留学大図鑑 留学大図鑑

江村菜津子

出身・在学高校:
徳島文理高等学校
出身・在学校:
岩手大学
出身・在学学部学科:
農学研究科動物科学専攻
在籍企業・組織:


最終更新日:2018年04月02日 初回執筆日:2018年04月02日

分野を超えて活躍する研究者を目指して

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • サスカチュワン大学、マーサー大学
  • アメリカ合衆国・カナダ
  • サスカトゥーン・サバンナ
留学期間:
12カ月
総費用:
3,000,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 2,420,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 挨拶など基本的な会話ができるレベル<TOEIC 560点> 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<TOEIC 735点>

留学内容

 私は研究者を目指して、岩手大学でブタの繁殖学の分野で研究をしています。ブタは畜産業界とヒトの医学業界に貢献できる動物であり、私はヒトの医学分野に興味がありました。そこで、語学力向上と医学的知識の取得を目的として1年間の海外留学をしました。まずは、岩手大学と提携があるカナダのサスカチュワン大学で約2カ月の語学研修を受講しました。その後は岩手大学の教授の紹介で、アメリカのマーサー大学に移り、医学部に属する研究室で10カ月間ラボワークを行っていました。サスカチュワン大学では語学の勉強だけでなく、農学部の研究室訪問や畜舎の見学等もさせていただきました。マーサー大学では主に癌に関する研究を行い、得られたデータで国際学会での発表も行いました。また、起業にも興味があったので、US-Japan Forumの主催するシリコンバレーでの1週間のアントレプレナーシップも受講しました。

留学の動機

 私は将来「分野を超えて世界で活躍できる研究者」になりたいと思っており、世界の研究や他分野に興味がありました。そのため学生のうちに一度留学することを目標にしていました。また、私はブタの研究を岩手大学で行っていますが、ブタの研究はヒト医療に応用できるため、医学分野に非常に関心がありました。所属する専攻の教授から医学部の研究室に留学できるお話をいただき、1年間休学をして留学する決意をしました。

成果

・語学力
・国際学会での発表
・医学分野の知識および実験手法取得
・農学および医学分野の人脈構築
・起業に関する知識の習得

ついた力

飛び込み力

 留学前は、何事も受け身の姿勢が多く、人と会話をするときも聞き手になることが多々ありました。また、日本ではあまり人に頼ることもなく、自力で物事を解決することがほとんどでした。しかし、海外では人に頼らずして生きていくこと困難です。そのため、これまでは人との交流に消極的な私でしたが、留学を通して、積極的に人と関わること、人の輪の中に飛び込んでいくことを心がけるようになりました。

今後の展望

 まずは留学で得られた実験手法を現在、日本で行っている実験に応用していく予定です。また、留学先で知り合った人を頼りに、近いうちにもう一度留学したいと思っています。将来は、研究者になることはもちろん、バイオベンチャー設立を通じて世界に貢献できる人になりたいと考えています。

留学スケジュール

2016年
9月~
2016年
12月

カナダ(サスカトゥーン)

 サスカチュワン大学の語学学校にて10週間の語学研修を受講しました。必須の授業は午後だけでしたが、自由参加の講義や個別指導が午前中にあり、2週間に一度reading、listening、writing、speakingのテストもありました。宿題もたくさんあり、週末はアクティビティ等があったので、なかなかハードな生活でした。ホームステイをしていたので、日常生活の中でも英語に触れる機会が多くありました。また、語学研修だけではもったいないなと思ったので、人脈を駆使していくつかの研究室や畜舎の訪問も行っていました。

費用詳細

学費:納入総額

300,000 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

項目:ホームステイ代 (10週間・食費込)

300,000 円

語学学校の前にて
訪れたDairy burn
費用詳細

学費:納入総額

300,000 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

項目:ホームステイ代 (10週間・食費込)

300,000 円

2016年
12月~
2017年
9月

アメリカ合衆国(サバンナ)

 マーサー大学の医学部の研究室にてヒトの癌に関する研究を10カ月行っていました。だいたい朝の8時から夜の5時ころまで大学にいました。住まいは、アパートで独り暮らしをしていました。週末は近くの映画館に映画を観に行ったり、大学で知り合った友人と遊んだりして過ごしていました。また、起業にも興味があったので、US-Japan forumが主催するシリコンバレーでの1週間のアントレプレナーシップを受講したりもしました。そのプログラムではGoogleやスタンフォード大学、Intel等の企業や大学の訪問に加え、実際に現地で働く日本人の方々とお話できる貴重な機会がありました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

88,000 円

生活費:月額

20,000 円

通っていた大学
シリコンバレーでのアントレプレナーシップ
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

88,000 円

生活費:月額

20,000 円

スペシャルエピソード

留学で確信した、“私はこれを目指す!”

 私は大学に入学した当初から研究者を目指していましたが、この留学を通してその目標は漠然としたものから確信へと変わりました。そのきっかけはアメリカで参加させてもらった学会です。データが得られたので、研究室のボスのご厚意からポスターですが、国際学会で発表させていただく機会を得ました。そこで、私の研究に興味を持った大学教授から共同研究のお話をいただきました。これまで、何度か学会で発表した経験はありましたが、このような経験は初めてで、今でも胸が高まったのを覚えています。この出会いは次の留学に繋がるような出会いであり、私に研究の輪が広がるすばらしさを教えてくれた経験でした。

国際学会での1枚

英語は現地で慣れるしかない

  • 語学力 : 英語

 留学をする上で、心配な要因の一つとして語学力があると思います。私はもともと英語が得意ではなく、むしろ苦手教科でした。そのため留学をするにあたって、まずカナダの語学学校行くことにしました。カナダ英語はとても聞き取りやすく、プログラム終了時にはある程度の自信もついていました。しかし、次の留学先であるアメリカに移動した途端に、これまで聞き取れていた英語が全く理解できなくなりました。留学先がアメリカ南部のジョージア州ということもあり、スペイン語訛りが入っているためか、英語にすら聞こえず、絶望したのを覚えています。しかし10カ月滞在していると、次第に慣れてきて、なんとか聞き取れるくらいには最終的になりました。世界には、様々な英語を話す人がたくさんいます。いろんな人と交流するにはそれぞれの人の英語に触れて慣れていくしかないということを学びました。

留学前にやっておけばよかったこと

 私は、大学院に進学してから初めて留学をしました。留学先の語学学校ではほとんどの学生が年下で、日本人の高校生にも出会いました。彼らは、すでに高いレベルの語学力を身につけており、海外生活を楽しんでいました。私は語学はもちろん、海外生活そのものにも苦労しました。そのため、もっと若いうちに一度、留学しておけばよかったと後悔しています。

これから留学へ行く人へのメッセージ

 私は、海外に全く興味がない人は留学する必要はないと思っています。しかし、少しでも海外に興味があるのであらば、留学してみることを強くお勧めします。トビタテを通してたくさんの留学を経験をした学生に会ってきましたが、どんなに辛い思いをしても後悔をした学生には出会ったことがありません。そのくらい留学は、人生にとって大きな価値のあるものになります。みなさんの留学が実り多きものになるように願っています。