留学大図鑑 留学大図鑑

みちえ

出身・在学高校:
横浜市立南高等学校
出身・在学校:
お茶の水女子大学
出身・在学学部学科:
人間文化創成科学研究科食品科学コース
在籍企業・組織:


最終更新日:2018年03月16日 初回執筆日:2018年03月16日

世界を舞台に活躍する栄養士への1ステップ

留学テーマ・分野:
海外インターンシップ
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • スチュアートカレッジ(カナダ)・日本酒卸売り会社(ニューヨーク)・日本食卸売り会社(プノンペン)
  • カンボジア・アメリカ合衆国・カナダ
  • ビクトリア・ニューヨーク・プノンペン
留学期間:
7か月
総費用:
1,300,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,300,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 挨拶など基本的な会話ができるレベル 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

カナダでは改めて栄養学を学び、欧米諸国の一つであるカナダの食文化について学びました。また、日本とは異なった栄養学を学ぶことで「栄養学とはこうあるべき」といった栄養学に対する固定観念を崩し、今後国際色が増す日本において必要になると思われる、食に対する柔軟な姿勢を管理栄養士として身につけることを目的としました。ニューヨークでは日本酒の卸売り会社でインターンシップをし、ニューヨークにおける日本食ブームの実態について調査することと、世界各国の食文化が交差・集積するこの地で、欧米の食文化についてその長所短所などについて学び、同時に様々な国の食文化を体験することで管理栄養士として見聞を広めることを目的としました。この2ヶ国での大きな目的は、海外における日本食ブームの実態調査と併せて、「食の欧米化」という言葉によって抱いてしまっていた欧米の食文化に対する批判的な姿勢と偏見を見直すことでした。そこで、現地のスーパーやレストランを積極的に訪れ、日本にはなくて現地で馴染みのある食材などを見つけては意見をまとめてブログなどで記録・発表しました。発展著しいプノンペンでは、日本食材の卸売会社に勤めながら、身近なアジアにおける日本食ブームの実態について学ぶことを目的としました。実際に行ったことは市内にあるインターン先が経営しているAEONのフードコートの1店舗を運営することで、これが調査に大変役立ちました。

留学の動機

管理栄養士養成課程において何度も耳にした「食の欧米化」・「日本食ブーム」という言葉が、まるで、欧米の食文化を「悪」だと一方的に批判し、「世界は日本食ブームだ」といって日本の食文化を称えているようだったため気になっていました。そこで、欧米の食文化と海外における日本食ブームについて自分の目で確かめるべく、留学を志望しました。

成果

ビクトリアではカナダ人の栄養士さんと対話する機会を得ました。また、欧米の食文化といっても実に様々な食形態があり、宗教や食に対するポリシーに対応できる面において、日本よりもはるかに進んでいることを理解できました。プノンペンにおける日本食人気の理由は、日本で認識されているような「健康的だから」といった理由よりは、比較的富裕層の人たちの「ステイタス」となっている部分が強いという知見を得ました。

ついた力

目の前の当たり前を疑う力

留学を経て、「常識」というものが崩れ去る場面(カナダ人の栄養士の方からカナダにおける栄養学の話を聞いた時や、ニューヨーク・プノンペンであったあらゆる出来事)に何度も遭遇し、いい意味で「常識などこの世には存在しないのだ」と認識できました。そこから、帰国後は日本にあるあらゆる常識(日本の大学で習った”バランスの良い”食事が本当にベストなものか?)を疑う癖や、追究力がついたと感じています。

今後の展望

病院で管理栄養士として勤務します。さらに将来的には、フリーランスの管理栄養士として場所や時間、言語といったあらゆる壁を越えて「健康になりたい全ての人」をサポートする存在になります。また、東京オリンピックに向けて国際色が強くなる日本が、ビーガンやハラールといった食に関する様々なポリシーに対応できる国となるよう、積極的に事業やアクションをおこしていきます。

留学スケジュール

2016年
9月~
2016年
12月

カナダ(ビクトリア)

栄養学のカリキュラムが併設された語学学校で3ヶ月間、英語でのコミュニケーション能力を上げるとともに栄養学を学びました。また、現地の食文化理解を進め、カナダにおける日本食ブームについても調査しました。最も印象的だったのは、カナダ人の栄養士さんと対話した際に伺ったお話です。ヴィーガンといった食事内容について学ぶことに加えて、人工のうま味調味料であるMSGについても授業で触れることを知りました。また、日本では4週間しか設けられていない実習期間も、カナダやアメリカでは1年間も設けられており、レベルの高さに驚きました。また、カナダ人の栄養士の方が言っていた「自国でポピュラー食は健康的なものとは程遠いものも多いが、”何を食べたか”と同じくらい”どう食べたか”(例えば、何かをしながら・自分が一体本当にそれを食べるべきなのかよく考えずに食べる姿勢)について日々考えることも大切」という言葉に同感しました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

カナダ人の栄養士さんとお話した際の写真
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2016年
12月~
2017年
1月

アメリカ合衆国(ニューヨーク)

日本酒の卸売会社でインターンをし、ニューヨークにおける日本食ブームの実態調査を行いました。具体的には、マンハッタンにあるリカーストアを30店ほどまわり、店員へのインタビュー等を通して日本酒の取り扱いや売れ行きの状況、客層の調査などを行いました。また、シェアハウスで生活を共にしていたフランス人やアメリカ人、メキシコ人といった人たちに日本酒をテイスティングしてもらい、外国の人達から日本酒の評価をとりました。同時に、カナダでも行っていたように、現地のスーパーやレストランを積極的に訪れて積極的にアメリカの食文化に触れ、理解を深めました。ニューヨークは世界中の食文化が集積した地であり、独特の雰囲気を持っていました。そして、欧米の食文化といっても実に様々な食形態があり、宗教や食に対するポリシーに対応できる面において、日本よりもはるかに進んでいることをこの地で深く理解することができました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

