留学大図鑑

ゆかえむ

出身・在学高校:
私立奈良学園高等学校
出身・在学校:
京都大学
出身・在学学部学科:
農学部食品生物科学科
在籍企業・組織:
検査機器開発・販売

台湾で新しい認知症診断ツールの開発に挑戦

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • 国立台湾大学, College of Bio-Resources and Agriculture, Institute of Biotechnology
  • 台湾
  • 台北
留学期間:
1年間
総費用:
1,300,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表プログラム」 1,320,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<IELTS6.0 TOEIC920> 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

京都大学で研究していたアルツハイマー病の研究を深めるために留学しました。京都大学ではin vitroとよばれる人工的な条件下での実験により、アルツハイマー病の原因タンパク質の研究をしていました。台湾では、その研究から得られた抗体が実際に診断に使えるかどうかを、モデル動物や細胞を使ってより生体に近い条件で評価する方法について研究しました。1年間で幅広い実験手法を学ばせていただきました。アルツハイマー病研究と並行して、パーキンソン病認知症の診断法開発に向けた研究もしました。京都大学で所属していた研究室とは分野の異なる研究室での研究だったため、実験技術を習得するのに苦労し、研究室の人にたくさん助けていただきました。研究はなかなか思うようにはいかず、たくさんの論文を調べ、特に留学後半はひたすら実験していました。得られた結果は修士論文にまとめました。
研究に必要な分子生物学に関する知識を深めるため、研究と並行して、講義も受講しました。私の在籍していたInstitute of Biotechnologyでは授業はほぼ全て英語で行われていたため、中国語ができなくても授業の選択肢はたくさんありました。印象的だったのはプレゼンの多さで、どの授業も最低1回はプレゼンする機会があり、1年中スライドの作成に追われていたように思います。英語でプレゼンをする力が鍛えられました。

留学の動機

もともと海外留学には高校生の頃から憧れて、大学卒業までに絶対に行くと決めていました。ただ授業を受けたり語学を勉強するのでは受け身になってしまいそうだったので、現地の研究室に所属して研究がしたいという思いと、少し高い目標があった方が成長できそうだという考えから、台湾大学の修士号を取得できるダブルディグリープログラムで留学しました。

成果

1年間の研究成果は修士論文としてまとめ、国立台湾大学の修士号を取得しました。また、台湾の学会に参加しポスター発表をしました。研究はなかなかうまく進まず、ひたすら論文を調べ、他のメンバーと議論しながら試行錯誤しました。そのおかげで、自ら情報収集し考える力や英語で議論する力が鍛えられました。さらに、京都大学での研究室とは分野の異なる研究室で研究したことで、研究する上での視野が大きく広がりました。

ついた力

異文化コミュニケーション力

言語も文化も異なる人とのコミュニケーション能力がつきました。留学先では台湾人だけでなく、ロシア人やマレーシア人など色々な国の人と友達になりました。また、同じ台湾人でも、外国語が苦手な人、英語が得意な人、日本語が得意な人などいろいろな人がいました。そのような環境で、日常的に英語、中国語、日本語の3ヶ国語を使って生活したことで、相手の言語や文化的背景に合わせて、柔軟に対応する力が身につきました。

今後の展望

今後は台湾の大学で学んだ遺伝子や分子生物学の知識を活かして、医療系の企業で遺伝子関連の検査の開発に取り組みます。将来的には、日本だけでなく、世界中の研究者と協力しながら、医療の発展に貢献できるような研究開発をしていきたいです。

留学スケジュール

2019年
9月?
2020年
9月

台湾(台北)

京都大学大学院農学研究科のダブルディグリープログラムにより、国立台湾大学のInstitute of Biotechnologyに1年間留学し、認知症の研究と講義の授業、修士論文執筆によって修士号を取得しました。留学中は寮生活をし、研究に打ち込みながらも中国語の学習や課外活動をしたり、寮の友達と遊んだりと精力的に活動しました。台湾は外食文化だったので基本的にずっと外食で、ほぼ毎日研究室のメンバーと昼ごはんと晩ごはんを一緒に食べていました。

