留学大図鑑 留学大図鑑

妹尾 歩

出身・在学高校:
京都府立園部高等学校
出身・在学校:
京都大学
出身・在学学部学科:
理学部
在籍企業・組織:


最終更新日:2021年05月12日 初回執筆日:2021年05月12日

世界で活躍する実験物理学者への第一歩!

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ワシントン大学
  • アメリカ合衆国
  • シアトル
留学期間:
6ヶ月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,210,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<TOEFL ibt 94点> 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル<TOEFL ibt 97点>

留学内容

ワシントン大学では日本では行うことのできない次の3つの経験をしました。

(1)海外の研究室で学部研究生として研究経験を積む。
私の専門分野の冷却原子気体の研究室で、研究を行いました。基本的には教授に与えられた課題を解決するのと、週一回のラボミーティングに参加して発表したりするということを行いました。ラボメンバーはみんないい人たちで、息抜きに話すのが楽しみでした。

(2)上回生向けの実験の授業をとる。
日本の私の学部ではこのような上回生レベルの実験授業があまり整備されていませんでした。また毎週、グループで協力してレポートを出さなければならないので、コミュニケーション面でもすごく勉強になりました。(一人で出してもいいのですが、量が多すぎるので自然と協力せざるを得なくなります。。笑)

(3)アメリカの大学院の授業を取る。
アメリカの専門教育は日本と違い、大学よりも大学院の授業の方がメインであるという傾向があります。したがって、日本で物理の専門教育を受けた後だった私は自然に大学院の授業に入っていくことができました。授業が英語であるという以外はそれほど日本との違いを感じた部分はありません。

留学の動機

小さい頃から科学者に憧れていた私は、大学で一流の物理学者となりたいと思うようになりました。そしてそのためになるべく早い段階で海外に出て行きたいという思いがありました。アメリカを選んだのは、私が専門にしたいと考えていた量子技術の研究の中心だと思ったからです。将来的な大学院留学を見据えつつ、自分の腕試し、あるいはお試し期間というつもりで今回の半年間の留学に挑みました。

成果

当初計画していたこと、あるいはそれ以上の成果があったと感じています。研究でもある程度の成果を出すことができ、授業もどれも好成績で修めることができました。

ついた力

調べ、学ぶ力

自分の学びたいこと、学ぶ必要があることは自分で決める!そして、どんどん学ぶ!という姿勢が身についた。

今後の展望

この経験を生かして、アメリカの大学院に進学し、研究者としての第一歩を踏み出したいと思います。

留学スケジュール

2019年
9月~
2020年
3月

アメリカ合衆国(シアトル)

学術面では以下のことを行いました。(上記留学内容の項も参照)
(1)冷却原子気体の研究室である。グプタ研究室で学生研究を行った。
(2)光学の実験の授業をとり、グループで毎週レポートを仕上げた。
(3)原子核入門などの学部の授業とともに、固体物理、非線形光学などの大学院の授業をとった。

生活面では、短期ホームステイ先のホストファミリーや、ルームメイト、研究室の院生、授業が同じ友達、日本人友達、ジムで会った友達など、たくさんの素晴らしい友人に恵まれて充実し安定した日々を送ることができました。生活面の安定があってこその学術だと思います。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

シアトル市街地の景色を見ながらのランニングが息抜きだった。
研究室ではレーザーの周波数安定化装置の開発に取り組んだ。
ニカラグアからの留学生のルームメイトと毎日晩御飯を作った。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

ジョンとノーリーンの夫婦とは、大学の短期ホームステイのマッチング制度で出会いました。初めは寮が開くまでの数週間だけ泊まる予定でしたが、彼らが毎朝大学近くのカフェにいくことから、そこで学期中も毎朝会うようになりました。感謝祭のディナーにも招待してもらい、クリスマス休暇にはまるで実家に帰るように彼らの家に泊まらせてもらうことになりました。大学病院で働く科学者のジョンと、音楽好きのノーリーンの暮らしぶりに触れることで、幸せな生き方について考えるきっかけになりました。コロナで今は会えないですが、これからも大切にしたい繋がりです。

皆さんもホームステイなど、とりあえずなんでも応募してみてはいかがでしょうか?思いがけない出会いが待っているかもしれません。

ジョンとノーリーンと共に
早めの夕食後にドライブに行くのが彼らの日課

学部生でアメリカの大学で研究を行う方法

  • 留学先探し : インターンシップ

学部生でアメリカの大学の研究室で研究したい時、とにかくめげずにアタックし続けることが大切だと思います。教授は多忙です。メールを見落としたり無視したりするのはよくあることですので、返信が来ないことに焦らず何度も(策を巡らしつつ)メールを送ってみましょう。ここでは僕の学生研究先の決定までを時系列で載せておきます。参考になれば幸いです。
<留学8ヶ月前>京大内で正式に交換留学先が決定すると同時に、希望研究室の教授にメールをしてみた。(×2回)→返事なし。
<留学4ヶ月前>ワシントン大学から正式に交換留学生として受け入れるという通知があったのと合わせて、もう一度先程の教授にメールする。(×2)この時には日本の指導教官の名前を入れた。→一度Skypeしようというメールが来てSkypeする。ビザ書類が到着してからもう一度Skypeする約束をする。
<留学3ヶ月前>ビザ書類が来た旨を報告するメール(×2)⇨もう一度Skypeする。受け入れてもらえそうだとわかる。具体的な話もする。
<留学>ワシントン大学の学生研究の授業を活用することで、J1ビザに必要な単位の半分を研究で取ることができるようにした。

一見システム上取れなさそうな授業をとる方法

  • 留学先探し : 大学

私は学部交換留学生でしたが、大学院の授業や現地の卒業研究に相当するような授業、またプレリクイジット(取っとかないといけない科目)を満たしていない授業を履修しました。これらの授業は、大学の履修登録システム的には履修不可能に見えます。しかし、その授業担当の学部の教務に直接メールをすれば意外と履修可能ということがあるのです。例えば、私が大学院の授業を取った時は、学部の教務に取りたいとメールすると、「担当教授がいいならいいよ」という返事が来ました。その後その教授に自分の日本での履修科目などの説明を送ることで、無事に履修することができました。上回生向けの実験の授業を取ったときは、上回生優先だからとれるかわからないと言われつつ、ウェイティングリストに名前を乗せてもらった結果、履修することができました。何か取りたい授業があるならばなるべく早い段階でとりあえず教務に尋ねてみるのが最善かもしれません。
 

大学院の固体物理の授業

留学前にやっておけばよかったこと

英語はうまいに越したことはないと思いますし、うまいほどより高度な会話ができて楽しいと思います。留学前までにできるだけ上手くなるのがいいと思います。しかし、最低限聞き取り、話せるならばあとは気合で乗り切れる部分もありますし、そのうち上手くなっていくという面もあります。

これから留学へ行く人へのメッセージ

奨学金、保険、ビザと留学準備はやることが盛りだくさんかもしれませんが、それ自体が社会勉強だと思って楽しんで乗り切って欲しいです。そして、留学期間にはとにかく積極的に行動し、あなただけの留学を作り上げてください。これらの経験はあなたを必ず成長させてくれるはずです。