留学大図鑑

もよ

出身・在学高校:
岡山県立岡山操山高等学校
出身・在学校:
岡山大学大学院
出身・在学学部学科:
環境生命科学研究科
在籍企業・組織:

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最終更新日:2020年11月04日

世界遺産の棚田、どうやって守る?

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • フィリピン大学ロスバニョス校農業システム科学専攻
  • フィリピン
  • ロスバニョス
留学期間:
6ヶ月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表プログラム」 1,170,000円
  • 大学独自のもの 200,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 挨拶など基本的な会話ができるレベル 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

フィリピン北部にある世界遺産の棚田の農地保全に関する研究と調査を主に行った。
研究を行うにあたり、研究対象の土壌だけではない現地の課題などを明らかにし、「現地に適した」農地保全技術を開発することを目的に留学を行った。具体的には、大学で土壌学を中心とした農学の授業を受講し、化学分析手法や調査手法を学びながら、研究対象地の棚田での調査計画を立て、同時に農村の実態を把握するためのインタビューを行った。
現地に足を運んで研究と調査を行うことで、自分の研究課題が現地のその他の課題とどのように結びついているのか、何がボトルネックになっているのかを考えた。持続可能な農業農村の発展に必要なことは何かを考え、開発のあるべき姿について探った。

留学の動機

元々国際協力に興味があったが、自分が国際協力にどのような形で関わっていきたいのかが分からなかった。研究を自分一人で計画して行うこと、また研究の枠を超えて自分が興味のある農村の課題に触れることで、自分がこれからどういうキャリアを歩みたいかを考えたかった。また、開発を行う上で必要な素養や、こんなことが何かを予め知ることで、仕事として国際協力をする前に現場の感覚を掴みたいと思った。

成果

研究に必要な土壌のサンプルを集めて、必要な分析を学びながら実施し、データを集めることができた。日本で当たり前だと思っていた方法から離れることで自分が日本で行ってきたことを振り返ったり、グローバルな研究トピックや研究手法について学ぶことができた。また、自分の研究対象地の農家さんと触れ合いお話を聞く中で、現地の課題の背景にある複雑な社会構造や歴史、文化といったことを学ぶことができた。

ついた力

巻き込み力

調査開始後、現地の農家は英語が分からないことや、雇った通訳が仕事をしないことが分かった。私は何度も現場に足を運び、覚えたての現地語も使いながら自分の思いを伝えてインタビューを続けた。それを見ていた農家たちに次第に私の思いが伝わり、調査を手伝ってもらえるようになった。文化や言葉の壁にぶつかってもその壁を受け入れ、粘り強く自分が動き続けることで周りを動かせることを学んだ。

今後の展望

本当に現地の人の為になる、かつサステイナブルな国際協力に、仕事を通じて取り組んでいきたい。現地の方が考える理想と私の考える理想には大きなギャップがあった。そのギャップが生まれる要因として、教育、収入、インフラの格差といったとても基本的な社会問題を突きつけられたように思う。全てを一度に解決できなくても、関係のあるセクターを繋いだり、異分野が協力しあえる環境を整えていきたい。

留学スケジュール

2019年
8月~
2020年
1月

フィリピン(ロスバニョス)

基本的には大学で土壌学に関する授業をいくつかとりつつ、1セメスターで簡単な研究を行う授業を履修していたので、現地の指導教官に自分の修士研究や調査について相談をしていた。実際に現地に行ったのは6ヶ月のうちの1ヶ月程度で計4回訪問した。最初は役所に行って調査の許可を市長にもらい、インタビュー調査の段取りを村長と打ち合わせたり、アンケートを作成したりした。現地では、インタビューと土壌のサンプリングを同時に行った。棚田地域では、現地の近くに住んでいる大学の友人に付き添ってもらい、交渉したり、現地語で話す農家さんの通訳を手伝ってもらったりした。調査が一通り終わってからは研究室で化学分析を分析官の方々に教えてもらいながら行い、それらの結果を考察してレポートにまとめた。その結果をベースに帰国後は学会発表と論文執筆を行っている。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

最後のゼミ後の記念撮影
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

私の研究対象地は世界遺産に指定されている特別な地域。多くの研究者が訪れ研究がなされているところであるが、現地に行ってみると農家全員が研究に協力的ではないことがわかった。それは、研究者の中には、研究への協力依頼をして、膨大なアンケートを回答するよう要求してきてもそれっきりなんの音沙汰もない人や、数時間棚田を上から見て回ってすぐ帰ってしまう人もいたかららしかった。そんな中で私は毎日一人でひたすら山の中を歩き回り田んぼに入って土を取ったり、泥臭くインタビューをしていた。その姿を見て、農家さんは「日本から全然知らない土地にやってきたのにこんなに頑張ってくれる若者がいるのか」と思ってくれたようだった。滞在して数日経った頃には、ご飯を振る舞ってくれたり、作業を手伝ってくれたりと非常に協力してもらえた。人の一生懸命な姿は国が違っても言葉が違ってもちゃんと伝わるということを実感した。

私を孫のように可愛がってくれた農家さん

現地の大学事務や国際部を頼る

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

出国前に必要な手続きは現地大学に何度でも連絡してよく確認をとっておくのが良い。私の場合は入国してからビザの手続きを行ったが、必要な写真や書類などは何回でも大学の事務に行って確認した。私の場合は大学間協定がなかったので、現地大学の国際部との繋がりが薄くて自分一人でしなければいけないことが多くて苦戦したが、どうしたら良いか分からない時は大学側に困っていることをちゃんと伝えて指示に従えば、なんとか手助けしてくれる。

災害時の移動や帰国

  • 生活 : 治安・安全

留学期間中に大学近くの火山が噴火して避難しなければいけないかも…という緊迫した日が続いたことがあった。日本の大学と連絡をとると同時に、現地の指導教官、寮のマネージャー、そして大学の事務、もし万が一のことが起こった場合にどう行動するかをこまめに指示を仰いでいた。日本からは現地がどんな様子か見えず心配をかけてしまいがちな一方、現地の人は楽観的で真面目に話を聞いてくれないことも多かったので、日本にはこまめに連絡をとりつつ、現地で信頼できる方とは絶対に連絡がつくように留学開始後すぐに体制を整えておくのが良いと思った。また、できれば留学に行く前にこういった安全対策は万全な状態にしておきたい。

留学前にやっておけばよかったこと

日本の指導教官と研究の内容を詰めておく。やりたいことの優先順位をつけておく。

これから留学へ行く人へのメッセージ

自分の中になんらかの思いがある、今この瞬間に留学に行くことに価値があると思います。そして、学生として海外で伸び伸び活動できるのも留学の魅力です。「研究」留学は私にとってはあくまで手段でした。自分の人生で何をしたいかという大目標を掲げて留学に行ってもらいたい。そうすれば自分が予想していなかった場面でも思いがけない学びや人とのつながりが得られて充実した留学になると思います。