留学大図鑑

社会的インパクト装置としてのツーリズム

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • バンドン工科大学都市建築計画政策学専攻、グリフィス大学観光経営学専攻、Sarah’s Sister’s Sustainable Cafe
  • インドネシア・オーストラリア
  • バンドン・ブリスベン・ゴールドコースト・アデレード
留学期間:
17か月
総費用:
3,300,000円 ・ 奨学金あり
  • (独)日本学生支援機構(JASSO)「海外留学支援制度」 350,000円
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表プログラム」 2,000,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

社会問題は、しばしば市場の失敗や、政治の失敗といった構造的によって生じ、固定化されている。
留学を通じてこういった社会的な状況を変革していくツールとしての「希望のあふれる」ツーリズムを実践に根付いた研究(実践的研究)活動として探求した。インドネシアでは全国各地への現地調査や、バンドン工科大学で計画学を学ぶ大学院生たちとの課題解決型のプロジェクトの実施、さらには観光分野での社会起業家とのネットワーキングに取り組んだ。オーストラリアでは、観光学においては世界最先端のグリフィス大学で「サステイナブル・ツーリズム」や「アボリジニ学」を学び、その後、南オーストラリア大学で先住民観光を専門とする教授のもと、Sarah’s Sister’s Sustainable Cafeのオーナーが主導して取り組んでいる先住民と非先住民の和解を目指したコミュニティ開発プロジェクトでの調査・研究パートを担った。

留学の動機

短期フィリピン留学での貧困への大きな衝撃が始まり。帰国後、観光を用いてそうした課題に立ち向かっている事例が多くあることを先人の研究などから知ることになった。こうした観光の持つ潜在的な能力に強い興味を持った。こうした能力(キャパシティ)への想像力は、机上の学びからではなく、現場に出向いたり、話を聞くことで促されることを強く感じてきたため、長期留学を決意した。

成果

「社会的インパクト装置としてのツーリズム」ってどんなものか?どうやって実現してくのか?を探求し、帰国後直後に、「オランアース」という団体を立ち上げ、多彩な「観光・交流プログラム」を通じて衰退に直面する京都府伊根町をいかに再生・活性化させるかを課題とした取り組みを行い「京都府公共人材大賞学生プロジェクトの部」で奨励賞を受賞した。また、この取り組みを卒業論文として執筆し、優秀卒論に選ばれた。

ついた力

想像・創造する力

もっと良い社会にしたかったら、もっと想像をして、それを形にしたらいいだけだと思うようになった。留学を通して、異なるフィールドで未来を想像してみる時間を持てたこと、また異国で同じようにツーリズムに可能性を感じて取り組んでいる同志たちに出会ってこうしたマインドセットになった。だから、この世の中にまだなくても自分が創り出してみようと思うようになったし、そういったことを実行する力が自然に身に付いた。

今後の展望

研究・教育・実践の三本柱で、次世代のサステイナブル・ツーリズムについての知見を蓄積し(研究)、ツーリズムを用いてイノベーションを起こせる人材を創出し(教育)、現場で汗を流す(実践)。
ツーリズムの持つ能力(キャパシティ)を多方面から考え、それを最大限に発揮することができるように想像力を持って取り組んでいきたい。

留学スケジュール

2016年
8月?
2017年
1月

インドネシア(バンドン)

インドネシアのトップレベルの学生が集まる工科大学で、都市・地域計画、観光計画、住宅計画、インフラ計画、空間経済学を学んだ。全てに共通した授業形式として、グループで実社会での課題を発見してきて、現地調査や文献レビューを行い、課題に対する具体的方策を成果として発表するPBL型の学習があった。多くがインドネシア政府や開発ディベロッパーの実務家の院生たちとのクラスだったので、現場のリアルを知る良い機会となった。また、こういったPBLの授業スタイルを通してアカデミックが蓄積してきた知見を実務家が学び、現場の課題を解決していくという流れを肌で感じ、こうした知見の重要さを感じた。同時に、人文社会学的な想像力を排除していくことになりかねないという危機感を持った。これが、アカデミックの世界に興味を持つようになった大きな出来事だった。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

フローレンス諸島へのフィールドワーク中の一枚
クラスメイトとの写真
ローカルを旅するというコンセプトの会社の立ち上げのお手伝い
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2017年
10月?
2018年
6月

オーストラリア(ブリスベン・ゴールドコースト)

まず最初の三か月間集中的にグリフィス大学の付属語学学校でアカデミック英語とインターナショナルビジネススキルの受講をして大学とビジネスシーンで必要とされるスキルを習得した。自由な時間がほとんど取れない中、その期間中にインターンシップの所属先機関の候補をピックアップし、レジュメを提出したり直接連絡を取って会いに行ったりしてアプローチを続けた。渡航後4か月目に希望通りサステイナブル・ツーリズム関連の調査・研究事業に配置されるポジションをアデレード市で獲得した。
また、その後はグリフィス大学ブリスベン・ゴールドコーストの両キャンパスでの正課授業に集中し、コミュニティ計画やサステイナブル・ツーリズムマネジメント、観光地マーケティング、アボリジニ学を受講した。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

