留学大図鑑

Lena YAMAGUCHI

出身・在学高校:
京都府立西城陽高等学校
出身・在学校:
京都大学
出身・在学学部学科:
人間環境学研究科
在籍企業・組織:

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勉強、食事、生活、おもしろかったことや感動したこと...フランスでのあれこれを思いつくままに書いています。Twitterの更新頻度が一番高いです。Instagramには趣味の料理や景色の写真、noteにはTwitterには書ききれないエッセイじみたものを書いています。

最終更新日:2021年08月19日

文化遺産を活かす持続可能なまちづくりとは

留学テーマ・分野:
大学院進学(修士号・博士号取得)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • リヨン国立建築大学・まちと都市環境専攻
  • フランス
  • リヨン
留学期間:
2年
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • (独)日本学生支援機構(JASSO)「海外留学支援制度」 2,596,000円
  • フランス政府奨学金 1,000,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
フランス語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<DALF C1> 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

2015年9月、国連サミットで2030年までに達成すべき17の『持続可能な発展目標(SDGs)』が採択されました。その目標の1つである『持続可能なまちづくり』において、環境問題や貧困などの社会問題への対応と並び、世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の強化という項目が挙げられています。
一方、フランス語で「継承されるべきものやこと」を意味するpatrimoineという概念は、その意味の多様性や歴史の深さから、文化遺産の保存活用に留まらず、SDGsの掲げる持続可能なまちづくりにも寄与するものであると考えられます。同概念についての知識と技術を社会に還元できるレベルまで高めることを2年間の留学の到達目標とし、1) patrimoineの概念・体系理解、2) 都市計画論や方法論の学修、3) 実践活動という留学計画を立てました。座学を中心に1) 2) で得た知見を、3) でアウトプットするというものです。
1年目を終えた今は、1) 2) の学修を進めている段階です。今後のスケジュールとしては、2年前期で1) 2) を一段落させ、同後期にはアウトプットとしてのインターンシップと論文執筆に専念する予定です。

留学の動機

京都大学時代、文化遺産の価値や保存活用を学修していた時、ユネスコ世界遺産条約のフランス語版原文に記載されていた「patrimoine(英語版ではheritage)」を一言で日本語に訳せないと思ったのがきっかけです。その後、フランスではこの言葉そのものの概念に関する研究がされていることを知り、現地の言葉でpatrimoineについて学ぶことで同分野に関する知見を深めたいと思い、留学をきめました。

成果

現在(2021年8月時点)は留学1年目を終えたところです。都市や文化遺産について多くの新しい知見を得ることができましたが、1年勉強して「より分からなくなった」というのが正直な所感です。これは決してネガティブな意味ではなく、これまでと別の言語で一から勉強することで、都市や文化遺産に関する見方や考え方が広がったためだと考えています。2年目では1年目の学びを整理しつつ、更に見聞を広めていく所存です。

ついた力

「休め」センサー察知力

元々ギリギリまで自分を追い込んでしまうタイプで、日本にいた頃はそれが原因で精神や体調のバランスを崩すこともありました。出国後、新型コロナ拡大による授業のオンライン化や外出規制を経験したり、慣れない環境下でうまくいかなかったりで辛かったのですが、ある時「休むことを罪だと思い込んでいた自分」がその状況を作り出していたことに気付き、意識的に休むようになってから、心身のバランスがとてもよくなりました。

今後の展望

将来は都市計画の実践や研究活動を通して、「地域独自の文化を活かした持続可能都市」づくりに貢献したいです。将来の世代に何を、どのように受け継いでいくべきかを考えながら、文化という視点から私たちの「まち」が「まち」であり続けるために尽力したく考えています。

留学スケジュール

2020年
9月~
2022年
8月

フランス(リヨン)

