留学大図鑑 留学大図鑑

かな

出身・在学高校:
広島女学院高等学校
出身・在学校:
立教大学大学院
出身・在学学部学科:
異文化コミュニケーション研究科
在籍企業・組織:
海外の日本語学校


最終更新日:2020年10月09日 初回執筆日:2020年10月09日

学習障害を抱える日本語学習者への漢字教育

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • マサリク大学人文学部日本研究学科
  • チェコ
  • ブルノ
留学期間:
6ヶ月
総費用:
600,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 970,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

今回の留学では修士論文執筆のための研究と、日本語教育の現場での実践経験を積むためのティーチングアシスタントとしての活動の2つの柱で留学をしました。留学全体のテーマとしては、「ディスレクシア(読み書き障害)を抱える日本語学習者がより効率的に、且つ楽しく漢字を学べる教材を作る!」というものでした。具体的には、私が修士過程の研究として作成した漢字教材を使って、実際にディスレクシアを抱えるチェコ人日本語学習者と一緒に勉強をし、その効果を測るという留学です。日本ではあまり知られていないこの障害ですが、日本以外の国、特に欧米では誰もが知っている障害です。日本語教育は日本語非母語話者がメインのターゲットですので、ディスレクシアを抱える学習者の障害は見逃せません。しかし、まだ実践研究がほとんどされておらず、特に漢字教育に関しては皆無です。そこで、私が最も興味のある言語地域であるスラブ語のなかでチェコを選び、研究をするぞ!という気持ちのもと、今回の留学に至りました。実際、長い研究を経て、研究に関する新たな課題や、知りたかったこと、チェコにいかなければわからなかったことなど多くを学ぶことができました。また、研究と並行して日本研究学科で日本語の先生方のお手伝いをさせていただき、チェコでの日本語教育について知ることもできた留学でした。

留学の動機

大学院進学を考えていたことから、私の中では「研究留学」は必要不可欠なものでした。なぜなら、私の研究は日本国内では協力者を探すのが難しいからです。そのため、初めての留学でスロヴェニアに行った際の「スラブ語って面白い!」という気持ちと、協定校で且つまだディスレクシアと日本語教育の研究が行われていない地域という2つの条件からチェコへの留学を決意しました。

成果

今回の留学での成果は大きく2つあります。1つ目は研究がうまくまとまったということです。1番の不安要素だったので、無事に終えられて嬉しかったです。2つ目はチェコのディスレクシア事情を知ることができたことです。現地でディスレクシアの研究をされている先生方にお会いでき、私の研究にも興味を持っていただき、欲しかったデータもいただけたので、自分の論文もよりいい仕上がりに持っていくことができました。

ついた力

行動力

研究留学ということもあり、研究を進めることが私の留学の要でした。しかし、日本にいた時のように指導教員から指導があるわけではないので、自分で研究を始め、そして終わらせる必要がありました。そのため、協力者探しから実験など、常に自分から動かないと始まらなかったので、その経験から行動力を高めることができました。結果、実験がひと段落したら執筆というサイクルを作れたので、帰国後の執筆はとても楽でした。

今後の展望

今回の留学を経て、ディスレクシアと日本語教育の実践研究はより多く必要だと感じました。そのため、今後は日本語教師として現場を見つつ、スラブ語圏のディスレクシアと日本語教育に関する研究を進めていきたいと考えています。自分の「研究フィールド」をしっかりと見つけることができたので、今後の研究も楽しみです。

留学スケジュール

2019年
9月~
2020年
2月

チェコ(ブルノ)

私の留学内容は修士課程の研究をしつつ、ティーチングアシスタント(TA)として日本語の授業のお手伝いをすることでした。研究ではディスレクシアを抱えるチェコ人日本語学習者と一緒に、私が作成した漢字教材を使って勉強し、その効果を検証することができました。研究自体は準備から終わりまでみっちり6ヶ月かかったので大変でしたが、満足のいく結果となりました。また、TAとしてはチェコ人日本語学習者が日本語を学ぶ際の特徴や、難しい点、先生方の指導法などを学ぶことができました。生活面は学生寮に住み、ポーランド人の留学生とルームシェアをしました。博士課程の学生だったので落ち着いており、研究や将来についての相談にもたくさんのってもらえ、とてもいい関係を築くことができました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

