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吉田 邦嵩

出身・在学高校:
栃木県立栃木高等学校
出身・在学校:
九州大学
出身・在学学部学科:
大学院 生物資源環境科学府 生命機能科学専攻
在籍企業・組織:
JT

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最終更新日:2021年05月12日 初回執筆日:2021年05月12日

世界最高峰の研究所でのワクチン開発

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • オックスフォード大学 ジェンナー研究所 (The Jenner Institute, Nuffield Department of Medicine, University of Oxford)
  • イギリス
  • オックスフォード
留学期間:
約1年間
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 2,000,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

免疫学の分野において世界トップクラスの技術力を有する英国オックスフォード大学のジェンナー研究所でマラリアワクチンの開発研究を実施する実験・技術修得重視の留学をしました。

日英の研究者が開発中の次世代ワクチンプラットフォームの技術を修得することを目標に、ワクチン開発が非常に困難とされるマラリアのワクチン開発に挑戦し、動物モデルの基礎研究を出発点として臨床応用への橋渡しを目指す Translational Research を進めました。
具体的には、自らワクチン接種や遺伝子組み換えマラリア原虫による動物実験・各種免疫解析実験を実施し、日本では実施できない感染症に対するワクチン開発の進め方、実験データの解析手法を学ぶとともに、実験結果を現地の同年代の学生や著名な研究者と適時議論しプレゼンテーションを行うことで、課題解決力や Negotiation & Influencing スキルの向上に努めました。

留学の動機

1)世界最先端の研究所への留学が、研究者としての自身の立ち位置の明確化および国際的な環境の中で優れた成果を挙げるための取り組みを学ぶにあたり最適であると考えたため。
2)移民・雇用・独立等に関する課題が存在する多文化共生社会の一員となり、文化・社会・政治に対する見識を広げることが自身の視座・視野を拡充し、日本のみならず世界で活躍できる人材として社会に広く貢献するにあたり必要であると考えたため。

成果

1)Nature 姉妹誌での論文 publish (First author)
2)実験動物の取り扱いおよび各種免疫解析技術の修得

ついた力

本質を問い続ける力

すでに確立されたアプローチに則った実験を行う中で、それを実行すること自体が目的化してしまうことがありました。研究所に所属する様々な研究者と議論する中で、なぜその実験をしているのか?その結果からどういうことが考えられるのか?という (至極当たり前のことですが) 本質を見失わない思考様式を養うことができました。

今後の展望

生物実験に関する専門的な知識に加え、課題解決力やコミュニケーション力といった特定の分野に活用が限定されない能力を育むことができたと感じています。
将来、私たちが解決すべき課題は複合的であり、また特定の専門性を有するのみでは対応が困難であると考えられるため、これらポータブルスキルを養い、どんな環境でも活躍できる人材を目指していきたいです。

留学スケジュール

2015年
5月~
2016年
4月

イギリス(オックスフォード)

【研究の拠点: The Jenner Institute, University of Oxford】
2015年5月から約1年間、ウイルスベクターを基盤とした新規マラリアワクチンの開発研究を行いました。細胞培養系から動物実験までの各種生物実験の手技を指導教員より修得し、ワクチンの有効性評価に関する一連の実験を単独でも実施できるようになりました。また、得られた研究結果は学術論文として公知化することができました。

【生活の拠点: Commonwealth House Oxford】
世界各国から留学生が集まるシェアハウスに滞在していました。日本語が全く通じない環境の中で積極的にシェアハウスのイベントに参加することで交流を深め、「多様性」というキーワードについて改めて考える機会を得ることができました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

留学先の研究所の外観
研究所のメンバーと参加したDragon Boat Race
オックスフォードの街並み
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

留学前後での、自分の変化

様々なことが思い通りにいかない環境の中で、自分の強みや弱み、これからどうしていきたいのか、それには何が足りていて何が足りていないのか等、自分の能力や将来に真摯に向き合う時間を作ることができました。環境が変わっても通用すること/しないことが明確になったことで、自身の成長の方向性を留学前よりも具体的に定めることができるようになったと思います。

テムズ川の辺り
観光スポットにもなっている学食

早め早めの準備が肝要

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

特に海外に長期滞在する場合には、ビザの取得が必須となるかと思います。
申請するビザの種類は留学する国や受け入れ先の組織の指示によって変わってくるはずです。留学の序盤も序盤の「入国できない!」みたいな残念な躓き方をしないよう、気をつけてください。

5月4日の様子

これから留学へ行く人へのメッセージ

単に海外へ行きたいというのはやはり時間の浪費になってしまうかと思います。
現地でしかできない経験をきちんと自分のものとして次のステップへ昇華させることが留学の意義だと思うので、留学しなければならない理由を明確にし、腹落ちさせることが大切だと思います。