所属専攻は、座学と実践活動の両方に力を入れていることが特徴です。座学では、都市に関する複眼的思考を養うことを目的として、都市社会学、都市人類学、都市政治学などの授業を履修しています。また、フランスにおける文化・自然遺産の保存活用について「patrimoine」をキーワードに学修しています。具体的には、この言葉そのものの概念と、文化遺産の保存活用の歴史的変遷や、現代社会における課題などを学んでいます。続いて、実践活動は、他専攻の学生らとのプロジェクト型授業、2年後期には長期インターンシップが必修となっています。プロジェクト型授業では、建築学科修士課程の院生とグループになりプロジェクトを進めました。インターン先としては、文化遺産の保存活用に携わる市役所の部署や関連団体を検討しています。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

25,000 円

生活費:月額

50,000 円

一緒に住んでいるマダムのお誕生日祝い
大好きなフランスのまちのマルシェ
リヨン・ソーヌ川沿いにて
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

25,000 円

生活費:月額

50,000 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

「ホストファミリー」との出会いは、留学生活の中で今も、これからも私の一番の宝物です。1回目のフランス留学のときにできたフランス人の親友の家族で、ほとんどフランス語を話せなかった頃から今でも本当に仲良くしていただいています。2回目の留学の時には「私たちはレナの”ホストファミリー”だからね。フランスの実家はここだからいつでも帰っておいで」と言ってくれて、実際ほぼ毎月のように「帰省」しています。家族旅行やクリスマスなどは当たり前のように招待してくれる、本当に貴重な存在です。数年前、一度ホストファザーに「何でそんなに優しくしてくれるの?」と聞いたことがあるのですが、「レナが喜んでくれることが、僕たちにとっての喜びでもあるからだからだよ」と言ってくれて、とても感動したのをよく覚えています。私がフランスで孤独を感じないのは、間違いなくホストファミリーのおかげです。

ホストファミリー家の近所にいるひつじ一家(?)

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

1回目の留学中に出会ったシャティヨン・シュル・シャラロンヌというまちの、市役所職員の方々。留学当時はただただまちの存在だけを知っていて、市役所と連絡を取っていたわけではなかったのですが、帰国後、京都大学で修士論文に係る調査のために市役所にメールでご協力をお願いしたところ、すぐにご快諾くださった方々です。ただの一大学院生である私と何度も面談をしてくださったり、資料をご提供くださったり、お昼ご飯をごちそうになったり、まちの名物や書籍をいただいたりなどなど、本当にお世話になりました。特に、緑化担当局長の方とは現在も仲良くさせてもらっていて、今ではフランスでの大切な私の「友人」の1人です。

シャティヨン・シュル・シャラロンヌの市役所前広場
シャティヨン・シュル・シャラロンヌ「花の橋」
レ・アール。2021年フランスの最も美しいマルシェ第3位

この国のことが、とても好きになった瞬間

2021年6月、1回目の新型コロナワクチンを打ちに行ったときに、会場でたまたまその場にいた地元メディアに密着インタビューされました。いかにも「外国人」な見た目をしていたからかなと思ったのですが、質問内容からそのような態度は一切うかがえず、後日放送を見ても、「日本からの留学生」としてではなく「リヨンの学生」として紹介されていてとてもうれしく思いました。密着インタビューそのものは数十分間の短い出来事ではありましたが、国籍や見た目に関係なく、外国の人としてではなくフランスの人として見てもらえていたことに、フランスの寛大さを感じました。

