留学大図鑑 留学大図鑑

げんじ

出身・在学高校:
大阪府立天王寺高等学校
出身・在学校:
京都大学
出身・在学学部学科:
総合人間学部
在籍企業・組織:


最終更新日:2020年10月28日 初回執筆日:2020年10月28日

豊富な視点を持ってパレスチナに立つために

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ヘブライ大学 Rothberg International、日本国際ボランティアセンター エルサレム事務所
  • イスラエル・パレスチナ
  • エルサレム
留学期間:
7ヶ月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,670,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

日本での大学を半年間休学して、前半はイスラエルのヘブライ大学でパレスチナ問題やイスラエルの社会システムを学び、後半はパレスチナ現地で事業を行う日本のNGO団体JVCエルサレム事務所にインターンとして参加しました。イスラエル側からパレスチナ問題を捉え直すという当初の目的を超え、ヘブライ大学在学中だけでなく留学期間全体を通して実に様々な立場や考え方に出会い、パレスチナ問題に対する視野の広さと深さの両方を大きく拡げることができました。最後の2ヶ月ほどは新型コロナウイルスの影響や私自身の入院・手術など多くの苦労にも見舞われましたが、同時にそれらを通してイスラエルやパレスチナ社会の新たな側面や内なる問題を垣間見ることにもなりました。

留学の動機

大学でパレスチナ問題を勉強し、占領の実態を学びながら、イスラエルという国家のモチベーションの核心がなかなか見えてこないことに、ずっとフラストレーションを抱えていました。今後パレスチナ現地に関わっていく上で、イスラエル側に立つのではなく、イスラエルの内部から問題を捉え直す経験が絶対に必要だと思い、パレスチナではなくイスラエルの大学への留学を決意しました。

成果

シオニズムの核心を捉えようとエルサレムへ飛び立ちましたが、実際に目の当たりにしたのはシオニズムとイスラエル社会の予想以上の複雑さで、結局新たな疑問と課題が大量に残る結果となりました。それでも、ヘブライ大学で学んだ国際的な議論や、留学中の様々な視点や考え方との出会いを通して、問題そのものに対する視野が大きく拡がり、その上で自分自身の立場を位置付け直せたことは、大きな成果だったと思っています。

ついた力

一度受け止め消化する力

パレスチナでのイスラエルによる占領の実態を日本で勉強していた私にとって、イスラエルでユダヤ人学生と共に過ごし、シオニズムを支持する人々に話を聞くこと自体が、はじめは大きな試練でした。留学中に様々な立場の人々と交流する中で、自分の意見と違ったり倫理的に許容できないと感じる相手でも、一度正面から向き合い、耳を傾け、理解しようとする耐性と技術が少しずつ身についていきました。

今後の展望

まだ学び足りないことが数多くあるのと、現地でのインターンシップ中に多くの援助関係者の方と知り合い、今後どんな方法でパレスチナに関わるにせよ少なくとも修士の学位はないと話にならないと感じたため、中東の人文学系に強いイギリスの大学院などに進学を考えています。その中でパレスチナとイスラエルへの理解を深め、より納得のいく関わり方を探っていくつもりです。

留学スケジュール

2019年
9月~
2020年
2月

イスラエル・パレスチナ(エルサレム)

ヘブライ大学のRothberg International Courseにて、主にアメリカ、ヨーロッパからの留学生とともに、イスラエルー周辺アラブ諸国紛争の歴史、イスラエル国内の社会問題、イスラエルの音楽の歴史から見るイスラエルの大衆史・政治史に関する演習講義を受講。また学内の留学生と在学パレスチナ人学生との相互言語学習プログラムにより、パレスチナ人やイスラエルユダヤ人の学生とも関わる機会が多くありました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

ヘブライ大学のキャンパス エルサレムの街を見下ろす山の上から
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2020年
1月~
2020年
3月

パレスチナ(エルサレム)

JVC(日本国際ボランティアセンター)エルサレム事務所にて無給インターンシップ。現地駐在員の方の業務補助として、日常業務の事務補助、現地の年次事業及びイベントのサポート、取材や会議への出席等を通して、現地の人々の目線での占領やパレスチナの生活の実情を経験し、諸援助団体の活動や課題を学びました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

エルサレム旧市街の入り口、ダマスカスゲート
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

不思議で魅力的な人々

「ユダヤ国家」であるイスラエルには、国民の半数以上を占める「世俗派」ユダヤ人の他に、「正統派」、そして「超正統派」とよばれるユダヤの人々がいます。彼らは独特の髪型に年中真っ黒のロングコートと大きなつばのハットを身につけ、インターネットを拒絶し、数々の厳格な慣習に従って生活しています。留学中、金曜日の「シャバット」の夜に電気機器の一切を操作できない正統派の住人に路上で呼び止められ、「家の冷蔵庫の扉を開けてほしい」とか「エアコンのスイッチを消してほしい」と頼まれたことが何度かありました。また、3月に新型コロナの影響がイスラエルでも出始めたころ、ある日路上で正統派の男性に声を掛けられ、新型コロナに関するユダヤ正統派の宗教的見解と祈りか綴られた日本語のコピーを手渡されるということもありました。
経済や健康状態、閉鎖的な社会など、様々な問題も抱える正統派の人々ですが、なかなか接点を持てない彼らと何度か交流ができ、彼らには世界がどんな風に見えているのだろうと、その生活と世界観にますます魅了されてしまいました。

ユダヤ超正統派を描いたドラマ Unorthodox

帰宅後の時間も有意義にする、「ホステル」という選択肢

  • 住まい探し : 一人暮らし

ヘブライ大学でのコースを終えてからインターンシップをしていた3ヶ月間、大学の学生寮を出て、新たな住まいを探さなければいけませんでした。アパートを借りる、友人の家にホームステイさせてもらうなど、様々な選択肢があった中で、僕が選んだのが「ホステルを転々とする」です。特にエルサレムの街には良質なホステルがたくさんあり、アパートを一人分借りるのと料金はあまり変わらない上に大抵の場合朝食が提供されるので、僕は3ヵ月の間、街の色々なホステルを2週間ごとに移りながら暮らしていました。
金銭的な面以外に、ホステルに泊まる最大のメリットは、他の宿泊客やスタッフ、ホステル内のバーなどに来る現地の人々と交流ができること。同じ部屋になったり、バーや食堂でのイベントで声をかけたりかけられたりと、実際に僕も色々な人と交流ができ、時には思いもかけない人物と知り合うこともありました。
パーソナルな時間・空間が必要という人は少し疲れるかもしれませんが、多くのホステルは女性専用の部屋などもあり、留学体験をさらにもう一歩充実させたいという人にはホステルに泊まるということも選択肢のひとつだと思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学に飛び立つ前に、留学する先の分野、土地、人々について、日本で学べる限りのことをできるだけ学んでおいてください。それが実際に合っているかどうかに関わらず、事前により多くの、より詳細な知識を持っていた方が、現地で同じ体験をしても、その体験の「深み」が変わってきます。留学は誰にとっても刺激的で、価値があり、新たな学びを与えてくれるものですが、その受容体である「自分」が最高の状態で留学に臨みましょう。