留学大図鑑

佐野加苗

出身・在学高校:
小山工業高等専門学校 物質工学科
出身・在学校:
群馬大学大学院
出身・在学学部学科:
理工学府 物質・生命理工学専攻
在籍企業・組織:

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最終更新日:2020年11月16日

糖をつなげる合成研究から広がった世界観

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • カンタベリー大学
  • ニュージーランド
  • クライストチャーチ
留学期間:
7ヶ月
総費用:
1,200,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表プログラム」 1,040,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 挨拶など基本的な会話ができるレベル 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル

留学内容

ニュージーランド カンタベリー大学の研究室にて、細胞表面などで様々な生命分子と相互作用する「グルコースなどの糖と糖をつなぎ合わせた分子=糖鎖」を合成する研究を行いました。日々、在籍する研究者たちと実験に励み、一週間に一度、受入教員と研究生全員で報告会を行いました。金曜日の夜、大学内の学生や研究者とビール片手に交流し、彼らの論破力や計画性の高さ、そして「HAPPY」に生きることを大切にする姿勢を学び、自らを振り返ることとなりました。研究だけでなく、多国籍なルームメイト達と手作りの日本料理を共有することで、日本の魅力を発信しました。

留学の動機

留学前、糖鎖に関する国際学会に参加し、研究成果を発表することがありました。その会場で、同世代ぐらいの発表者が研究成果を堂々とアピールしたり、著名な先生に自らを売り込んでいたりする姿を見ました。その際私は、彼らのような研究者としての価値観を学び、世界に通用するコミュニケーション力を身に付けたいと思いました。そのための手段として、日本以外のグローバルな研究環境に身を置くべきと感じたのが留学の動機です。

成果

生体内に存在する糖鎖構造を組み上げるため、必要な糖鎖の原料を十分量合成しました。実験が順調に進んでいる中、コロナウイルスの感染拡大により突如都市閉鎖が起こりました。学校再開の目処が立たず、留学を中止したため、論文のような形式のある成果を挙げられなかったのが残念です。ですが、留学を通じ、物怖じせずに自分の意見を伝えられるようになり、世界に通用する研究者としてステップアップできました。

ついた力

想定して事前準備する力

なんとかなるさ精神で生きてきた私ですが、留学を経験し、用意周到になったと思います。日常生活、研究ゼミ、ニュージーランド国内旅において、出会う人との時間を充実させるため、事前に準備するべきことを深く考え、できることは前もってやり尽くすようになりました。

今後の展望

学位を取得後、ポストドクターとして活動する予定です。
留学で成長できた点を確かめる機会として、国外の学会に参加することを望んでいます(オンライン形式ではなく)。とはいえ、まずはパンデミックの終了宣言を待ちつつ、日々の研究を継続して進めていきたいと思っております。

留学スケジュール

2019年
11月~
2020年
5月

ニュージーランド(クライストチャーチ)

月曜日から土曜日の間、カンタベリー大学の研究室にて、自分の研究テーマを遂行する上で必要な糖鎖の有機合成反応、精製操作などの実験を行いました。在籍研究室が必要としていた複雑な構造の糖鎖を、天然の試料から抽出する実験にも挑戦し、在籍研究室の研究の進展に貢献しようと試みました。毎週金曜日に研究室のメンバー全員・受け入れ教員とでゼミを行い、研究の進捗状況について情報共有しました。週末には大学内の博士課程研究者もしくはフラットメイトと交流し、研究のお話から日本文化など、様々なことを語り合いました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

70,000 円

生活費:月額

40,000 円

ニュージーランドの広大な風景
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

70,000 円

生活費:月額

40,000 円

スペシャルエピソード

二度と忘れない、コロナ下での帰国の道のり

パンデミックの最中、無事に帰国することが留学中の最も大きな試練でした。当時、NZから日本への直行便はなく、NZからシドニーに飛び、シドニー発のJAL便に乗ることが唯一の現実的な帰国手段でした。その際、NZからオーストラリアへの入国制限や検疫を免除するなどの特殊申請をする必要があり、承認を受けられなければ飛行機に乗ることができませんでした。幸いにも渡航予定日の二日前に、全ての申請が承認されました。しかし、日ごとに渡航のルールが変わっていたため、本当にその日に渡航できるのかは運次第でした。私は運良く予定通りに渡航できました。それから、シドニーに到着した際、私は羽田行きの便に乗るまで26時間待機する時間があり、その間は政府指定のホテルに待機するのだと書類に記載されていました。空港ではどこで私が回収されるのか分からず、いろんな空港スタッフの人に聞いて回りました。無事にシドニーの警察やArmyに導かれ、24時間監視のもと快適なホテルで過ごしました。JAL便出発前に警察の護送車(運転手と後部座席を隔てるアクリル板装備)でシドニー空港まで送ってもらい、無事にJAL便で帰国することができました。以上の経験を通じて、できるだけのことは準備しきる力・困った時の情報収集力など、自分の成長を感じました。最後に、手厚く対応してくれたオーストラリア政府の皆様、空港従業員の皆さま、ありがとうございました。

シドニー空港内の静かな待合場所

準備は積極的に。

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

ビザの申請はかなり余裕をもって、どんどん進めるべきだと思います。
私は当初、何の種類のビザを申請すれば良いのか分からず、移民局のHPをダラダラと調べたり、質問した人の回答を受け身で待っていたりして、気づけば1-2ヶ月程度経過していました。結局、留学計画を変更して関係者の方々にご迷惑をかけてしまいました。最終的にはニュージーランドの移民局の方にメールを送り、ベストなビザの種類を教えてもらい、無事にビザを取得できました。
国や留学の目的によって、申請するビザの種類が変わります。頼れる人は頼り、使えるものは使う積極性をもちながらも、結局は自分だけでなんとかする姿勢で進めるべきだと思います。

留学前にやっておけばよかったこと

英会話レッスンなどを受講し、耳慣れすることは必要だと思いました。

留学を勧める・勧めない理由

留学をお勧めします。コロナウイルスで世界情勢が大きく変わり、人とのコミュニケーションがオンラインで済む便利な世の中に変わっていますが、現地に行くからこそ出会える人・経験できることがたくさんあります。世界に向けて「自分の足でトビタツ」ことを、ご自身の大きな成長の機会だと捉えて欲しいなと思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

日本で窮屈さを感じる人、異文化を知りたい人、自分の専門で新たな気づきを得たい人等々、自分の世界観に疑問を感じることがあればぜひ挑戦してください。