留学生の就活とキャリアのリアル

留学やそれに伴う留年、休学が
「就職に及ぼすメリット・デメリット」は?
留学や海外インターンと、就活を
「賢く両立するスケジュール」は?
データと、先輩留学生・企業人事の
インタビューで読み解いていきます。

データで見る
留学と就活

留学が就活に及ぼす影響は?

留学が就活に及ぼす影響は?比率図

留学による留年が就活に悪影響したと答えた人はわずか3.4%。90.8%の人がプラスに影響、または影響なしと実感しています。

企業からの評価は?

企業からの評価は?比率図

企業の採用人事担当者も73.1%が「留学による留年はマイナス評価にはならないと思う」と回答しています。

人事の期待と留学成果は一致

人事の期待と留学成果は一致図

企業人事が「留学経験者に期待する能力」と留学経験者が「実際に留学で得られた力」は一致しています。

留学を経たキャリア観の変化

留学を経たキャリア観の変化図

留学を通してキャリア観が変化したという学生は65.7%にものぼります。具体的には「日本の成長への貢献」といった視座の高さ、「外国語を使える/海外と関わる」といったグローバルさが身についていることが伺えます。逆に「上場企業」「周囲からの好感」「年収」といった条件面は重視しなくなる人も。留学によって視野や選択肢が広がり、多様なやりがいを見い出していることがわかります。

POINT

留学による就活デメリットを感じる人は学生・企業人事ともにおらず、優遇される能力を身に付けられていることが多いようです。また留学経験がキャリア選択に多様な目線をもたらし、将来の可能性の幅を広げているのでは?ということもわかりました。

先輩留学生の体験談と
就活スケジュール

留学生のための就活選択肢は増えています。ボストンやロンドン、東京などで開催される留学経験者向けのキャリアフォーラムを始め、現地大学にいながらwebベースで就活を進める人も。
実際に留学を経験した人がどのような就活を行い、キャリアに活かしているか体験談を集めました。

一般企業

田中 麻里子さん

POINT

  • ・英語「で」学ぶために学部ではなく大学院で留学
  • ・スウェーデンで「誰にでも優しいまちづくり」を研究
  • ・留学中に就活を開始。スケジュールの工夫で留年回避に成功
松岡 佑磨さん

POINT

  • ・大学院で留学、TOEIC600点でも世界トップ校に
  • ・学部時代のインターンで評価され、留学後まで内定を維持
  • ・学部から院にかけて留学準備した経験が自身の最大の強みに
梅津 駿輝さん

POINT

  • ・バイオベンチャーなどと迷った末、総合商社への就職を決心
  • ・海外でしか使えない技術で、大学院での研究を補完する留学
  • ・留学で感じた、日本の研究資金の少なさ。商社で市場活性化への寄与を目指す
佐々 翔太郎さん

POINT

  • ・途上国の教育に関わるため、NPO e-Educationでインターン
  • ・留学期間中に自らミャンマーで起業、フォロワー100万人に
  • ・敢えて事業を譲渡。将来的な起業を見据え日系企業で経験を積む
渡邉 洸さん

POINT

  • ・博士課程進学を迷うも、ビジネスを学びたくてDeNAへ就職を決意
  • ・就活後に即トビタテ!へ応募。世界最先端の人工知能研究所へ
  • ・将来的には海外の大学院への進学や研究所への就職も視野に
深澤 美奈さん

POINT

  • ・留学前から就活を意識、インターンなどに参加
  • ・新卒では国内大手広告代理店に就職
  • ・海外マーケティングに関わるうち、顧客理解を深めたいと思い、転職
佐藤 拳斗さん

POINT

  • ・学部時代からコンサルティング会社への就職を決意
  • ・就職とは切り離した研究留学、語学力は足りなかったが熱意でトップ校へ
  • ・内定後の留学を許可してくれた企業へ就職
中川 千絵美さん

POINT

  • ・一年生の頃から長期留学に憧れていたが、一度は諦めかけた
  • ・e-Educationに出会い、4年生でインターン留学
  • ・ソーシャルセクターと迷った末、社会を動かす力を学べるビジネスの世界へ
青木 優さん

POINT

  • ・ジェンダー学を学びに行ったフィンランドで「専業主婦」がいないことに驚く
  • ・人生観・キャリア観が変わり、子育てを応援する起業にチャレンジ
  • ・ソーシャルセクターと迷った末、社会を動かす力を学べるビジネスの世界へ

一般企業に就職した先輩の
体験談をもっと見る

行政、国際機関

二見 朝子さん

POINT

  • ・看護士の現場で見えた「研究と臨床のギャップ」を解決する研究
  • ・留学で気づいた、国によって異なる環境と、変わらない看護の本質
  • ・研究者を目指す目標が留学を経て変化、国の環境を整えることを目指す
柴田 北斗さん

POINT

  • ・留学を経てキャリア観が変化、途上国開発へ転向
  • ・キャリアフォーラムで先に内定を得、余裕をもって就活
  • ・就活を見据えて留年したが、就活には全く悪影響せず

起 業

下山 明彦さん

POINT

  • ・留学は人生のリセット期間と捉え、休学
  • ・就活も考え留学後にインターンや事業コンテストに参加
  • ・事業がうまくいかなければ就活に切り替える予定で起業
大槻 祐依さん

POINT

  • ・大学の「楽タン」がきっかけでビジネスに興味を持ち、ビジコンで優勝
  • ・シンガポールトップ校に留学を叶えるも、インターンにのめりこむ
  • ・うまくいかなかったら就活に切り替えよう、という気持ちで起業
荒木 孝文さん

POINT

  • ・米国NPO法人 Give Kids The Worldでボランティア参加
  • ・帰国後就活するも「尖りすぎている」と言われ、起業を決意
  • ・留学を経て「自ら行動を起こしたい」と考えるようになった

企業の人事に聞く
「求められる人材像」

グローバルで活躍しようという意欲のある人材は、企業からも強く求められている。仕事の中で、留学のどんな経験が活かせるのか、人事の方のインタビューから見てみよう。




日本電気株式会社(NEC)

テクノロジーで多角的に世界をリードし続ける日本電気(以下、NEC)。今回は、そんな世界の第一線を行くNECの人事のお二人を取材し、留学人材の活躍やこれからの時代の採用についてお伺いしました。なんと取材を受けていただいたお二人は学生時代に海外で生活されていたそう。それぞれ興味深いバックグラウンドを交えてお話しいただきました。
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東日本旅客鉄道株式会社

世界との「ゲートウェイ」に - 鉄道事業だけではないJR東日本の変革と留学人材
東日本エリアの交通を支えるJR東日本。国内鉄道事業のイメージが強い同社ですが、採用戦略についてお聞きする中で、「乗客」である私たちがあまり知らなかったグローバル事業や海外経験者が活躍している実態も見えてきました。同社の求めるグローバル人材について、同社人財戦略部 尾上さまと大沼さまにお話を伺いました。
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