留学大図鑑 留学大図鑑

谷川裕美

出身・在学高校:
三重県立津高等学校
出身・在学校:
大阪大学、山口大学
出身・在学学部学科:
医学部
在籍企業・組織:


最終更新日:2019年03月27日 初回執筆日:2019年03月27日

糖尿病は遺伝子の異常による病気!?

留学テーマ・分野:
基礎医学研究
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Harvard University Joslin Diabetes Center
  • アメリカ合衆国
  • ボストン
留学期間:
5ヶ月間
総費用:
1,500,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 610,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

私は2018年7月〜12月までJoslin Diabetes CenterのDr.Patti labへ留学しました。アメリカでは、糖尿病患者に対して、胃を切除して小さくする手術が行われることがあります。この手術によって、肥満の解消だけでなく、代謝も改善することができます。しかし、なぜ代謝が改善されるかについては明らかになっていません。私は、所属した研究室のポスドクと共に、このテーマについて実験、解析を行いました。胃を小さく手術によって、ある遺伝子の発現が上昇し、それが代謝に影響を及ぼしている可能性が示唆されました。
また、それ以外にもJoslin Diabetes Center内のクリニック見学や、アメリカの救急医療現場の見学、toxicologyを専門とする情報制御施設の見学など、糖尿病に限らず様々な分野の医療現場を実際に見せていただくことができました。さらに、研究のために日本からアメリカへ来られている先生方から興味深いお話を聞く機会にも恵まれました。

留学の動機

私は、将来、糖尿病を専門とする臨床研究医になりたいと思っています。山口大学には自己開発コースというカリキュラムがあり、約半年間興味のある分野の研究に打ち込める期間が設けられています。医学部生の早い時期からアメリカで最先端の研究に触れ、自分の将来の医師像をより明確なものにするために、今回アメリカへの留学を決意しました。

成果

研究活動やミーティングを通して、糖尿病の実験結果を得ることができ、糖尿病に関する知識を深めることができました。現地の臨床現場を見学し、日本の臨床現場と比較することで、日本の診療スタイルをどのように変革すれば良いのか、自分がどのような働き方を求めているのかについてたくさんのアイデアを得ることができました。

ついた力

自分の気持ちを伝える力

留学当初は、なかなか英語が出て来ず、伝えられないことに対するもどかしさを感じていました。しかし、毎回辞書や本で調べながら言い直したり、拙い英語だけど聞いてほしいと相手に伝えるなど、なんとなくのコミュニケーションで終わらせないよう努力する粘り強さが身についたと思います。日本では面倒臭いからとコミュニケーションを諦めてしまうこともあったので、粘り強さはこの留学で身につけられた力だと思います。

今後の展望

今回の留学で、自分の将来の医師像をより明確にすることができました。日本では臨床または研究のどちらかというスタンスが主流だと感じていましたが、アメリカでは臨床と研究を上手く両立させており、またプライベートと仕事の線引きもしっかりしていると思いました。この留学で学んだことを踏まえ、今後海外で働くことも視野に入れながら将来の働き方を考えていきたいです。

留学スケジュール

2018年
7月~
2018年
12月

アメリカ合衆国(ボストン)

私は2018年7月〜12月までアメリカ合衆国ボストンにある、Harvard University Joslin Diabetes CenterのDr.Patti labへ留学しました。アメリカでは、糖尿病患者に対して、胃を切除して小さくする手術が行われており、この手術により肥満と糖代謝が改善されます。しかし、なぜ改善されるかについては明らかになっていません。私は、所属した研究室のポスドクと共に、このテーマについて実験、解析を行いました。それ以外にも、Joslin Diabetes Center内のクリニック見学や、アメリカの救急医療現場の見学、toxicologyを専門とする情報制御施設の見学など、糖尿病に限らず様々な分野の医療現場を実際に見せていただくことができました。さらに、研究のために日本からアメリカへ来られている先生方から興味深いお話を聞く機会にも恵まれました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

ルームメイトとカレーパーティー
ラボのメンバーと
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

留学前後での、自分の変化

留学前は、授業や毎週のテストなどで忙しく、いつも「時間がない」と思っていました。友達と過ごす楽しい時間や休息の時間すら惜しんでいたので、当然自分に余裕はなく、常に目先のことで頭がいっぱいでした。
留学後は物理的に時間の余裕ができました。それがきっかけで、自分の気持ちをポジティブもネガティブも全て書き出すことが習慣となりました。自分の感情に目を向け、感情から自分の本当の望みを知ることができるようになりました。
留学前は、他人の目を気にしすぎて自分の意見が堂々と言えなかったり、自分のやりたいことではなく他人にとって良いであろう行動を取ってしまう癖が染み付いていました。しかし、留学を終え、「自分の感情を知り、それに素直になって行動する」という新たな武器を手に入れたことで、ほんの少し以前より生きやすくなった気がしています。

ほとんど毎日書いていたノート

自分の意図が伝わるまで、何パターンも伝え方を考える

  • 語学力 : 英語

留学中は、自分の意図がうまく伝わらないことがよくありました。
もちろん英語力の問題もあるのですが、日本ではずっと行間を読んだり、あえて全てをはっきり言わないというコミュニケーションをしてきていたことも上手くいかなかった原因の1つだったと思います。
最初の頃は落ち込んだりすることもありましたが、徐々にどうしたら上手く伝わるのか考え実行できるようになりました。
自分が伝えたいことは、明確かつ端的に言えるよう、「本当に伝えたいことは何か」をまず自分で考え、それ以外の余計なことはなるべく削るようにしました。そして、何パターンも言い回しを準備し、引き出しを多く作るように努力しました。また、頭の中で考えながら英語を話してしまうため、どうしても話す速度が遅くなりがちでした。それを解消するために、数パターンの言い回しを自分の口に馴染むまで何度か繰り返して練習してからボスやラボのメンバーに話しに行くようにしていました。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学中は思いがけないトラブルにあったり、予想外の出来事もたくさん起きると思います。そんな時に、全てを1人で解決しようとするのではなく、ぜひ周りの人に頼るということに磨きをかけるチャンスと捉え、乗り越えていってほしいなと思います。
また、留学中に出会う人との関わりや貴重な体験を通して、今後の人生の糧になる留学をして帰ってこられることを祈っています。