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企業の人事に聞く

企業の人事担当に聞く、
グローバル時代に求められる人材像
株式会社ナガセ 人事部 副部長 樋口智行様
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独立自尊の社会・世界に貢献する人財を育成する
日本を再興し、世界で活躍できるリーダーへ
Q:「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」への御支援ありがとうございます。今回は、小学生から大学生までの教育事業を展開している御社での「教育」を通じての人材育成と「グローバル人財」との関係、さらに「留学」についてどうお考えか、ということをお伺いできたらと思います。まず、御社の“独立自尊の社会・世界に貢献する人財を育成する”という企業理念についてお聞かせください。
樋口:当社の企業理念は、「独立自尊の社会・世界に貢献する人財を育成する」です。独立自尊とは、自ら求め、自ら考え、自ら判断・実行する、そして自ら決めたことについてはプライドを持って最後までやりきるということ。社会・世界に貢献するというのは、me-ismから脱却をし、自らの力を周囲の人々の幸せのため、社会のために使おうという高い志と利他精神を持つということ。そして、人財とは、自らが率先垂範しながら、周囲の人たちに影響を与え、関わった人たちをも成長させることができる人のことを指しています。
このような人財が、これからの日本を再興し、世界の未来に貢献するリーダーになると私たちは考えており、幼児から社会人への一貫した教育体系をつくり、心知体=人間力を鍛え、次代のリーダー育成に取り組んでいます。
今回、トビタテ!留学JAPANの目的は、まさにグローバルリーダーを育成するということですから、当社としてもぜひこのプロジェクトを応援したいと思い、参加させていただくことになりました。
Q:グローバル化が進む中で、これから特に求められる力は何でしょうか?
樋口:今ナガセでは、日本人に足りない「発信力」を鍛える教育に力を入れています。
例えば、当社が展開する東進ハイスクールでは、生徒同士が互いの夢や学習状況についてグループディスカッションしたり、生徒それぞれの学習目標や計画を生徒自身の力で考え創り上げる取り組みを行うなど、生徒が自ら主体的に考え、自らの意見やアイデアを周囲に発信する教育に力を入れています。
また、英語教育にも力を入れていますが、ペーパーテストで良い点数を取ることが目的ではなく、世界中の人たちと対話していくコミュニケーションツールとしての英語力を身につけてもらうために、英語で自らの夢をスピーチしてもらうなど、やはり発信する場をたくさん設けています。発信力を鍛えるためには、発信するために必要な知識や情報を身につけることはもちろん大切ですが、それに加えて、自らの意見やアイデアを発信する機会そのものをたくさんつくることが重要だと考えています。
グローバルな視点を持ち、視野を広げる
仲間たちと切磋琢磨しながら、夢・志を育む

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Q:御社の行っている生徒の「グローバル人財」教育について、取り組みの内容や意義・目的などをお聞かせください。

樋口:世界で活躍できるリーダー育成のために、様々な取り組みを行っています。
例えば、高校生向けに、中国の清華大学への短期留学の機会を作っています。
まず、留学の人選に特徴があります。課題作文というものを課して提出してもらい、数千名の応募の中から、作文でまず50人を選抜します。学力は全く関係ありません。情熱であったり、意欲、あとは高い『志』を持っているかを見た上で選抜します。そして、全国から50人を集めて、1泊2日で事前研修をします。グループディスカッションや、一人一人の決意表明を通して、私たちが選考し、最終的に30人選抜します。本気で自分の将来・夢について一緒に話したり、これからの日本や世界とどう付き合えばいいかなどを議論したりする「場」自体が貴重な体験となるようで、大きな刺激を受けてモチベーションを高めて帰ります。
清華大学では、中国の言語や歴史、経済などについて学んだり、中国屈指の企業へ訪問したり、中国の成長を目で見て、肌で感じてもらいます。そして、毎日、その日に体験したこと、感じたことを参加した仲間同士でディスカッションをし、自らの考えや夢を磨き上げていきます。そして、最終日には、決意表明として自らの想いを全員の前でスピーチします。成長を続ける中国で刺激を受け、視野が広がり、志高い仲間たちと本気でぶつかり合うことで成長する生徒たちの姿をみて、教育次第で、これからの日本はまだまだ成長できると私たちもモチベーションが高まりますね。

