留学大図鑑 留学大図鑑

Kazu

出身・在学高校:
五条高等学校
出身・在学校:
京都大学大学院
出身・在学学部学科:
社会基盤工学科
在籍企業・組織:


最終更新日:2019年03月08日 初回執筆日:2019年03月08日

日蘭を結ぶ土木史研究

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • デルフト工科大学建築学科
  • オランダ
  • デルフト
留学期間:
14ヶ月間
総費用:
2,900,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 2,900,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

デルフト工科大学の建築学科へ客員研究員として約14ヶ月間働きました。
日本とオランダは土木技術が国家を支えるうえで非常に重要である点が共通しており、歴史的な土木施設を活用したまちづくりやその分析方法を学び、日本に適用可能な方法論を獲得することが目的でした。
留学中は、基本的に自分でプロジェクト(研究テーマ)を持ち、必要な調査(フィールドワークと文献収集)を行いました。
私は港湾都市の歴史的・技術的な分析をテーマとして選び、プロジェクトをスタートさせましたが、本来の専門(土木)とは異なる専門(建築)領域へ足を踏み入れたため、当初は議論についていくのが大変でした。
最終的には、私の分析の視点が認められ、ロッテルダムにある名誉総領事館での招待講演や国際学会での発表を行うことができました。

留学の動機

・私の分野で海外留学を経験してる専門家が少なく、国際的に通用する研究者になりたかったため。
・日本で得た知見のみで研究を行うことに危機感を感じていたため。
・文化や歴史の全く異なる都市で生活してみたかったため。
・世界中にいる同年代の仲間たちと繋がりたかったため。

成果

・国際的に通用する研究成果の獲得。
・名誉総領事館での招待講演。
・専門誌への体験談の掲載。
・国際的な人脈形成。

ついた力

海外の環境に適応する力力

百聞は一見に如かずという言葉の通り、海外で働くこと、生活することは苦難の連続でした。
国と分野を横断し、新しいテーマから研究を始める経験を通じて、文化や歴史の全く異なる人々と生活を共にする力、また英語においても自分の意見をしっかりと述べる力、新しい研究テーマを創る力が身につきました。

今後の展望

・国際的な視点をもつ分野横断型の研究者になる。

留学スケジュール

2017年
2月~
2018年
3月

オランダ(オランダ)

留学を開始した2017年2月から数ヶ月は、英語のレッスンを受けながら新しい研究テーマを模索していました。
新しい研究テーマが決まり、調査を順調に進めていましたが、夏ころに教授より「それは土木の世界では面白いかもしれないが、建築では面白みが少ない。」と言われ、研究テーマを修正し、成果が出ない日々が続きました。
秋・冬ころに成果が出始め、国際学会への投稿も行い、そのころには教授にも「この研究テーマは面白い」と言っていただいたことが印象に残ってます。
2018年以降は、研究会ので成果発表や招待講演、論文執筆に励み、もっとも忙しい時期でした。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

ほぼ毎日通ったデルフトの図書館(外観)
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

初めての招待講演

研究者にとって講演は今後何度も行うことになるイベントだと考えておりましたが、まさか最初の講演をオランダで行うことになるとは思っておりませんでした。
私は土木技術を通じて、オランダ人技師が日本に大きな貢献を果たした様を歴史的に分析しておりましたが、研究会の発表を通じて「日蘭交流のイベントにふさわしい」と評価して頂き招待講演へと至りました。
専門領域内では周知の事実として通る内容も、学問の枠から一歩外を出ると、当然ながらそれは当たり前ではなく、「そんなこと知らなかった。面白かった。」と言っていただけたことが印象に残ってます。
何より、私の研究が文化面、両国の交流面で価値があると認めていただけたことがとても嬉しかったです。

講演の様子

異文化理解は言うほど簡単ではない。

  • 住まい探し : シェアハウス

私は最初の1年間をシェアフラットで暮らしており、そこでは多種多様な文化・意見が行き来していました。
特に私のフラットで問題となったのが、掃除の頻度と精度でした。日本・中国・イタリアの三人で暮らしていた時分、共有ルームの使い方が問題となり、ある国のルームメイトが激昂したのですが、その激昂先の留学生は「なぜそんなに怒るんだ?」というような状態で、意見を通わせることがほぼ不可能な状態でした。
結局、これは言語や国ではなく、パーソナリティの問題であるとして落ち着きましたが、日本人同士ではあり得ないような態度と議論であったため、異文化に対しては時に諦めることも必要であることを学びました。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学決して簡単なことではありませんが、それを目指す方はすべからく大きな目標を抱いていると思います。オランダで出会ったほぼ全ての方々(日本人に限らず)はとても魅力的で、世界中の仲間たちとの繋がりは間違いなく人生の宝になります。
もしかしたら最初の一歩は苦痛を伴いものになるかもしれませんが、どうか自分の持つ大きな目標を大切にして、歩き出してください。