留学大図鑑 留学大図鑑

なかけん

出身・在学高校:
富山県立魚津高等学校
出身・在学校:
金沢大学
出身・在学学部学科:
自然科学研究科数物科学専攻
在籍企業・組織:
IT企業


最終更新日:2024年02月22日 初回執筆日:2024年02月22日

理学から工学へ挑戦的研究

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • King Mongkut's University of Technology Thonburi
  • タイ
  • バンコク
留学期間:
6ヶ月
総費用:
700,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 720,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<TOEIC600点> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<TOEIC780点>

留学内容

理学的な観点から色素増感太陽電池(以降、DSSC)の変換効率向上を目指した研究のため、タイの最上位工科大学であるモンクット王工科大学トンブリー(以降、KMUTT)に研究室インターンシップを行った。
DSSCの基礎となる酸化チタン薄膜にニッケルをドープし、物性的変化と変換効率への影響を調査した。変換効率向上は果たせなかったが、ニッケルのドープ量による変換効率のトレンドを見出すことが出来た。
成果としては、研究成果をもとに国際学会でのポスター発表を行い、海外の研究者たちと議論を行った。
また、結果についての論文を執筆した。

留学の動機

私は、理学と工学の視点を持ち合わせることで、新しい科学、技術を創造することができる研究者となるために留学した。
日本の大学では金属薄膜の電流応答性についての研究を行なっていた。しかし、薄膜は企業等から提供されるものを用いていたため、独自に薄膜を開発、応用することができていなかった。
そのため留学では、薄膜の生成からDSSCの組立までを行うことで、理学と工学の両方の視点を得ることを目指した。

成果

留学中の研究成果をもとに、物性物理学の国際学会、「Nano Thailand 2018」にてポスター発表を行った。
また、成果についての投稿論文を同学会に提出し、アクセプトされた。

ついた力

頼る力

留学期間は半年と短期間であり、学会での発表を目指していた自分にとっては時間との勝負であった。
そしてその中での活路は、自分は人に頼ることができるという事であるとわかった。自分は素直に周囲に頼れるという事。無駄な安っぽいプライドを捨てれるという事を改めて実感した。あとは周りの優秀な人たちから吸収して、自分が成長出来るという伸びしろも感じることもできた。

今後の展望

留学後、既に大学を卒業し日系企業に就職した。当社は長い歴史のある中で変革の時を迎えており、特にグローバル事業に注力しようとしている、私はその中でグローバル事業の推進に尽力して行きたい。また、多様な観点から物事を客観的に見ることで新規事業と創出を行いたい。

留学スケジュール

2018年
7月~
2018年
12月

タイ(バンコク)

7月:KMUTTでの研究のための薄膜形成技術、解析方法の習得。
8月:作成した酸化チタン薄膜の物性的性質の解明、解析。
9〜11月:DSSCのモジュール設計、開発。国際学会のアブストラクト提出。
12月:作成したDSSCに関する研究成果を「NanoThailand2018」でポスター発表。成果についての投稿論文を執筆。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

30,000 円

生活費:月額

50,000 円

項目:航空券

80,000 円

NanoThailand2018での発表の様子。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

30,000 円

生活費:月額

50,000 円

項目:航空券

80,000 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

自分を研究室の一員として受け入れてくれたKMUTTのラボメンバーにはとても感謝している。
本留学の前に大学の短期プログラムでKMUTTに1ヶ月間のラボインターンシップを行った。その時、同研究室のメンバーに出会った。帰国後、もう一度そのラボメンバーと研究がしたいと思い、同研究室の教授に連絡を取り、受け入れてもらえることとなった。受け入れ許可がなければ、私は留学出来ず、それによる素晴らしい経験も出来なかった。2度目の渡航でも彼らは私を快く受け入れてくれ、休日には旅行にも連れて行ってくれた。彼らとは今後も良き友人たちでありたいと心から思う。

KMUTTのラボメンバー

行きつけのローカルショップをつくる

  • 語学力 : その他の言語

KMUTTはバンコクであるが、観光地からは離れており、地元の人々で賑わう街中にあった。そのため、留学開始時はタイの友人がいなければ食事を取ることが出来なかった。私は独学とタイの友人との会話でタイ語の勉強も行った。そして積極的にローカルショップに出向き、タイ語を使用した。はじてめ自分のタイ語が通じた時は非常に嬉しかった。留学中盤から一人で街中を歩くことができ、帰る時には顔なじみのローカルショップが何軒か出来た。

行きつけのカオマンガイショップ

留学前にやっておけばよかったこと

英語の学習はもちろんだが、渡航先が英語圏以外の場合、その国の言語で数字くらいは覚えておいた方が良いと思う。
日本人もそうだが、国によっては英語が通じないところが多い。そのため、コミュニケーションに余計な時間を使い、本来の目的に使う時間が短くなってしまいかねない。

留学を勧める・勧めない理由

私は必ず留学に行けとは言わない。それは日本でも出来る事は沢山あるからである。しかし、一度は旅行でも海外に出るべきだとは思う。そこで日本と海外の良さ。そして悪さを知り、自身の選択肢を増やして欲しい。

これから留学へ行く人へのメッセージ

いざという時、あなたの力になってくれる人は必ずいます。
失敗を恐れず。そして楽しむことを忘れず、自分の限界を超えてきてください。