2018.04.26

パリで日本の伝統文化を世界に発信。8代目が挑む輪島塗マーケティング

石川県輪島市で江戸時代から輪島塗の製造を行う家の8代目として桐本滉平(きりもとこうへい)さんは、今後の輪島塗のブランディングのヒントはフランスにあるのではないかと思いから、1年間パリのギャラリーでインターンシップを行い、工芸品の企画販売を行いました。彼が現地で生活してみて気づいたこととは・・・。

パリで日本の伝統文化を世界に発信。8代目が挑む輪島塗マーケティング

輪島塗のブランディングのヒントはフランスにあるのでは

私は1992年に石川県輪島市で江戸時代から輪島塗の製造を行う家の8代目として生まれました。バブル経済以降、輪島塗の業績は深刻的な右肩下がりだったのですが、その中で、技法のイノベーションや海外ブランドとの協業など、革新に取り組む家族と職人たちの姿を見て、大学進学を機に家業を継ぐことを決意しました。大学で輪島塗のマーケティングについて学ぶ中で、今後の輪島塗のブランディングのヒントはフランスにあるのではないかと思い、多様的な活動を留学として認めて支援してくれるトビタテ!留学JAPANに応募しました。1年間、パリで工芸品の販売や企画を行い、その経験を生かし、帰国後は新たなブランドを東京のクリエイターたちと共に立ち上げ、百貨店にて発表しました。

「MADE IN JAPAN」から「MADE WITH JAPAN」へ

「MADE IN JAPAN」に対する考え方が変わったことです。留学前は日本の輪島塗を世界に発信しよう意気込んでいました。しかし、現地で生活してみて気づいたことは、一方的な日本文化の発信は押し付けになりかねないということでした。他国で商業活動を行うならば、その土地に根付く文化に寄り添わなければならないと痛感したのです。日本には海外からモノが流れ込み続ける一方で、日本のモノがなかなか海外の市場で受け入れられない理由に気づくことができました。今後の日本のものづくりは「MADE IN JAPAN」から「MADE WITH JAPAN」へと考え方から変えていかなければならないと実感することができました。

一人一人の留学を後押ししてくれる、トビタテ!留学JAPAN

トビタテ!留学JAPANは日本を変えるプロジェクトだと思っています。留学に対して肯定的な大人たちが少ない、閉鎖的な日本社会に生きる若者にとって、親や先生に反対されようが、「留学したい」という気持ちを後押ししてくれる大人がどこかにいてくれることには大きな意味があります。また同じような志を持つ全国の仲間たちとの出会いの場としても、トビタテには大きな価値があります。

ご支援者向け留学体験談~世界に羽ばたく若き挑戦者たち~について

この記事はトビタテ!留学JAPAN事務局が企画・編集を行なったものです。今後もトビタテ!留学JAPAN日本代表プログラムに選抜され、世界を舞台に活躍する奨学生をご紹介してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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