Q:高校生になると大学入試や部活動などなかなか時間をとって海外に行くことが難しかったりして、海外へ行くことを躊躇してしまっている学生も多いと思いますが、どのように背中を押してあげればいいでしょうか?
樋口:確かに、まだまだそう思っている学生も多いかもしれないですね。
ただ、実際、高校生向けの中国・清華大学短期留学や小学生向けのアメリカIvy League視察団などの取り組みを行ってきて感じているのは、参加した生徒はものすごくモチベーションが上がって帰ってくるということです。普段の慣れた環境から飛び出し、大きな刺激を受けて視座が高まり、視野が広がることで、日本サイズではなく、世界サイズで自分の生き方について深く考えるようになるのだと思います。そうすると、まだまだ成長しなくてはいけないという気持ちが強くなり、何事にも留学前よりもさらに一生懸命打ち込むようになるのではないでしょうか。勉強もさらに頑張るようになり、学力も向上する。それに、これから入試制度も改革が進み、学力だけではなく、人間力そのものが問われる時代に入れば、このような経験は生徒の将来にとっても大きなプラスになることは間違いないと思います。
Q:御社内において「留学」についてどのようにお考えですか。
樋口:冒頭で述べましたが、私たちが育てたいと思っている人財は、「独立自尊の社会・世界に貢献する人財」です。留学を経験した人たちというのは、濃淡はあるかもしれませんが、こういう人財への第一歩を踏み出していると思います。新しい世界へ自分で踏み出す、まずそこに出て行くっていうこと自体がものすごく勇気が必要ですし、自分から求めなければ出ていけないので。
教育の仕事とは、そういう「経験」の重要性を未来の人財に伝えていき、どんどん成長させていく/変えていく仕事だと思います。だかこそ、多くの留学経験者が教育の仕事に携わり、自分自身の「経験」そのものをしっかりと後輩たちに伝えていってほしいと思っています。
当社でも、社員育成のために「海外研修制度」があります。「社会・世界に貢献する」と理念にありますから、理念を実現する社員自身もグローバルな視点や経験がないと、保護者や生徒に対峙したときに、その重要性を自分の言葉で伝えることが難しいものです。そこで、当社では海外研修を充実させてきました。
現在では、バンクーバー研修、ニューヨーク研修、上海研修があります。
私は入社するまで海外へ行ったことがなかったので、余計刺激を受けて帰ってきたのを覚えています。東進ハイスクール配属時に参加した研修の際には、帰国後に色々学んだ実体験を持って、グローバルな視点を持つことの大切さや世界を視野に入れて活躍することの重要性を、自分の言葉で生徒に還元出来るようになったと実感しました。
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Q:最後に、学生に向けてメッセージをお願いします。
樋口:留学した方がよくおっしゃいますが、海外に行って、初めて自分の国の良さが見えてきたりします。海外の国に学ぶことは大切ですが、自分の国にしっかりと誇りを持ってほしいです。そうでないと海外の人たちとも対等に渡り合えないと思います。そういう意味でも、実は自分の国について理解する上で、海外留学というのは非常に貴重な場となるはずです。もちろん、日本にない、海外の優れた点もどんどん吸収してきてほしいです。学生時代は、一番自分の自由に使える時間があります。留学もそうですが、時間がなければ出来ないことがたくさんあります。ぜひ、この貴重なチャンスを無駄にしないように、いろいろな場に出向いて、多くの人たちと出会い、様々なことにチャレンジして、皆さん自身を発信する場をたくさんつくることで発信力を高めてください。そして最後に、「自分自身がこれからどんな人間になりたいのか?」「どういう生き方をしていきたいか?」という『自分自身と真剣に向き合う時間』をぜひ作って欲しいな、と思います。自分自身の軸や信念がなければ、外に発信できないと思いますので。
留学は、自分と真剣に向き合う時間にもなると思いますよ。
ぜひ、チャレンジしてください!
Q:ありがとうございました!