留学大図鑑 留学大図鑑

もりはな

出身・在学高校:
都立青山高校
出身・在学校:
千葉大学大学院
出身・在学学部学科:
医学薬学府
在籍企業・組織:


最終更新日:2020年01月31日 初回執筆日:2020年01月31日

新規がん治療・診断法の開発推進を目指して

留学テーマ・分野:
専門留学(スポーツ、芸術、調理、技術等)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • EBhaus austria
  • オーストリア
  • ザルツブルグ
留学期間:
13カ月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,600,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

留学先とは以前から共同研究を行っており、大腸がんモデル動物において抗がん効果を示す治療分子の作製に成功してきた。その治療分子はがん部位に高発現する遺伝子 (遺伝子xとする) を標的とし、そのがん部位においてのみ抗がん効果を発揮できるものとして作製されてきた。しかし、臨床応用を目指すにはいくつかの課題点が残されており、留学先では今後の治療分子の改良につなげるための評価を行っていた。また、その治療分子をいざ患者に利用することになる際には、まず本治療法が個々の患者に適しているのか(つまり遺伝子xを十分に発現しているのか)を診断する必要がある。そのため、その遺伝子xを今までの方法と比較してより高感度かつ簡便に検出するためのシステムの開発を行っていた。

留学の動機

海外で研究をする経験をしたいという気持ちが前からあったが学部生時代にはその機会を失ってしまった。博士課程に入ってからは比較的時間に余裕ができ、留学をする絶好の機会だと感じたため共同研究先に留学したい旨を伝え、留学を実現することができた。

成果

抗がん効果を発揮することへの妨げとなっている原因を突き止めることができたとともに、副作用の可能性は低いことを明らかとすることが出来た。更に、遺伝子xの検出のシステム開発については、現在遺伝子発現解析に使用されているシステムと比較してより高感度かつ短時間で遺伝子xを検出可能とするシステムの基盤構築に成功した。

ついた力

行動・サバイバル力

留学先では日本のように実験の詳細な相談は頻繁に行うことができなかった。そのような環境下に置かれてから文献等を参考に自身で計画を立て、実行し、失敗したらその解決策を練って計画を立て直すことを自然と繰り返すようになり、留学後半にはある程度自立して研究を行うことができるようになった。自分を甘やかせる状況から、自分でなんとかしなければならない状況に自分を追い込むことが出来たからこそ成長できたと考えている。

今後の展望

今後も留学先との共同研究を続け、留学中に得られたデータを元として新規の有用ながん治療法・診断法の開発に向け共に研究を続けていく予定です。大学卒業後も研究できる環境に身を置き、留学の機会を見つけて更なる自身の成長をはかりたいと思っている。

留学スケジュール

2018年
10月~
2019年
10月

オーストリア(ザルツブルグ)

留学先とは以前から共同研究を行っており、大腸がんモデル動物において抗がん効果を示す治療分子の作製に成功してきた。その治療分子はがん部位に高発現する遺伝子 (遺伝子x) を標的とし、そのがん部位においてのみ抗がん効果を発揮できるものとして作製されてきた。しかし、臨床応用を目指すには未だ評価が不十分である点が残されていたことから、留学先では今後の治療分子の改良につなげるための評価を行っており、結果としてその改良点を見出すとともに副作用の可能性が低いことを明らかとすることが出来た。また、その治療分子をいざ患者に利用することになる際には、まず本治療法が個々の患者に適しているのか(つまり遺伝子xを十分に発現しているか)を診断する必要がある。そのため、その遺伝子xを今までの方法と比較してより高感度かつ簡便に検出するためのシステムの開発も同時に行っており、その基盤の構築にも成功した。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

留学先のメンバーと無料で観戦したレッドブルvsチェルシー戦
大雪ではしゃぐ私 (笑)
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

留学前後での、自分の変化

留学先で一番の仲良しになったルーマニアの友達の誘いを受け、彼女のキリスト教の集会仲間約40人に交じって旅行に行くことになった。そのような宗教の集会にはなじみがなく、また私以外みんなポーランド出身の人達ということで、最初は少し怖さも感じて周りにうまくなじむことができないでいた。しかしそれも束の間、日本について興味を持って私に話しかけてくれる人達が多く現れ、互いの母国などについて興味を持っていることを初めとして、最終的には他愛もないことで笑い合うことができるような仲になっていた。また、旅行中にはポーランドのアウシュヴィッツ強制収容所に足を運んだのだが、その際にユダヤ人迫害についてどう思うか、知り合った人から尋ねられ単調な答えしか返すことができないでいる自身に戸惑う場面もあった。国籍が違おうが仲良くなることはできる。しかし互いの母国の宗教や歴史の違いから、物のとらえ方や意見などはそれぞれ全く異なってくるのだという人種の多様性も同時に感じることになる旅となった。

アウシュヴィッツ強制収容所で撮った集合写真

オーストリア留学のためのVISA、在留許可申請にあたっての注意

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

私はVISA及び在留許可証を取得するための申請の準備を出国の1-2か月前ほどから行いました。申請するための資料の中には留学先からもらう必要があるものもあったことから、準備は思ったよりも長く時間がかかり、VISAの申請はぎりぎり日本にいる間にできたものの、在留許可証の申請は現地で行うことになりました。日本でのオーストリア大使館のスタッフの対応もかなり冷たい(夏場の申請となると多忙期になりあちらもいらついています)ですが、オーストリア現地での申請となるとそれに加えて対応がかなり雑になり、スタッフによっては要求される資料が異なってくることもあったりしました。オーストリアでは英語を話してくれる人もいれば全くできない人もいますし、ドイツ語での対応ができた方が現地の人の対応が良くなるというのを現状として感じ、私は留学先の人に一緒についてきてもらいました。日本での申請となると、現地での申請と比較して在留許可証などが手元に届くのはかなり遅くなるというデメリットもありますが、もし日本ですべて完了させるためにはかなりの時間がかかることを念頭に置いて準備するのが良いと思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

語学力の向上が見込めるのはもちろんのこと、留学をしたからこそ得られる新しい知見、そして出会える新しい自分があると思います。留学をしたいと少しでも思うのなら、そして後悔したくないのなら、ぜひ留学に行くことお勧めします!