日本酒の卸売会社で扱っていた商材
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2017年
2月~
2017年
3月

カンボジア(プノンペン)

日本食材を卸売りする会社でのインターンを通して、発展著しいカンボジアにおける日本食ブームの実態を調査しました。具体的には、インターン先が経営する、市内にあるAEONのフードコートの一店舗の運営に携わりました。プノンペンの人々にとってAEONはレジャースポットであり、観光地で毎日多くの人々が訪れます。そこでは吉野家やといった日系または日本食レストランが6店舗あり、加えてAEON以外にも個人経営の日本食レストランや牛角などが市内の中心地に集中しており、日本食の人気の高さが伺えました。しかし、先ほども述べたようにプノンペンにおける日本食人気の理由は、日本で認識されているような「健康的だから」といった理由よりは、比較的富裕層の人たちの「ステイタス」となっている部分が強いという知見を得ることができました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

AEONでは本格的なお寿司が売られて、大変人気です
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

カナダであったヴィーガンの子との出会いは私にとってとても大きいものであり、貴重です。なぜヴィーガンになるのか、どういう食生活を送るのか、体にどういう変化があるのかといったあらゆることを、彼女が実際の経験に基づいて教えてくれました。そして、それまで菜食主義者程度にしか知らなかったヴィーガンという選択肢について、環境問題やアニマルポリシーにまで踏み込んだ奥深いものであることを理解し、強い興味関心を抱くようになりました。
また、彼女が勧めてくれた、ヴィーガンの食事を推奨する医師が書いた本は、わたしが今まで日本で習った栄養学の概念を覆すものでした。「野菜果物・肉魚・乳製品・卵・ご飯バランスよく」といった食事が最もヒトの体にとって良いものだと信じてきましたが、全く異なる考え方が医師によって推奨され、データもとられていることを初めて知り、衝撃を受けました。
なぜ日本の管理栄養士養成課程においてヴィーガンの文字すら出てこないのか、今では大きな疑問です。加えて、ヴィーガン食とは対照的な、糖質制限やアトキンスダイエットについても知識がかなり不足していることを痛感しました。
「目の前の当たり前の疑う力」と「追究力」を養ってくれたのは、カナダで出会った彼女のおかげです。

彼女が勧めてくれたヴィーガンに関する本

井の中の蛙大海を知らず

  • 単位・留年 : 休学・留年

私が休学をし留学を開始したのは、2016年9月初旬、修士2年生のときでした。周囲の同級生は就職活動を終え、修士論文を完成させるべく日々実験に取り組んでいました。そんな中私は、大きな情熱を持って応募したにも関わらず、同年6月中旬にトビタテ合格通知をもらってから留学先に到着するその時まで、実は休学をして留学をすることを次の理由からとても恐れていました。
1.休学することによって、周囲よりも社会に出るのがさらに1年~3年遅くなるから。
2.休学によって就職活動が不利になるのではないかと思ったから。
3.研究を一時中断するから。
でも、留学を開始して真っ先に思い浮かんだ言葉は「井の中の蛙大海を知らず」でした。
1.休学することによって、周囲よりも社会に出るのがさらに1年~3年遅くなるから。
→だから何だっていうのか?行った先々で人々が発する「私は私」という空気を感じ、今まで自分が周囲の人と比較ばかりして、何か自分の「欠けている部分」ばかり見つめていた点に気が付きました。そして、むしろ自分にしかないストーリーを描けていることに対して大きな感謝の気持ちが湧きました。
2.休学によって就職活動が不利になるのではないかと思ったから。
→正直、私は病院への就職を希望したため、就活では専門知識が問われるペーパーテストや小論文の結果に重きが置かれ、一般企業と比べて留学経験はあまり重視されませんでした。でも、留学の経験自体が私の人生を台無しにすることなんて100%なかった。むしろ、世界中にできたコネクション、固定観念を壊す出来事…どれを取ってみても、プラスでしかありませんでした。
3.研究を一時中断するから。
→これは反省点であり、皆さんへのアドバイスです。もし、留学内容があまり反映されないのであれば、卒論や修論はかたちにしてから行く方が、留学中に余計なことを考えずに済みます。

留学前にやっておけばよかったこと

私の場合は、留学内容が修士論文に反映されるものではなかったため、留学開始前までにある程度修論をかたちにしておけば良かったとは思います。ただ、もちろん帰国後にきちんと書き上げたので、「人間本気になれば何でもできるんだな」と改めて実感できた点はあります。笑

留学を勧める・勧めない理由

多くのトビタテ生が口を揃えて言っていますが、私も留学を勧めない理由が見つかりません。

これから留学へ行く人へのメッセージ

一瞬一瞬を「楽しんで」ください。そして、やらずに後悔するよりとにかくやってみてください。思い通りにいかない事も、ヒヤッとする事も、…もしかしたらあるかもしれません。それさえも、「今しか経験できないこと」と前向きにとらえて、「やっぱ無理かも」と留学中に何かを諦めないでください。その先に、私が経験したように、自分の想像をはるかに超える素敵な出来事や、人との出会いがあるかもしれないから。