20,000 円

生活費:月額

30,000 円

マサリク大学人文学部のキャンパス
ブルノのシンボル、聖ペテロ聖パウロ大聖堂
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

20,000 円

生活費:月額

30,000 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

私が今回の留学でチャレンジしたことは、美容院で髪を染めることです。チェコは比較的英語が通じる国なので、電話で予約を取る際も英語は大丈夫かと聞いたところ、大丈夫だと言われ、すんなり予約できました。さあいざ美容院にいき、美容師さんに「髪の毛を茶色にしてください」と英語で伝えました。美容師さんも納得した様子で何やら私の頭にペタペタと何かを塗り始めました。「ほう、この国ではbrownは1種類なのか。」と何の疑問ももたずにペタペタされていました。「15分おいたら流すね」と言われたので待ち、髪の毛を洗ってもらいました。そして鏡の前に座るとまさかの金髪!!びっくりして声も出ませんでした。美容師さんたちは「hezký! hezký! (nice)」と大喜び。何が起こったのか冷静に整理してみた結果、美容師さんはbrownとblondeを間違えていたのです。この時に学んだのは、「英語がどこでも通じるとは限らず、また、"通じる"の定義は曖昧だということ」です。英語が通じるという事実(のようなもの)に甘え、チェコ語の学習を怠ってしまったことを反省し、現地語の大切さと「現地語を大切にすること」を学びました。

金髪になった私

留学中から人脈作りと情報収集を始めておく

  • 帰国後の進路 : 就職(国際機関・NPOなど)

私は今回の留学の目的の1つに「人脈作り」を掲げていました。なぜなら、帰国したら就職活動を始める予定だったからです。とは言っても、私が目指していた日本語教師(特に海外)という職業は通常の就職活動とは全く異なり、人脈を使って就職先を探したり、インターネット上の情報を元に直接履歴書や職務経歴書を送り、返信を待つというスタイルです。私は海外(できればスラブ語圏)で日本語教師をする!という夢があったため、留学中にいろいろな学会に参加し、自分がチェコに留学していることや自分が進めている研究についてヨーロッパの、特に中東欧の先生方とお話する機会を多くもち、人脈を増やすことができました。研究が落ち着き、そろそろ就職活動を始めようと思ったタイミングでいろいろな先生方に連絡をさせていただき、現地の日本語教師の求人情報を直接聞くことができました。その際に、中東欧では例年どのくらいの時期に求人が出るのかを伺っていたので、求人が出るタイミングまで自分で様々な準備をすることができ、最も働きたかった場所で採用していただけることになりました。このような理由から、留学中に自分が将来どこで何をしたいのかが決まっているのであれば、ある程度情報を収集しておくことをお勧めします。

留学前にやっておけばよかったこと

現地の大学の先生方としっかりと連絡をとっておくことです。私は研究をしつつTAをやるという留学でしたが、実際にTAとしてどのようなことをするのかが現地に行っても決まっておらず、イメージしていたTAの仕事とは異なった活動となりました。そのため、事前に自分がTAとしてやってみたいことを伝えたり、どのような仕事をやらせてもらえるのかなど聞いておけばより充実したTA活動ができたと思います。

留学を勧める・勧めない理由

留学目的が明確なのであれば、ぜひ留学してほしいです。現地にいかなければできないこと、分からないことはたくさんあります。逆に、「日本」や私の場合は「日本語」を客観的にみて新たな発見もありました。留学中も楽しいことはたくさんありますが、私は帰国して留学経験を多くの人に話すことでその人が自分がおこなったことなどに興味を持ってくれる楽しさも多くあると思いますので、ぜひチャレンジしてみてください!

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学はいろいろな人やお金、想いが関わって来るので大きなチャレンジだと思います。「うまくいくかな」という不安もあると思います。しかし私は不安は捉え方でどうにでも変えられると信じています。「研究うまくいくかな」ではなく「これをやったらこういう人にいいことがあるから自分がんばれ!」という風に違う視点でプラスに捉えてみてはどうでしょうか?自分の芯をしっかり持って楽しく留学生活が送れるように願っています!