留学大図鑑 留学大図鑑

田中 源

出身・在学高校:
山口県立山口高等学校
出身・在学校:
島根大学
出身・在学学部学科:
教育学部学校教育課程Ⅱ類音楽教育専攻
在籍企業・組織:


最終更新日:2021年05月18日 初回執筆日:2021年05月18日

音楽教育の視点からフランス音楽留学

留学テーマ・分野:
専門留学(スポーツ、芸術、調理、技術等)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ストラスブール音楽院
  • フランス
  • ストラスブール
留学期間:
10か月
総費用:
2,000,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 2,450,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
フランス語 挨拶など基本的な会話ができるレベル 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル

留学内容

フランスの音楽教育の仕組みを学ぶため、ストラスブールという都市の音楽院に入学し、一年間通いました。
この「音楽院」という名称は正式にはコンセヴァトワールと呼ばれ、いわゆる日本の音楽大学の修士課程とは全く別のものです。どちらかというと専門学校に近い形ですが、子どもから大人まで幅広い年齢の人がここで音楽を学んでいます。この日本とは違う教育のシステムを知るため、自身も音楽院の学生の一人として授業を受けながら、授業観察やインタビューを通して調査をしました。

留学の動機

大学に入学したころから漠然とどこか海外に行ってみたいという気持ちがあり、自分の専門である音楽教育と絡めて留学することを決めました。元々フランス音楽が好きで、ぜひ本場に行って現地の文化や自然を体験したいと思って、行き先を決めました。

成果

音楽院の課程だけでなく、フランス式のソルフェージュや教育法なども知ることができました。フランス語も上達し、現地で多くの友人ができたことも大きな成果です。
留学予定期間を半分過ぎたあたりでコロナウイルスの影響で外出禁止令が発令されたため、後半の5か月間のほとんどは自宅で過ごしました。

ついた力

物事を広い視野で捉える力

留学中に起きた様々な困難を乗り越えながら、目の前のことをがむしゃらにやるのではなく、一歩引いて自信を俯瞰して観察する力が身につきました。

今後の展望

留学をして、改めてフランスで音楽と真摯に向き合い、専門的な勉強を続けたいと感じました。将来的には、日本とフランスだけでなく世界を舞台に音楽家として活動し、音楽の良さを伝えていきたいと考えています。

留学スケジュール

2019年
8月~
2020年
7月

フランス(ストラスブール)

ストラスブール音楽院の学生として通いながら、行われている授業の様子や、学校内の課程などのシステムについて調査した。具体的にはソルフェージュや教育学、クラリネットの個人レッスンなどの授業を受けた。

費用詳細

学費:納入総額

60,000 円

住居費:月額

45,000 円

生活費:月額

15,000 円

街の中心にそびえ立つ大聖堂(コロナ禍)
オーケストラのコンサートホール
旅行で行ったベル・イルにて
費用詳細

学費:納入総額

60,000 円

住居費:月額

45,000 円

生活費:月額

15,000 円

スペシャルエピソード

印象に残った出来事

私はクラリネットを専門にやっているのですが、ストラスブールのクラリネット吹きが子供から大人まで60人以上集まるイベントに参加しました。一緒にアンサンブルをしたり、子どもたちの劇を鑑賞したり、クラリネットを通じて多くの人とつながることができました。
その中の一幕で私がクラリネットソロを務める曲があり、とても良い経験になりました。たくさんの優秀な学生たちの前で私が一人で演奏するのは不安でしたが、終演後にお客さんに「Très bien ! Bravo!」と言われて幸福感と達成感で心がいっぱいになりました。

リハーサルの様子。真ん中が僕です。

フランス語の壁

  • 語学力 : その他の言語

多くの留学生が同じことを言っているはずなので、僕がここに改めて書く必要もないとも思いました。それでもやっぱり大事だと思うので書きます。言語は早めにやっておくに越したことはありません。
僕が留学前に情報収集していた時も、まるで留学生全員が裏で打ち合わせているかの如くどのサイトにも「早めに勉強しろ」と書いてありました。
それを知っていながら真面目に取り組まなかった僕が100%悪いのは誰が見ても明らかです。完全に言語を甘く見ていました。というのも、留学を終えて日本に帰国してきた友人たちが流暢に外国語を話していたからです。その時から、「海外に行ったら周りの環境と友人でどうにかこうにかなってスグに話せるようになるんだ!」という幻想を抱き始めました。悲劇の始まりです。
今はっきりと言えるのは、外国語を話せるようになって帰ってくるあの人たちは、我々が見てないところで血のにじむような努力をしていたのだということです。(もちろんそれが苦にならない方もいるでしょうが、、、)
留学開始から一か月、僕はようやくこの事実に気づきます。そこからはまるで大学受験一週間前の受験生のように朝から晩までフランス語を勉強しました。元々言語系が苦手だったのでかなり苦労をしましたが、約半年で日常会話には困らなくなりました。(そしてその後街がロックダウンになり、どんどん話せなくなりました、、、)

もう一度、当たり前のことを言いますが、言語は早めにやっておくのが良いと思います。(特に英語圏以外の人!!!)

留学前にやっておけばよかったこと

言語です。「課題とその解決方法」の欄に詳しく書きました。

留学を勧める・勧めない理由

少なくとも現在留学ができる環境にいる人は、留学しない理由はないと思います。現地の空気や文化に触れ、新しいことを知ることはその人の財産となり、いつか必ず役に立つからです。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学中と前後、人種や国籍に関わらず多くの人に助けられる機会があります。人によっては助けられすぎて感覚が麻痺してしまうほどです。それでも、絶対に感謝の気持ちを忘れないことです。そして、できるだけ言葉や態度に表して相手に気持ちを伝えることです。