留学大図鑑 留学大図鑑

Karabo

出身・在学高校:
山形県立山形東高等学校
出身・在学校:
東京外国語大学
出身・在学学部学科:
国際社会学部イタリア語科
在籍企業・組織:


最終更新日:2019年11月06日 初回執筆日:2019年11月06日

紛争当事国で平和構築を学ぶ!

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • プロテスタント人文社会科学大学、Assocation Modeste et Innocent、 The Center for Research and Action towards Sustainable Peace and Development
  • ルワンダ共和国
  • フイエ
留学期間:
11か月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,420,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
キニヤルワンダ 挨拶など基本的な会話ができるレベル 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル

留学内容

平和と紛争について学ぶためにルワンダ共和国へ。日本の大学には平和学の授業があまりないので、平和紛争学科のある大学に所属し、アフリカ各地から来た学生と平和について考えました。また、インターンシップを通して、1994年に起きたルワンダジェノサイドの当事者がどのように和解しているのかみてきました。机上で平和学を勉強するだけでは平和や紛争を考えるのに不十分で、実際に紛争当事国の人々がどのように生活をしているのか、互いにどのような印象を持っているのか知りたいと思いました。このような活動を通して、外部者としてどのように紛争当事国の人と関わるべきなのか見えてきました。さらに、愛と平和についてじっくり考えることができました。

留学の動機

「平和について勉強したい!どうやったら平和な世界をつくれる?紛争当事者は平和についてどう考えているのかな?」こう考えていた大学2年次に、ルワンダで平和学を学んだ先輩の話を聞いたことが、ルワンダ留学を決心したきっかけです。過去にジェノサイドを経験し、今まさに国民間の和解、つまり仲直りのプロセスが進められているルワンダに留学することは、自分の疑問を解決する絶好の機会だと思いました。

成果

平和について様々な知識を得ると同時に、実践的な活動を通して、外部者としての心構えやルワンダ虐殺の様々なケースを知ることができました。その一方で、あまり主体的に活動に参加することができなかったものもあり、この留学でやりたいことを100%やりきったとは言えないと思っています。その部分は悔しさが残っています。

ついた力

人を○○人としてではなく個としてみる力

現地の人に、「日本人だから、白い(アジア人も白に分類される)から、」と言われるのが正直不快でした。なぜなら、私を日本人や白人としてしかみておらず、私そのものを見ていないと感じたからです。もちろん日本人としてのアイデンティティーはあるけれど、それだけで自分を判断されたくありませんでした。だから、逆に私が人と接するときは、○○人だから付き合いたいではなく、人となりをみることを心掛けるようになりました。

今後の展望

平和構築に関わる仕事をしたいと思っています。いずれは大学院に進学しますが、大学卒業直後は就職し、実務的な経験をさらに積みたいと考えています。

留学スケジュール

2018年
10月~
2019年
9月

ルワンダ共和国(フイエ)

プロテスタント人文社会科学大学開発学部平和紛争研究学科に所属し、平和に関する授業をとっていました。平和とは何かという導入の授業から、宗教がどのように紛争解決や平和にはたらくのか、和解の理論、非暴力運動など専門的な授業を受けました。ルワンダ人だけでなく、アフリカの様々な国からの留学生が所属していたため、日本ならインターネットでしか聞かないような問題をその国出身の学生から直接聞くことができました。大学で出されるリーディング課題を英語で読んだり、それぞれアクセントが違う学生の英語を理解したりすることは容易ではありませんでしたが、平和やアフリカに関する知識はかなり増えたと思います。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

ある授業後にお揃いのTシャツを着て。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2018年
10月~
2019年
9月

ルワンダ共和国(ニャンザ)

大学付属のセンターのインターン生として、ニャンザという町で、ジェノサイドの加害者を伴侶にもつ女性と被害者である女性で構成される協働グループのお手伝いを毎週していました。彼女たちは、和解と経済的自立を目的に、花栽培や洋裁などをしています。初めて、彼女たちを訪れたとき、誰が加害者側で被害者側なのか全くわからず、一緒に協力しあいながら活動しているのを見て驚いたのを覚えています。実際に長期間活動に関わると問題にも直面しましたが、メンバー同士助け合って活動していました。私は、彼女たちの商品が売れるように、新商品開発の手伝いやパンフレット作りをしました。ただ、この活動に関しては、もっと主体的に活動できたのではないかと悔しさが残っています。これは留学計画を立てる時点での失敗だったと思います。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