費用詳細

学費:納入総額

520,000 円

住居費:月額

10,000 円

生活費:月額

40,000 円

台湾大学の卒業式
費用詳細

学費:納入総額

520,000 円

住居費:月額

10,000 円

生活費:月額

40,000 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

台湾大学で、課外活動としてICLというプログラムに参加しました。これは、台湾各地の小学生や中学生と台湾大学の留学生が毎週スカイプを通じて交流するプログラムで、台湾大学の学生がパートナーとしてつき、通訳などを手伝ってくれます。日本の四季折々のイベントについて紹介したり、パソコンのカメラの前で簡単なお味噌汁を作ってみせたり、あやとりを教えたりしました。特にあやとりは子どもたちが夢中になって取り組んでくれただけでなく、パートナーだった台湾大学の友達もとても楽しんでくれました。このプログラムにはスタディトリップが含まれていて、私は担当していた澎湖の小学校を訪問しました。スカイプ越しに交流していた子どもたちと対面し、一緒に工作をしたり観光したりしました。また澎湖諸島はとても美しい場所で、綺麗な海と自然を満喫しました。日本統治時代の灯台や、それよりも古い時代の沖縄との文化的交流の痕跡などにも触れることができました。日本の文化を紹介しつつ、なかなか知ることのできない台湾の小中学生の暮らしや、台湾の歴史・文化を知ることのできる貴重な体験でした。このプログラムで一緒に澎湖へ行った友達とはとても仲良くなることができ、留学中を通じてときどき一緒にご飯を食べたり遊びに行ったりしていました。

澎湖の小学校の子どもたちと

早めの情報収集となんとかなる精神

  • 帰国後の進路 : 就職(企業)

大学院卒業の1年半前から半年前という、ちょうど就職活動に重なる時期に留学へ行くため、卒業後就職を希望していた私は就職活動に不安を抱えていました。留学に行くまでに1年半ほど時間があったので、通年採用している企業や海外にいる学生に柔軟に対応してくれる企業、留学生向けのキャリアフォーラムなどについて、先輩に聞いたりネットで調べたりして情報収集を行いました。またエントリーシートの書き方やSPI、面接に慣れておくために、1年早い時期からインターンシップ選考に積極的に応募しました。選考には落ちまくってしまい焦りましたが、ある程度就職活動に慣れておくことができたおかげか、次の年はある企業の夏の早期インターンシップに参加することができました。留学直前でしたがそのインターンシップに参加したことで、最終的にインターン先の企業から内定をいただくことができました。スケジュール的に厳しくても諦めなかったことと、早めに情報収集したことで、就職活動と留学を両立させることができたと思います。

留学前にやっておけばよかったこと

研究計画についてもっと具体的に考えておけばよかったです。大体の方向性をもとに研究に関係しそうな論文や先行研究を読んではいましたが、実際何をするのか具体的なイメージが固まらないまま読んでもあまり意味がなかったように思います。留学先で実験計画を立て始めたときにとても苦労しました。留学前に一度実際に実験計画まで踏み込んだ研究計画を作成してみればよかったと思いました。

留学を勧める・勧めない理由

留学に行きたいという気持ちが少しでもあれば是非挑戦してほしいです。海外で実際に暮らしてみると、日本では当たり前のことが当たり前でなかったりします。例えば日本にいるとほとんどの人が日本語を話すのが当たり前ですが、海外では一つの国でも日常的に複数の言語が存在することの方が当たり前だったりします。留学に行き、常識が常識でなくなる経験をすることは視野を大きく広げてくれると思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

台湾大学に留学した1年間は、私の大学生活の中で特に大きく成長できた1年間でした。就職活動のことなど、不安はたくさんありましたが、挑戦して本当に良かったです。留学の意味は人それぞれですが、飛び込めばきっと何か得られるものがあると思います。うまくいった経験は自信になり、失敗して落ち込んだ経験は成長の糧になります。真剣に取り組む限り、無駄な経験なんてないです。頑張ってください!