ランニングイベントが盛んでよく参加していた
スーツを着てインターンシップ先探し
趣味の自転車で市内を探索
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2018年
6月?
2018年
8月

オーストラリア(アデレード)

「カフェ」による持続可能な開発の取り組みをリードしてきたパイオニアとして知られるカフェのオーナーのもとで、3か月のインターンシップを実施。カフェの強みを活かして先住民と非先住民の和解を目指すプロジェクトのたたき台を作成するための調査・研究事業を担当した。先住民と非先住民の共生という課題に対して、食やカフェ、そして学校などの教育施設やガーデンといった地域資源を活かした、創造的な解決方法の立案を数多くのインタビュー調査や文献調査をもとに行った。このプロセスに自らコンタクトを取って知り合った、先住民観光やソーシャルツーリズムを専門とする南オーストラリア大学教授にアドバイザリーとして入ってもらい共同研究という形で進めることができた。また、プロジェクト中に知り合ったソーシャルワーカーに招待されて、Green Social Work カンファレンスでの口頭発表を行う機会を得ることもできた。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

インターンシップでお世話になった方々とお別れ会@カフェ
調査・研究のために使った資料の一部
カンファレンスでの口頭発表の様子
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

留学で確信した、“私はこれを目指す!”

オーストラリアへ留学に行く前は、実践的研究者としてのキャリアイメージの漠然としたものだった。まだ「これだ!」というロールモデルには出会っていなかったこともあり自分の中で落とし込み切れていないところがあった。しかし留学当初に、インターンシップ先を探していく過程で「この人かもしれない!」という人を見つけ出すことができた。この方に会いに行くには、当時住んでいた場所からは飛行機に乗らないと行けない距離で、金銭的にも余裕はなかったので、少し躊躇はあったがそこで優しく背中を押して勇気づけてくれた人もいたおかげで踏み出すことができた。
自分がこれまでやってきたこと、会ってこんな話をしたいということなどを熱い想いを込めてメールで綴り面会の予約をすることができた。当時は、英語で専門的なことをどこまで会話できるかどうかという不安もあったので事前にどう英語表現すればいいのかを入念に準備し、会話をすることができた。やはり、その分野で長年の経験がある方だけに、話すだけで自分でも想像していたよりもはるかに明確なキャリアイメージをやり取りの中で膨らませることができた。
さらに彼女の周りのネットワークもたくさん紹介してもらうことができ、そのネットワークの中の一人が三か月のインターンシップ受け入れ機関として承諾してくれたおかげて、そこで得た感覚をより深く探求していくことができる機会に恵まれた。

新しい都市計画のコンセプトについての意見交換会へ参加
まちの中心部で行われたアボリジニ族のイベント
コミュニティワーク活動への参加の様子

インターンシップのセルフコーディネート

  • 留学先探し : インターンシップ

現地到着後に偶然巡り合ったインターンシップ受け入れ機関であったので、こうしたアブノーマルな筋から(海外からのフルタイム・インターンシップ希望)の依頼を飲み込んでもらうためには「予期せぬことがあった際の法的責任所在はどうなるか」や「VISAの条件の説明」、「労災保険の説明」などを行い自分の立場を明確に説明し、信用してもらう必要があった。
また、週五回フルタイムでのインターンシップを実施するために必要なVISAに受理されるにはインターンシップの内容と大学で履修した授業科目が沿っていることや、業務量が週五回フルタイムに相応しいということなどのいくつかの条件をクリアする必要があった。こうした課題をe-mailベースのやり取りで進めていき、無事にインターン開始の4か月前にはVISAを受理されることができた。
さらに、インターンシップで具体的にどういったことを行うのかということやどのように進めていくかということなどについても、自分からはっきりと伝えることを意識した。受け入れ側も、提案ベースで話を持っていくことで創造的に「インターンシップ」のモデルを作っていくことができた。
私がこうした提案する際に行ったことは、以下の3つである。
① これまで自分が行ってきた日本での活動(内容+自分はその中で何をしたのか)を理解してもらうこと。そのために写真や活動紹介動画などを入れたドキュメントを作成。
② 「必ず達成したこと3つ」などを盛り込んだ提案書を共有し、内容を相談、その後に何度か提案書を提出。
③ イメージを伝わりやすくために、日本のケースや参照してきた理論などを共有。
こうしたことをインターンシップ開始前から行い、明確な目的・目標とその進め方を準備することができたため、例えば南オーストラリア大学の教授やアデレード大学の教授などのサポートも得て充実した活動を行うことができた。

サラズシスターズサステイナブルカフェ(受け入れ機関)

これから留学へ行く人へのメッセージ

自ら提案をして何かを実行しながら学習をすることがこれからの生きる力を育むためのスタンダードになっていくと思います。ぜひ、海外という未知のステージでこそ、先を見越しながら主体的に、創造的になにかを提案しながら実行し、成長を根元から掴み取ってください!