留学大図鑑

まるちゃん

出身・在学高校:
日本大学習志野高等学校
出身・在学校:
筑波大学 大学院
出身・在学学部学科:
生命環境科学研究科 国際地縁技術開発科学専攻
在籍企業・組織:
農林水産省 農林水産政策研究所

先輩の近況をリアルタイムでチェック!

西アフリカや北アフリカに留学したい方、留学先で研究作業をメインで行い方には、力になれるかと思います。留学先や滞在先、留学中の研究計画など、質問があればfacebookにメッセージいただければ、対応できます。

西アフリカのコメ自給率向上を目指して!

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • アフリカ稲センター (Africa Rice セネガルサヘル事務所)
  • セネガル
  • サン・ルイ市
留学期間:
2019/09/16 - 2020/10/30
総費用:
3,000,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表プログラム」 1,810,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<TOEIC 700点> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

セネガルでは、食の簡便化の観点から、比較的調理が容易なコメ食が急速に進展しています。しかし、急増するコメ消費の大部分は輸入によって賄われており、国際市場におけるコメ価格が高騰した2008年には、コメの供給不足が深刻化しました。
そのため、国産米の生産強化ならびに消費拡大により自給率を向上させ、食料安全保障を強化する取り組みが急務となっています。
そこで筆者は、セネガルのコメ生産地に近い都市(サン・ルイ市)に滞在し、アフリカ稲センターでのインターンシップ制度を活用して、コメの消費者選好調査や稲作農家の生産及び営農調査を実施し、その調査結果をもとに自給率向上の可能性について評価することを試みました。
現地滞在中には、2019年9月・10月に消費者選好調査、2020年1月から2020年8月にかけて農家調査を実施しました。その結果、消費者は国産米の品質を問題視しており、比較的品質の高い輸入米を好んで消費していることが分かりました。その一方で、消費者には国産志向が根強く定着しており、仮に品質が輸入米と同程度になった場合には、輸入米よりも高い金額を支払ってでも国産米を購入する意思が把握されました。
また、高品質な国産米の生産には、コメ農家の努力だけでなく、精米業者や輸送業者の技術向上も必要不可欠であり、コメのバリューチェーン全体の整備の必要性が農家調査より評価されました。

留学の動機

留学前から、セネガルには渡航経験があり農家調査も実施してきました。しかし、農家の多くが営農記録などをとっておらず、記憶を巡らせながら回答することから、データの信ぴょう性に疑問が残っていました。
そのため、長期での滞在を生かし、毎月末に営農状況を聞き取ることで、記憶が曖昧になる前に正確なデータが収集できるではないかと考え、留学に至りました。

成果

消費者調査を2019年9月・10月に実施し、農家調査に関しても2020年1月から翌年8月の期間で実施しました。
それ以外にも、長期滞在により、播種から収穫、出荷、精米、輸送までの一連の作業を観察することもでき、これらの研究進捗は2019年12月にチュニジアで開催された国際学会内でも発表することができました。

ついた力

対応・柔軟・コミュニティ形成力

滞在中は停電、断水、雨漏りなどトラブルは盛り沢山。しかし、1つ1つ課題を解決する対応力は見についたと感じています。そして、怒らず落ち着いて、常にプランBを考える柔軟性も身についたように思います。
環境や文化が大きく異なる土地で過ごしていくうえで、悩みや心配事を打ち明けられる相手を積極的に見つけることは大切でした。必死だったからこそ、コミュニティ形成力も磨かれたように感じています。

今後の展望

本留学を通して、アフリカ地域のコメ生産・消費に関連する専門官や、食料安全保障について検討を重ねている研究者とのコミュニケーションを形成できたと考えています。
今後は、本コミュニティを存分に生かし、共同研究など研究者の視点から、アフリカ地域の食料需給体制強化に寄与していきたいと考えています。

留学スケジュール

2019年
9月?
2020年
10月

セネガル(サン・ルイ市)

現地滞在中は、2019年9月・10月に消費者選好調査を実施し、各々162件と300人の消費者からコメニーズについて回答を収集しました。結果として、小石やもみ殻などの夾雑物の有無が購買行動に大きく影響しており、ポストハーベスト技術(収穫後の精米・輸送・選別技術)向上の必要性が明確化されました。
一方、生産調査は、2020年1月から2020年8月まで実施され、153件の農家からデータを収集しました。営農記録の信憑性を担保するために、毎月、同一農家に調査を繰り返し、回答を得ました。その結果、市場価格が高く、多くの収益が見込める野菜作に転換する農家が多いことが分かりました。そのため、国内における供給力を強化する上で、国産米の消費拡大により市場強化が急務であることが明らかとなりました。
これらの研究成果は、2019年12月にチュニジアで開催された国際学会内で口頭発表にて発信しました。

