文献の広範な調査が必須でした。そのため、フランスだけでなくドイツにも約一年研究滞在しました。結果として、当初の課題はひとまず達成できたかと思います。

留学の動機

パリに対する憧れのようなものは大学入学以前からありました。パリを選んだ直接の動機は、専門の近い研究者がおり、著名な研究者が集結していたからです。

成果

留学を通してできた活動はここに書ききれないくらいあります。専門分野に限らず、世界各地の優秀な方々とつながることができたことが一番の成果だと感じています。素敵な思い出と同時に、大変な思いをしたことや、つらい経験をしたことも数えきれません。

ついた力

新しい事柄に挑戦する力

研究それ自体も茨道ですが、研究を遂行する研究者としての人生も同じです。フランスとドイツに滞在と書きましたが、同じパターンの前例は見当たらず、大きな賭けと言ってもいいものでした。新しい途を拓く、と言えば楽しそうに見えますが、そこにはいろいろな犠牲が伴うことも身をもって思い知らされています。そんな時に助けてくれる人の大切さを学びました。

今後の展望

大学でアカデミックポストに就き、教育と研究のどちらも頑張りたいと考えています。

留学スケジュール

2015年
9月~
2021年
8月

フランス(パリ)

哲学者らの一次文献を丁寧に読解し、二次文献を広く調査して自分独自の解釈を生み出します。それを学会や研究会で発表して学問的な批判を受けたうえで、論文として広く公開します。留学の最終的な成果は、博士論文の完成と博士号の取得です。欧州の文化や芸術に触れる機会にも恵まれました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

ちょっとした散歩の思い出です。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

一つのエピソード

博士になって指導教授とカフェに行った際、「教授と呼ぶのはもうやめにしてもらえませんか。さもないと博士さんMonsieur le docteurと呼びますよ」と脅されました。

最近の映画で出てきた場所です。

交渉

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

フランスからドイツ、ドイツからフランスへと日本人が研究で特殊な資格で移動する。その際の正確な手続きについては、私自身だけでなく、フランスの行政機関も、ドイツの行政機関もわかっていなかったようです。コロナ禍もあって、余計に複雑になりました。これはダメ、あれもダメと言われ続けながら、交渉し説得して今に至っています。その気力を保つためには、留学の目標を見失わないことが大切でした。

留学前にやっておけばよかったこと

留学中家族や友人に会えなくなります。身近な人たちを大切にしてください。

留学を勧める・勧めない理由

すでに書いたように素晴らしい経験もできますが、嫌なこと・悲しいこと・辛いこともたくさんあると思います。私自身留学しなければ失わなかったものも多々あります。単に留学先の国も研究も嫌いになって帰国することになるケースももしかするとあるでしょう。詳しくは書きませんが、留学には悪い面も良い面もあると思います。合うか合わないかは行ってみないとわかりません。

これから留学へ行く人へのメッセージ

よく言われることですが、留学先では各人に日本代表としての自覚が必要だと思います。日常生活であれ勉強・研究の場であれ、自分次第で日本(人)について判断されることもあり得ます。逆に言えば、例えば西洋哲学という純粋な学問探究を行う場合でも、日本に全く興味のない人たちの態度を変えることに貢献できる可能性に満ち溢れているわけです。学生の皆さんの熱意があれば、きっと多くのことを成し得ると思います。