留学大図鑑 留学大図鑑

野々山智美

出身・在学高校:
渋谷教育学園渋谷
出身・在学校:
東京農工大学
出身・在学学部学科:
生物システム応用科学府
在籍企業・組織:


最終更新日:2019年02月01日 初回執筆日:2019年02月01日

バイオ燃料生産に向けた微細藻類の代謝解析

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Institut de Biologie de l'Ecole Normale Superieure
  • フランス
  • パリ
留学期間:
12ヶ月
総費用:
2,200,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 2,200,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<TOEIC 710点> 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

私は博士後期課程に所属しており、博士1年後期~2年前期にかけての1年間留学しました。研究留学でしたので、平日は毎日8時間程度研究室で実験や資料作成をしていました。私は現在所属する博士課程で、微細藻類(光合成する微生物)の研究をしています。そのため、留学先も同じ微細藻類を研究している最先端の研究室を選びました。留学先でも微細藻類の研究を進めながら、ゲノム編集技術をはじめとする様々な技術を修得しました。学んだ解析技術を基に1年間実験を進め、微細藻類を用いて大量のオイルを生産する「バイオ燃料生産」の実用化に繋がる重要な知見を得ることができました。

留学の動機

博士課程の研究テーマを推進する過程で、新しい解析技術を修得したいという気持ちが強まりました。知っている解析方法が多いほど、研究課題を解決できる可能性が高まるからです。技術修得は論文を読むことでも可能ですが、私は実際の操作を見て感じて体得したいと思いました。そこで、世界トップレベルの微細藻類の研究室へ留学することを決意しました。

成果

上述したゲノム編集技術のほか、タンパク質の局在解析技術や、ゲノム・トランスクリプトーム解析技術を学ぶことができました。研究成果は留学先で2回の口頭発表を行いました。また、現在は成果を基に博士論文の取りまとめに加え、国際共著論文の執筆を進めています。

ついた力

英語力

私は留学当初、英語をほとんど喋ることができませんでした。相手の話す大まかな内容は理解できますが、”Yes”, “No”程度しか返すことができませんでした。留学先はパリでしたが、研究室は多国籍で英会話が主でしたので、練習するうちに自分の気持ちや状況をある程度伝えることができるようになりました。

今後の展望

留学先は半分以上がポスドク(学生でなく、給料をもらって研究する研究員)でしたので、同分野のたくさんの若手研究者と出会うことができました。現在も彼らと連絡を取り合っており、共同研究を積極的に進めていく予定です。

留学スケジュール

2017年
10月~
2018年
10月

フランス(パリ)

平日の週5日は研究室で実験等を進め、土日は家事や美術館巡りなどをしていました。寮で生活しており、シャワー・トイレ・キッチンが共用のワンルームで一人暮らしをしていました。70部屋程の寮に対し、キッチンや洗濯機が1つしかなかったので、早朝に家事を済ませる、料理は作り置きしておくなど工夫をしました。平日の夜は、よく研究室の同僚宅での飲み会に参加していました。フランスでは、ヨーロッパ国内の学生は美術館無料なので美術館にはよく行きました。また、連休はベルギーやスイスなどに旅行に行きました。入国手続きなどがないので、国内を移動する感覚で、安く気軽に旅行することができます。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

56,000 円

生活費:月額

50,000 円

項目:航空券代(往復)、保険料、ビザ申請代、家電類

1,000,000 円

連休を利用して、ローマへ旅行に行きました
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

56,000 円

生活費:月額

50,000 円

項目:航空券代(往復)、保険料、ビザ申請代、家電類

1,000,000 円

スペシャルエピソード

留学中にやってしまった、私の失敗談

私はフランスへ留学しましたが、フランス語を全く勉強せず渡航しました。そのため、現地では買い物や電車に乗るだけでも苦労しました。特に印象に残っている失敗は、スーパーのレジでの出来事です。大抵レジでは、「袋いりますか?」「ポイントカードはお持ちですか?」といったことが質問されます。その日も何か質問され、「袋」という単語だけ聞き取れた私は、自信満々で「ノン」と答えました。渡航二か月目にして、やっとレジでの応答にも慣れてきたなと得意げな気持ちになっていたのですが、店員さんの方を見ると困った表情をしていました。店員さんは「(防犯のため、)あなたの鞄(=袋)の中身を見せてください」と言っていたのでした。危うく通報されかけましたが、なんとかボディランゲージで会話を成立させて事なきを得ました。現地の言葉はある程度勉強してから留学されることをお勧めします。

現地語がわからないと、お会計すら緊張します

現地で使うスマートフォンはiPhoneがおすすめ

  • 生活 : 携帯

留学先でスマートフォンを利用する場合、特に長期滞在される方は現地のSIMを購入すると思います。この現地のSIMは、手続きをすれば日本で購入したスマートフォンでも利用することができます。しかし注意が必要なのは、現地では日本と異なる周波数帯を利用していることがあるという点です。私は事前に確認した結果、フランスの周波数帯の一部が日本で使用していたスマートフォンに対応していたことから、当初は日本のスマートフォンをそのまま利用していました。しかし、かなり限られた場所でしか通信できず、実質インターネットは使えませんでした。その点、iPhoneは対応している周波数帯が多いため、そのまま現地でも利用できる確率が高いです。また、iPhoneであれば海外で購入しても確実に日本語対応している点も魅力的です。私は最終的に、4G対応機種であるiPhone 5Cを約1万5000円で現地購入し、それを帰国まで使用していました。

これから留学へ行く人へのメッセージ

私は留学で失敗したこともたくさんありましたが、辛かったことは一つもなく全ていい思い出になっています。とても楽しい経験ですので、準備は入念に行った上で楽しんできてください。特に事務手続きをかなり早くから準備し、現地の語学を勉強しておくと、トラブルなくより楽しめると思います。