お世話になった女性たち。いつも元気に迎えてくれました。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2019年
3月~
2019年
4月

ルワンダ共和国(フイエ)

現地NGOのインターンとして、ジェノサイド当事者の和解の活動と、若者を対象にしたコンフリクトマネジメントとアントレプレナーシップの活動に参加しました。キニヤルワンダ(現地の言語)がほぼできないため、同僚に通訳をしてもらいながら活動しました。和解をするため手段を学び、また、NGOの運営も少しみることができました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

若者たちにコンフリクトマネジメントを教えました。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

留学中に手に入れた、今でも大事にしているもの

“Love yourself” この言葉はインターン先で教えてもらいました。活動をする前に、その組織のポリシーなどを聞いていました。そこで上司が、「自分自身をまず愛する。そうしなければ、他の人を愛することはできない。自分を大切にしてこそ他人を大切にすることができる。」と言ったのです。私は、この言葉にはっとさせられました。それまで、愛についてきちんと考えたことがなく、ましてや自分を愛していると思ったこともありませんでした。愛について語ることが何だか恥かしいとすら思っていました。でも、上司の言葉を聞き、平和をつくろうとしている人間が自分すらも愛せなくて何ができるんだと思うようになりました。愛が何かも分かりませんでしたが、幸運にも自分自身を優先し大切にする人たちに囲まれ、私も少しずつ自分を愛することができるようになりました。

自分自身を愛する人たちに囲まれていました。

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

私は、留学後半、他の学生と一緒にご飯を食べるようになりました。それをきっかけに、他の学生との距離が縮まりました。外食をしていていつものように皆とご飯を食べないと、「どこにいるの?」と声をかけてくれたり、ご飯が残っていない時もシェアしてくれたり、自分が思われていることを感じました。お別れ会のときには、私たちは兄弟姉妹だと言っていてとても嬉しく思いました。本当に幸せです。これからも連絡を取り合って、彼らの国を訪れたいと思っています。

家族でもある友人たち

この国のことが、とても好きになった瞬間

ルワンダ人のお金に対する姿勢が見えた出来事があります。首都から私が住む町にバスで帰る途中で、ヨーグルトを買いました。乗客はバスの中から窓を通して外にいる売り子にお金を渡します。私は、そのとき細かいお金がなく、大きなお金を渡しました。しかし、おつりをもらう前にバスが発進してしまったのです。とめてくださいとも言えず、そのお金は諦めかけていました。しかし、次のバス停で別の売り子がおつりと同じ額のお金を渡してきたのです。おつりを渡せなかった売り子が、次のバス停にいる友人に連絡し、おつりを払うようお願いしたんだそうです。お金に対する姿勢と対応に感動しました。

毎日飲んでいたikivuguto(飲むヨーグルトみたいな)

とにかく読む!

  • 語学力 : 英語

慣れない英語で論文を読んだり、聞き取ったり、話したりすることが大変でした。最初のころは、ご飯と睡眠と学校以外の時間はずっと家にこもってリーディング課題をやっていました。とにかく諦めないで課題を読み続けました。また、自分の英語力が低い上に、学生はそれぞれアクセントがあって簡単な単語なのに聞き取れないことが多くあり慣れるのに時間がかかりました。英語を話すのもゆっくりでしたが、この点に関しては日本語でも説明することはうまくないし言葉を選びながらゆっくり話すので、開き直っていました。

留学前にやっておけばよかったこと

留学計画をもっと磨いておけばよかったと思います。大学の授業と実践活動を同時並行にしていましたが、もっと余裕をもった計画でもよかったのではないかと思っています。また、やはり語学はやっておいたほうがいいです。特に大学での留学をするのであれば、授業内容を理解するために語学力は必要です。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学は、海外に行く前から始まります。そして、帰国したら終わりというものではありません。ただ単に海外に行くだけなら、もったいない留学になってしまいます。行く前にきちんと計画をたて、帰ってきたら振り返りをすることで、自分の経験を学びにすることができるのだと思います。最大限の学びができるよう、頑張ってください!