留学大図鑑

シュガーマミ

出身・在学高校:
山形県立酒田東高等学校
出身・在学校:
新潟大学大学院 保健学研究科
出身・在学学部学科:
保健学専攻 検査技術科学分野
在籍企業・組織:

I'm NOT Sensei! 研究留学

留学テーマ・分野:
研究留学 (日本の大学院に在籍しながら現地の研究機関で研究)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Helmholtz Zentrum München Deutsches Forschungszentrum für Gesundheit und Umwelt (GmbH)
  • ドイツ
  • ミュンヘン
留学期間:
9か月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表プログラム」 1,530,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

私は、アミノ酸を細胞の中外に出し入れする機能をもつタンパク質(アミノ酸輸送体)のうち、xCTと名付けられたアミノ酸輸送体ががんの転移に与える影響について研究を行っています。今回の研究留学では、①「自身がこれまでに取り組んできたxCTに関する研究を発展させ、新しいがん治療につながる可能性を見出す」こと、②自分が理想とする研究者像に近づくため、世界中から研究者が集まる規模の大きいラボに飛び込み、「自分の研究能力を客観的に見つめなおす」ことを目的として、ミュンヘンヘルムホルツ研究所で9か月間研究に従事しました。研究以外にも、研究室の物品管理やトラブル対応などにも積極的に参加し、研究チームの一員としてラボに貢献することを学びました。留学生活最後の月には研修生に実験を教え、一緒に研究課題を進める経験もしました。

留学の動機

【脱、井の中の蛙】大きいラボに飛び込み、自分の研究能力の強み・弱みを客観的に把握したいと思いました。【還元力の高い研究者になるには】私は自分の研究を社会に還元できる研究者になりたいと思っています。留学先の研究予算の殆どはドイツ政府が出どころで、ここで活躍する研究者はドイツ社会の期待を背負い研究しているといえます。自分の理想の研究者像に近づくために必要なことが学び取れるのではないかと思いました。

成果

・体験記のタイトルにもあるように、リーダーのConrad博士はI'm NOT Sensei"と言って、自分の力で研究を進めるようプッシュしてくれます。ノウハウがないものはある人に尋ねるなど、色々な手を尽くして研究を進めていく力が付きました。・自身の研究を論文化するに足るデータが得られました。論文を執筆中です。・xCTを標的としたがんの診断や、治療の基礎となる研究を新しく始めることができました。

ついた力

全力

ラボの人たちは常に全力でした。例えば、私のデータを見てsensational!と叫んだり、私が指示を聞き間違えてミスをした時には、本気でがっかりされました。議論はけんかに間違われるぐらい激しいです。休暇は家族、恋人、友人と思いっきり楽しみます。体調を崩したら仕事を他の人に託してがっつり休みます。本当にすべてが全力なのです。そんな彼らの真似をするようになってから、留学が一気に楽しくなりました。

今後の展望

今回の留学中に新たに始めたプロジェクトを完成させるため、博士号取得後に博士研究員としてもう一度今回の留学先で研究することを目指しています。xCTががんの治療に本当に有効であるか、慎重に実験を積み重ねていきます。また、もっと世界中の研究者と出会って人脈を広げていきたいです。

留学スケジュール

2017年
10月?
2018年
7月

ドイツ(ミュンヘン)

9か月間を通じて留学先のConrad博士の研究グループで研究に従事しました。
【2017.10-11】ラボメンバーとルームシェアをさせてもらう。メンバーの実験を手伝い、研究室の実験システムに慣れた。
【2017.12】ルームシェア型の寮に引っ越した。ポスドク研究員の研究プロジェクトを手伝った。毎日やることが多く、朝5時台のバスに乗って研究所に向かうことも。
【2017.1-】自身のプロジェクトを進めるようになる。
【2017.3】研究所内で行われる研究セミナーにおいて、発表を担当した。
【2017.6-7】研修生に実験を教えたり、一緒に研究方針を話し合ったりした。
実験の後にラボの人たちと卓球などスポーツを楽しんだり、料理をしたりもしていました。研究室の外でも一緒に過ごすことで、お互いをよく理解するきっかけになったと思います。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

60,000 円

生活費:月額

60,000 円

友人が用意してくれたサンプル保管場所
実験が終わったらみんなでスポーツすることも
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