費用詳細

学費:納入総額

30,000 円

住居費:月額

60,000 円

生活費:月額

30,000 円

項目:調査費用

800,000 円

稲作農家へのアンケート調査実施のための打ち合わせ
費用詳細

学費:納入総額

30,000 円

住居費:月額

60,000 円

生活費:月額

30,000 円

項目:調査費用

800,000 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

留学先のサン・ルイ市(セネガル)には、スーパーマーケットもなく、日本人も私が渡航した際には一人もいませんでした。そして、公用語であるフランス語も全く話せない状況であった筆者にとって、心細さや寂しさは、言葉では言い表せない程でした。
そんな状況下で、留学先のアフリカ稲センターには共同研究として韓国の研究者が在住しており、その一人が筆者と同年代の男性(Oさん)でした。
このOさんとの出会いがなければ、途中で留学を切り上げていたかもしれません。彼は、アパート探しや買い物に適したお店の紹介、研究所や市役所での諸手続きなど全てをサポートしてくれました。週末には、200kmも離れた首都ダカールまで車を運転し、筆者を連れて行ってくれました。そして、筆者の疲れている顔を見れば、自宅に招待してくれ、韓国料理を沢山振舞ってくれました。Oさんとの出会いは、留学だけでなく、筆者の一生の宝物です!!

韓国料理パーティー

新型コロナウイルスの感染拡大によって緊急帰国: 留学計画の抜本的な変更を余儀なくされる

  • 生活 : 治安・安全

世界的な流行を見せている新型コロナウイルス(COVID-19)は、2月を過ぎるとヨーロッパ諸国からアフリカ地域に広がり始めました。以前から医療体制の脆弱性が危惧されていたアフリカでは、新規感染者が一桁台の時点から、感染防止対策を徹底し始めました。セネガルにおいても同様に、新規の入国を拒否⇒空港封鎖⇒港・陸路の国境封鎖⇒非常事態宣言発令⇒州間移動禁止⇒夜間外出禁止という動きが1カ月程度で起きました。
このような状況下で、我が国外務省も邦人の安全な生活が保障でいないと判断し、可及的速やかな帰国を要請しました。そのため、筆者も留学半ばでの緊急帰国を余儀なくされ、大使館が用意したチャーター便と商用便を乗り継いで何とか帰国しました。セネガル出国日は、
本帰国要請が出てから1週間後であり、継続中の調査の整理・引継ぎやアパートや携帯電話の解約、帰国後の研究の進め方に関する書類作成など様々なことを同時並行で進めました。本期間は、睡眠をまともにとった記憶がありませんが、夜中まで大使館と電話で調整をしながら、帰国準備を進めた経験は、筆者の危機対応能力を高めてくれたと確信しています。
また、帰国後は、トビタテ事務局が特例措置として設けて下さった、「オンライン学修での留学継続」への変更申請に取り組みました。本変更申請にあたっては、帰国前に急ピッチで取り組んだ今後の研究作業の進め方に関する、研究機関との取り決め文書が留学継続の根拠資料として大変役立ちました。

新型コロナウイルスの影響で国産便のほとんどが欠航

留学前にやっておけばよかったこと

後につめていく予定でした。しかし、滞在中は1日が数時間に感じるほど物凄いスピードで終わっていき、調査実施まで本当に余裕のない生活をしていました。留学中は思わぬハプニングも多発します。滞在中の時間を有効活用するためにも、ぜひ渡航前に受入先の研究者等と綿密な打ち合わせをしてください。

留学を勧める・勧めない理由

留学中は、右も左も分からない環境で試行錯誤の連続です。そのため、研究留学という観点では、時間の過ごし方が非効率的であると感じることも多々あり、もしかすると日本で研究を進めた方が有意義かもしれません。
しかし、研究留学といっても留学から得られることは、研究成果以外にも、全ての経験が含まれます。人間としての成長という広い視野に立った時に、留学を勧めない理由は皆無だと思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学をしたい考えることは多々ある一方で、具現化するためには、VISAの取得や留学先との調整作業など多くの壁を乗り越えなくてはいけません。しかし、留学後には、どんな苦労も吹き飛ぶほど、「いってよかったなぁ」と思えるはずです。思えなくても、必ず一生の思い出になります!!その重い腰を上げて、飛び立ってみてください。そして、留学経験を一緒に語り合いましょう!!