ミラー富永枝里香さん

長期間の博士課程を
支えてもらえた!

ミラー富永枝里香さん(ロンドン大学キングス・カレッジ・ロンドン卒業)

一橋大学・日本学術振興会特別研究員PD(現職)

現在の研究分野等について簡単に教えてください。
1970-80年代の中東和平プロセスにおける英米関係と、そこにおける日本の役割を石油ビジネスに注目して研究しております。
いつ頃から海外の大学院への進学を意識していましたか。また、そのように思った理由、きっかけは何ですか。
国際関係史を専門とするテニュアつきの職(講師・准教授など)を目指すようになり、アメリカかイギリスでの博士号取得が有利になると考えたからです。
海外の大学院に進学をするにあたり、ハードルに感じていたことは何ですか。そして、それをどう乗り越えましたか。
修士留学前(本制度での留学ではない)は、IELTSで目標得点を取得すること、博士留学前は奨学金を得ることがハードルでした。IELTSのライティングとスピーキングは、とにかく練習するしか方法はありませんでした。スピーキングは、月額5000円くらいのフィリピン人のオンライン英会話をIELTS受験前の3ヶ月間と留学までの7ヶ月間毎日受講し、乗り切りました。ライティングは、オーストラリアのIELTSライティング採点業者を使いました。IELTS受験までの3ヶ月間、2日に1回ライティングサンプルを提出し、採点・修正された英文を丸覚えして乗り切りました。1回の採点あたりAUS$3でした。奨学金は、できる範囲で応募しました。私の場合、博士課程だったので、長期間支援してもらえる日本学生支援機構の奨学金はとてもありがたいものでした。
実際に留学をしてみて、良かったと思っていること、大変だと思っていることは何ですか。
英語での授業は最初は大変でしたが、家で時間をかけてリーディングしておけば、何とかなりました。それよりも、「雑談」に苦労しました。私の学部は、学生も教員もほとんどがイギリス人で、彼らが面白いと思っていることが理解できず、会話に取り残されることがしょっちゅうでした。ただ、それにも慣れてきて、途中からあまり気にならなくなりました。
今後のキャリアプランについて教えてください。
一橋大学で日本学術振興会・特別研究員PDとして働いております。
海外の大学院に進学することを希望している後輩へのメッセージを記載してください。
留学前は、英語のハードルがとても高いものに思えましたが、いったん留学してしまえば何とかなりました。もちろんネイティブのように英語を使いこなすことはできませんが、内容のあるものを書けば共感してもらえますし、言語は表層的なスキルだと思いました。