ワクチン接種会場

「やれることは全部やった!!」が最大の武器

  • 費用 : 奨学金

フランスへの大学院留学を志したころは、京都大学の修士課程に所属していました。当時、JASSO奨学金を借りながら学費を自分で払っていたこと、留学するのに十分な貯金がなかったことから、大学院修了後すぐにフランスへ留学するためには、給付型の奨学金を獲得することが必須条件でした。
応募したのは、JASSO海外留学支援制度とフランス政府奨学金です。両奨学金に共通する書類が留学計画で、これは当時の指導教官に時間をかけてみていただき、何度も何度も推敲しました。フランス政府奨学金の方は、フランス語で執筆する必要があったため、フランス語に訳し、ネイティブの友人に添削指導してもらいました。諸々の書類作成には2か月ほど費やしたと思います。
二次選考(最終選考)はともに面接でした。何分間かのプレゼンテーションやスピーチの時間が設けられているので、そこで話す言葉は全て記憶し、時間通りに話せるよう何度も練習しました。フランス語のプレゼンに関しては、発音、イントネーション、話すときのしぐさや視線もネイティブの友人に徹底的に直してもらいました。限られた時間の中で、いかに自分を印象付けるかを意識しました。その他には、想定質問をかけるだけ書き出すなどしました。「もうこれで受からなかったらどう頑張ったって無理」と思えるまで準備しました。
結果として、もちろん緊張はしましたが、自信をもって面接に臨むことができました。やれることは全てやってきたという自負が、私の背中を押してくれている感覚でした。自分のやり方が必ずしも正しいとは思いませんが、これから奨学金に挑戦される方、ぜひ、「もうこれ以上無理!」と思うまで頑張ってみてください。その経験は、きっとその後の力になってくれます。

リヨン・ルイ14世像。面接の日の私はだいたいこんな感じでした

「失敗」と友達になろう!

  • 語学力 : その他の言語

フランス語は大学の第二外国語として始めました。大学3年目にトビタテ3期生として10か月フランスへ交換留学したのが初めての海外で、それまでは日本語が通じない環境にいた経験が全くありませんでした。はじめの半年間は会話が聞き取れないことも、うまく話せないことも本当に辛くて、でも失敗するのが怖くてふさぎ込んでいました。そのうち夜にストレスで過呼吸をおこすようになって、しまいには大学の授業中に過呼吸を起こして倒れて、救急隊員にタンカで運ばれかけました (幸いにも大学の隣に住んでいたので、友達が家まで運んでくれました)。その時に何かが吹っ切れて、「間違っても何でもいいからとにかく何か話してみよう」という考えになってから、失敗も前ほどは怖くなくなり、フランス語を学ぶ楽しさを取り戻したと記憶しています。実際に話してみると、どんなに拙いフランス語であっても、文法や単語がぐちゃぐちゃでも、変な顔をせずにちゃんと聴いてくれる人の多さに気付きました。
2回目の留学である今でさえ毎日が失敗の連続で、悔しい思いをすることもしばしばですが、間違うことは決して悪いことではないし、誠意をもって話せば割と聴いてもらえることに日々助けられています。
これから留学される方で、語学力が不安な方はとても多いかと思いますが、大丈夫です、なんとかなります。ぜひ、「失敗」と仲良くなってください!

1回目の留学時に撮った、私的「ものすごく元気のでる空と雲」

留学前にやっておけばよかったこと

車の免許&国際免許をとること。こちらでインターンシップを探す際に、(少なくとも私の専攻では)免許を持っているか否かで就労できる場所が限られてしまうとこちらに来てから知り、留学前の時間のある時に教習所に通っておけばよかったなと今更思っています。これから留学される方で、必須のインターンのある方は、少し気にされてもいいかもしれません。

留学を勧める・勧めない理由

私自身が留学によって人生が良い方向に大きく変わった人間なので、「留学してみたい!」という意思が少しでもある方は、ぜひ挑戦してみてほしいなと思います。辛かったり悩んだりすることはもちろんあると思いますが、それも含めて、自分だけのかけがえのない経験をつむことができます。

これから留学へ行く人へのメッセージ

6年前に初めて留学する前は日本から出たことすらなかった私が、今はフランスの大学院で修士号を取ろうとしています。人生本当に何が起こるかわかりません。自分のやりたいことに素直に飛び込んでいったもん勝ちです、留学も、そのうちの1つです。慣れない環境での学生生活で大変な思いをすることもあるかと思いますが、まっすぐに、思う存分、学びを楽しんでください!