60,000 円

生活費:月額

60,000 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

私と同じ博士課程の学生の、ラボの友達です。彼女は「私はセーラームーンが好き。うさぎがみんなのために全力で頑張るところがすごいと思う。」というけれど、私にとっては彼女こそが私にとってのセーラームーン、私を救ってくれたヒーローです。留学先で研究を始めたばかりのころ、早く色々なことを覚えなければと焦っていたし、個人的にも不安を抱えていることがあって、無茶な実験スケジュールを組み、時にはご飯を食べずにずっと作業をしていました。そんな私を見て、彼女はある日「ご飯食べてるの!?このままじゃ、あんた死ぬよ!」と私を本気で叱りました。冷たい私の肩に、温かい彼女の手がそっと置かれたとき、涙が出てしまいました。その日彼女は私を家に案内してくれました。道中、自分が焦っていること、抱えている不安を彼女に打ち明け、家に着くと、「今日は眠りたいだけ眠って、起きた時間に一緒にラボ行こうよ」と温かいベッドと毛布で眠らせてくれました。彼女のまっすぐな優しさに何度助けられたかわかりません。私も彼女のような人になりたい、彼女がつらい時は日本から飛んで行ってでも助けに行きたいと心から思います。

友達の実家ハンガリーにて、ご家族との一枚。

留学中に、自分を勇気づけてくれたモノ・コト

留学の途中で引っ越した研究所の寮には、世界中から来た研究者や学生が1週間~半年滞在し、3人1組でキッチンとバスルームをシェアします。私も約半年間の滞在で、たくさんの人と共同生活を送りました。その中で出会ったポルトガル出身のルームメイトとは、お互いに自分の国の料理を作って一緒に食べたり、研究について話し合ったりと、特に仲良く過ごしていました。その人が自国に帰ることになった日...気温がマイナス10度以上になるときもある極寒の日常が続いていた日でしたが、「マミ、寒そうだよ。体を冷やしちゃだめだよ。私の着ていたフリースとルームシューズを置いていくから使ってね。」と言って私に置いて行ってくれました。彼女のやさしさに心も体も温まりました。3月にあった研究発表セミナーでは、もらったフリースを着て発表に臨みました。勇気をもらえた気がして、不思議と堂々と、自分の言葉でプレゼンができたことを覚えています。

いただいたフリースとシューズ。ずっと履き、着続けます。

留学前後での、自分の変化

変な英語でOK。沈黙は罪である。ブレイクスルーは必ず訪れるから、あきらめない!!!

  • 語学力 : 英語

留学を思い立つ前から、英会話に通ったり、留学生のチューターをしたりしていたため、英語を喋れる「つもり」になってラボの門を叩きました。ところが、留学開始早々、①ラボの人たちの会話と仕事が予想以上にスピーディーで、実験について質問しようと頭の中で英文を組み立てているうちにみんな他の作業へ移ってしまう。②”正しい答えを「すべて」選んでね”という言葉を聞き逃し、動物実験施設に入る資格を得るためのテストに不合格になる。など、打ちのめされる出来事が次々と続きました。人に話しかけることが本当にストレスでした。会話が思うようにできないので、ラボのキッチンでのランチ休憩を、わざとみんなと時間をずらしてとっていたこともありました。でも、無言ではいつまでもチームになじめないし、場合によっては不信感も与えてしまいます。このままではまずい思い、「多少文法がおかしくても、会話を増やす。」「英語で思考する」「日本にいる友達とも英文でメッセージのやり取りをする」「研究所のセミナーに参加して他の人のきれいな英語をたくさん耳にする」などを苦しみながらも地道に続けました。留学3か月目ぐらいから、会話のテンポがよくなったことを実感し、留学6か月目には研究所内でのセミナーで自分の研究内容を発表し、「説明がしっかりしていて良いプレゼンだった!」とほめてもらいました。

留学前にやっておけばよかったこと

もっとギリギリまで実験し、論文を読み込むこと。はじめてのラボミーティングで自分の研究紹介をしたとき、英語はボロボロでしたがデータ自体をものすごく評価してくれました。逆に、英会話に不安がなくなってくると、実験のディスカッションをしたときに自分の引き出しの少なさを痛感し、何度も悔しい思いをしました。語学の用意もある程度は必要ですが、それ以上にデータと知識をたくさん詰め込んで海外に行った方がいいです。

留学を勧める・勧めない理由

今、やりたいことが海外にあるなら、メリット/デメリットをあまり考えすぎず、学生のうちにトビタつことを強くお勧めします。一度就職した後に「やっぱり留学しよう」と思っても、現在の日本社会では厳しいことも多い気がしているからです。「自分のやりたいこと」を真剣に見つめて現地で取り組んでくれば、授業や就活などの帰国後に抱える不安も解決できる力がついて帰ってこれるはず。

これから留学へ行く人へのメッセージ

挨拶と笑顔を忘れなければどこでもやっていけるし、だれとでも仲良くなれると思います。私が留学を通じて出会った人たちは、今後も共にアイディアを出し合い、つらい時に支えあえる一生の仲間です。きっとみなさんにもそのような出会いが待っています。加えて、日本の家族や友人の存在の大きさを留学中に感じると思います。感謝の気持ちはなるべく言葉にして伝えるといいです。